毎回様々なゲストに登場してもらい、＜フジロック・フェスティバル（以下、フジロック）＞の魅力／思い出／体験談について語ってもらう「TALKING ABOUT FUJI ROCK」。今回は水原希子さん、水原佑果さんの水原姉妹の登場です。女優／モデルとして活動し、昨年＜FUJI ROCK FESTIVAL ‘18＞開催前にも登場していただいた姉の希子さんと、モデルだけでなくDJとしても活動するなど音楽好きとして知られる妹の佑果さん。仲のいい友達も加えて一緒に＜フジロック＞を過ごすこともあるという2人に、姉妹での音楽の思い出や去年の＜フジロック＞の思い出、そして今年楽しみなアーティストを聞きました。
Interview：水原希子×水原佑果
希子「もともと両親が音楽好きだった。」
――音楽好きの姉妹として有名なおふたりですが、お互いに好きな音楽を教え合ったり、情報交換をしたりすることはありますか？
水原佑果（以下、佑果） そうですね、昔からあったと思います。希子が東京に出て、私がまだ学生で地元の神戸にいた頃希子にジェイ・Zを教えてもらったのを覚えてる。確か、『Vol. 2… Hard Knock Life』だったと思う。希子はヒップホップが詳しくて、いろいろと教えてくれました。
水原希子（以下、希子） 世代的にもヒップホップがすごく流行っていたし、子供の頃からソウル・ミュージックやブラック・ミュージックが好きだったんです。私の場合、生まれて一番最初に聴いた音楽もアル・グリーンの「Let’s Stay Together」だったんですよ。それに、一番最初にクリスマス・プレゼントでもらったアルバムがスティービー・ワンダーだったり、小さい頃からそういう音楽に触れてきたんです。世代的にも、ビヨンセやN.E.R.Dが好きしたね。
佑果 他にもたくさんいるよね。
希子 もともと両親が音楽好きで、お父さんはマーヴィン・ゲイのようなソウル・ミュージックやロックが好きな人で。ヒップホップもたまに聴いていたと思います。
佑果 そうそう、お父さんはクイーンも好きなんだよね。一方で、お母さんはオペラやクラシック、ジャズが好きで良く聴いてましたね。
希子 ふたりそれぞれ趣味が違ったんですよ。でも、お互いに坂本龍一さんが好きで、若い頃に２人で一緒に聴いていたみたいです。
――ご両親含め、生粋の音楽好きファミリーだったんですね。
希子 そうですね。私は東京に出てきてから、地元の神戸にいるよりも触れられる音楽の幅が広がったので、それでいろいろな音楽を「これいいよ」と妹にオススメしていたような感じでした。
――じゃあ、佑果さんはそれを受けて好きな音楽を見つけていったんですか。
佑果 そうです。めっちゃディグしてました（笑）。
佑果「芝生に寝転がって観ていたんですけど、フジロックはそういう楽しみ方が気持ちいいですよね。」
――そんなおふたりが、今ではお互いに＜FUJI ROCK FESTIVAL＞に行くようになったんですね。希子さんには昨年、初めて＜フジロック＞に行ったときの話をしてもらいましたが、佑果さんが初めてフジに行ったのはいつ頃ですか？
佑果 私はこれまで2回＜フジロック＞に行っているんですけど、最初は2年前、ジ・インターネット（The Internet）が出ていた2016年ですね。そのときは希子と一緒に会場に行ったと思います。
希子 そうだったよね。ただ、その年は仕事があって、インターネット以外は観られなかったんですよ。すぐ帰らないといけなくて。
――去年はどうでしたか？ 会場での思い出を色々と教えてもらえると嬉しいです。
希子 １日目はマック（マック・デマルコ）のライブを観ましたね。マックとはもともと友達だったんです。彼がステージに机とイスを置いて、そこに友達を上げてライブをしているところに、「希子もステージに上がっておいでよ」と突然言われて。佑果ちゃんと一緒に友達のひとりとして上がることになりました。ビックリしましたけど、ステージからレッド・マーキーの景色を観ることはなかなかないので、貴重な体験でした。途中でコナン・モカシン（Connan Mockasin）もそこにジョインしたんですけど、私はコナンも大好きなので、「２人がまさか一緒に演奏してくれるとは……！」とテンションが上がってしまい。それで夢中になって写真を撮りまくっていたら、その様子がライブ映像（YouTube）に映り込んでしまっていたんです……恥ずかしい（笑）。
佑果 あれは本当に貴重な体験でした！
――ステージ上から見る＜フジロック＞の会場は、どんな雰囲気なんですか？
希子 すごく特別でしたし、楽しかったです。最後にポスト・マローン（Post Malone）も飛び入りして、すごく盛り上がってました。その後、マックと一緒にポスト・マローンのライブも観に行ったんですよ。私はその時点では、そんなに彼の音楽は知らなかったんですけど。すごくカッコ良かったですね！
――色んなところでアーティストの飛び入りや、サプライズ出演が起こりやすいのは＜フジロック＞の特徴のひとつですよね。会場内も意外とアーティストが歩いていることが多いですし。
希子 そうですよね。私は、会場で奥田民生さんが歩いているのを見かけたことがありました。しかも、そのときちょうど、映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の撮影を終えたばかりだったんですよ（笑）。奥田さんの名前が入っている映画に出させていただいているということで、「挨拶をした方がいいのかな？」と思ったんですけど、緊張しすぎてぜんぜん話せなかったです。去年はローラもいましたね。場外エリアで会ったとき、彼女らしいカラフルな服装に帽子をかぶって“変装”してましたけど、「全然変装になってないんだよなぁ……」って（笑）。
佑果 去年は9m88（台湾のソウル・シンガー）も見かけました。
――去年他に印象に残っているライブはありましたか？
希子 MGMTのライブがすごくよかったです。
佑果 ダーティー・プロジェクターズ（Dirty Projectors）も演奏がかっこよかったです。私はそのとき初めて知ったんですけど、「こんなにかっこいい音楽を知らなかったのか……！」と思いました。ただ、このとき、すごい雨だったんですよね。
――去年は2日目の夜からすごい雨でしたね。
希子 そうそう。でも、私はそれも気持ちよくて最高でしたよ（笑）。ケンドリック・ラマ―（Kendrick Lamar）のときにも雨が降っていましたけど、すごく気持ちよかった。そもそも、ケンドリック・ラマ―のライブが最高でしたよね！ 「この人は本当に天才だな」と思いました。
佑果 ラップそのものがすごく上手かったです。
希子 いつも音源で聴いているだけでも圧倒されるのに、ライブで観るとさらにすごさが分かるというか。しかも、全曲を知っていて。「私やっぱり、ラッパーが好きなんだな」と再確認しましたね！あとは、ボブ・ディランも観ました。
――おお〜、かなりライブは観れてますね〜。
佑果 ボブ・ディランのときは芝生に寝転がって観ていたんですけど、すごく気持ちよかったです。
希子 あとは、ジャック・ジョンソンも楽しかったです。このときも寝転んで観てました。
佑果 昼過ぎの太陽が昇っているうちは、そういう楽しみ方が気持ちいいですよね。
希子 あとは、カリ・ウチス（Kali Uchis）も観たよね？
佑果 観た！
希子 日本にはあまり来ないイメージがありますけど、ファッションも気になっていたし、歌も好きで、でも「ライブはどうなんだろう？」と思っていて。でも、最高でした。スケスケのセクシーな格好で出てきて、「これはおいしいな」って……。
――「おいしいな」（笑）。
希子 すごく可愛かったんですよ（笑）。
佑果 声も綺麗だし、実際にライブを観て「うわぁ、しびれる」という感覚でした。
希子 あと、観たいと思っていたアンダーソン・パーク（Anderson .Paak）は観られなかったです……。
佑果 そう。私も後悔してます。観た人たちが「本当によかったよ！」と言っていて。
――夜は何か観られたんですか？
希子 佑果ちゃんたちは夜も観に行ってたよね？ 私は疲れてホテルに帰って、寝てたんですけど、朝方みんなが帰ってきて、「ぎゃはははは！」って騒いでて。
――起こされたんですね（笑）。
佑果 楽しすぎて、テンションが上がっていたんです（笑）。希子ちゃんが寝ててもお構いなしに騒いじゃって（笑）。ただ、２日目は雨が本当にすごくて、夜は遊べなかったです。その日だけは私もホテルに帰って寝ることにしました。
希子 ２日目の雨は本当にすごかったよね。私、安いレインコートを買っていったので、ボタンも全部取れちゃって。「もういいや」（と雨に打たれるジェスチャー）ってなりました（笑）。
――＜フジロック＞に行くために、入念に準備をするようなタイプではないんですか？
佑果 靴はちゃんと用意して持っていきました。
希子 私はギリギリで買った気がする（笑）。長靴を買っていきました。去年も本当に楽しかったですね。
――去年初めていった場所や、初めて試したフェス飯はありましたか？
佑果 オアシスエリアのうどん！
希子 佑果ちゃんは本当にうどんが好きだよね。毎日うどんを食べてるイメージがある（笑）。
佑果 ＜フジロック＞のご飯って、何を食べても美味しいですよね。充実している気がします。
