トラヴィス、結成20周年の彼らがフジロックを語る

2016年、トラヴィスの通算4回目となる<フジロック>出演がアナウンスされた。トラヴィスといえば、やはりメロディの力からか、そこまで音楽に詳しくない人とかなりマニアックなリスナーの両方から「ああ、良いバンドだよね」と評価される稀有な存在。ライブで“Turn”、“Sing”などのオールドアンセムだけではなく、2008年の『Selfish Jean』、2014年の『Moving』など、常にその時期にリリースされた新作からの楽曲の反応が良いのもこのバンドの特徴。ステージに関しては、オーディエンスが笑顔に包まれるハートウォーミングな雰囲気、というイメージが強いかもしれないけれど、ここ数年はもはやバラッドバンドと呼んでいいのか疑問に思うほど、どんどんエモーショナルな傾向が強まっている。というわけで、今年の<フジロック>では過去3回のどのステージよりもパワフルな演奏を見せてくれるはず。今、彼らのステージに雨は必要ない。

今回は、ヴォーカルのフラン・ヒーリーを中心に、トラヴィスのメンバー4人にバンドのキャリアに触れつつ、過去の<フジロック>を振り返ってもらった。

INTERVIEW:Travis

トラヴィスは今年で結成20周年を迎えますが、<フジロック>も今年が20回目なんですよ。

フラン

ワオ、お互い長くやってきたものだね。

今日は、トラヴィスが出演した年の<フジロック>を振り返っていきたいと思います。最初に出演したのは2001年。当時、世界中でも稀に見る豪華なラインナップが実現しました。

フラン

そうなんだ。僕たちはオアシスが観たかったんだけど、すぐに移動しなくちゃいけないとかで最初のほうしか観られなくて悔しかったのを覚えている。あとは、(フライヤーに目を通しながら)どれどれ……トリッキーがいるじゃないか! LAの「オーシャンウェイ」というスタジオで僕たちが録音している時、隣でトリッキーが録音していたことがあったな。アイ・アム・クルートは僕たちのツアーで前座をやってくれたことがある。スコットランドのバンドなのに、こうやって何回も<フジロック>に呼んでもらえるなんて光栄なことだね。

この時、ステージから見た光景はどんなものでしたか?

フラン

<グラストンベリー>と同じく、わざわざそこに行かなきゃいけない、という理由が<フジロック>にはあると思った。オーディエンスからは、日常のいざこざを忘れてお祭りを楽しむんだ、という気概を感じたよ。

当時は、サードアルバムの『The Invisible Band』をリリースして2作連続の全英1位を獲得するなど、外から見てバンドがもっとも勢いのあった時期だと思いますが。

フラン

時速150マイルで走っている車の窓から外の景色を眺めているような感じだった。自分たちでも処理しきれないほどの情報量に圧倒されていたね。メンバー同士で「昔はこうだったよね」なんて話をしていても、それぞれの内容が微妙にズレていることがよくあるんだ。それくらい、現実味がなかった。

バンドは最初から野心的ではなかった?

フラン

ビッグよりもベストになることだけをずっと考えてきた。それに必要なのは、とにかく良い曲を書くこと。自分たちの信念を曲げさえしなければ、たとえ売れなくても文句は言わないよ。僕たちの場合は色々とタイミングが良くて売れたというだけ。ただ、紆余曲折を経てやっとここまで来た、という感覚はあるよ。

バンドのイメージに特定の色をつけないのは、ブリットポップという享楽的なムーブメントに対して疑問を抱いていたから?

フラン

いやいや、ブリットポップは超クールだったよ。しかも、ブラーやオアシスの曲をラジオで聴いて興奮していたら、その数カ月後に同じフェスに出演することになったり、ツアーの前座につくことになったりして、彼らが目の前にいるなんてことが現実に起こっていたんだ。最高にエキサイティングな体験だった。あそこですべてが変わったと思う。

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