森のプレイパークやダイナミックな子ども用アミューズメントを有する「KIDS LAND」を筆頭に、子ども向けのアクティビティが多数用意され、家族みんなで楽しめることから、2世代、3世代で参加するファミリー層が年々増加傾向にある<フジロック・フェスティバル(以下、フジロック)>。FOO FIGHTERS、LIZZO、THE STROKESのヘッドライナーを含む総勢212組のアーティストの音楽で彩られ、大盛況のうちに幕を閉じたフジロック’23は、7月28・29・30日に新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催され、延べ11万4,000人が来場。主催者によると、そのうちのおよそ6,000人が中学生以下の子どもたちだそうです。

そんな、こどもフジロッカーを熱狂させたアクティビティのひとつが<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>。【こどもフジロック】では、2022年に<フジロック>初登場し、2年目を迎えたこの大人気キッズプログラムの同行取材を実施。今回は7月28日の「フォレスト&リバーコース」の模様をレポートします。

Report:<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL Supported by KEEN>

<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>は、所要時間約2時間のキッズプログラム。参加できる対象年齢は小学生のみで、「キャニオンコース」と「フォレスト&リバーコース」の2つのコースが1日3回(モーニング・ディタイム・アフタヌーン)、最大各30名が参加して、<フジロック>開催期間中、毎日実施されました。

02 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

参加方法は、上記の中から参加したいコースを選んで事前にオンラインで申し込みを済ませ、当日、GREEN STAGEエリアにあるKEENのブース内キッズアドベンチャー受付で参加費をキャッシュレスで支払います。

参加受付が済んだら、KEENのkidsシューズレンタルコーナーへ。KEENスタッフに手伝ってもらい、サイズが11.5cmから23.5cmまで展開されている「NEWPORT H2」を中心に、ズラリと並んだ水陸両用のつま先を守るトウプロテクションサンダルの中からお気に入りの一足を履いて準備完了。KEENのkidsシューズレンタルはプログラム参加特典のひとつなので、サンダルを持参する必要はありません。

03 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

04 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

子どもたちは、ピンクとブルーののぼりを目印に各コースに分かれて集合。「キャニオンコース」参加者はライフジャケットを着用していきます。準備ができたら、家族にしばしの別れを告げて、冒険を共にする初対面の仲間たちと記念撮影。「エイエイ、オー!」と元気いっぱいにポーズをきめて、いざ出陣です。

05 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

06 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

<フジロック>会場内を流れる浅貝川でスリル満点のキャニオニングに挑戦する「キャニオンコース」の子どもたちとお互いに手を振り合って、「キャニオンコース」は川へ、「フォレスト&リバーコース」は森へ向かい、それぞれの冒険が始まります。

07 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

2時間のアドベンチャー! フジロックの森で「フォレスト」探検へ

KEENブースを出発した「フォレスト&リバーコース」モーニングチームの編成は、小学生が3名にガイドが3名、そしてKEENのオフィシャルカメラマンの計7名。ガイドとマンツーマン状態で話をしながら、KIDS LAND方面へ進んでいきます。ディタイムコースは定員オーバーもあったようですが、<フジロック>初日の朝イチは狙い目なのかもしれません。

歩きながら始まったのは、<フジロック>のキャラクター・ゴンちゃんを探してその数を数える「ゴンちゃんを探せ」。KIDS LANDの、KIDSの森のエントランスに陣取った直径1m以上ある巨大なゴンちゃんたちを「1、2、3、4…」と大きな声で数えながら歩きます。ゴンちゃん以外にも、木、葉っぱ、道、鳥、昆虫、頭上にあるデコレーションなど、目に見えるものや聞こえるものを一つひとつ確かめるように、あらゆるものを観察しながら進んでいきます。

最初に立ち止まったのは、ところ天国に続く道の端。青々と生い茂る笹の葉から、自分好みの笹をセレクトして笹舟づくりに挑戦です。作り方を教えてもらい、黙々と作る子どもたち。すぐに作れる子もいれば、「やぶけちゃったー!」と再トライしている子も。フレンドリーなガイドの進行により、のっけからみんなが笑顔。足早にステージへと向かう大人たちとは別の、ゆったりとした、心地のいいピースフルな空気が子どもたちを包んでいます。

08 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

しかし次の瞬間、笹の葉を探していたはずが、ヘビの死骸を発見して大騒ぎに! すかさずガイドはヘビについてのトークをはじめて、みんなで観察することに。亡骸を枝で動かそうとした子どもに、「自然のものは、自然のままにしておこう」という優しいトーンでのガイドの声かけに、子どもも素直に反応。すぐに手を引っ込めました。

続いて、ところ天国の橋に到着すると、ガイドに「みんなで作った笹舟を川に投げて競争しよう!」と告げられて、大はしゃぎする子どもたち。橋の上から水の流れる方向を確認し、ゴールを決めて、川下に向かって「せーっの!」で笹舟を手から離してレース開始。静かに流れていく笹舟を目で追いながら「あ〜、引っかかっちゃったぁ」「1位だ! やったあ!」といった声で賑わう中、レースは終了。たった数分間のゲームにも様々なドラマが生まれていました。なお、このキッズプログラムには、そうした子どもたちの冒険の様子がKEENのオフィシャルカメラマンによって撮影され、後日写真データをもらえるという嬉しい特典が付いています。

11-1 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

森の中で聞こえてくる「鳥の声」「水の音」に耳を澄ます子どもたち

第1回フジロック杯笹舟ボートレースの後は、橋を渡ってすぐの、WHITE STAGE手前にあるボードウォークへ。この日は午前中から太陽がギラギラと照りつける猛暑日でしたが、木陰に入ると涼しさも感じられました。森に入ると、ビンゴ形式での探検がスタート。最初のお題「トンボを指に止まらせる」では、トンボマスターの如く軽々とこなす子どもたち。<フジロック>にはトンボがたくさんいるので慣れたものです。

13-1 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

フェス会場エリアから離れた森の奥までやってくると、WHITE STAGEからの音も聞こえなくなり、他の人とすれ違うこともなくなって、セミの声や、水の流れる音などの自然の音だけが聞こえてきます。子どもたちが探すお題に「水の音」「鳥の声」などの音の要素が散りばめられているのは、自然との共生を目指す音楽の祭典<フジロック>ならでは。

ボードウォークから少し外れた場所で、「水が赤く見えるのはなぜでしょう?」というガイドが指さす先には、赤い土の上を流れる水が。ヒントを頼りに意見を言い合う子どもたちの表情は真剣そのもの。ちなみに苗場の水が赤く見えるのは、辺り一帯の土に含まれる鉄分が水で錆びて赤くなるそう。さらにその近くでは、大きなウシガエルも発見! 代わる代わる至近距離で観察し、「おおきい!」「黒いんだ」「でっかいねえ」と興奮気味に話していました。

15 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

日本一長いボードウォークとして有名な苗場インディペンデンスボードウォーク。子どもたちが今回の冒険で歩いたのは、<フジロック>のステージ間を行き来するエリアではない場所がほとんどでした。全長2km、水芭蕉の群生地や、白樺林があることは情報として知っていましたが、実際に足を運んでみると、フジロックの森プロジェクトによって、かなりの広範囲にわたって整備されていることに驚かされます。フェスの音が届かないエリアで聞こえてきたのは鳥のさえずりのみ。静寂の中、美しい鳥の鳴き声を真似したり、鳥の巣を探したりと、次々と“何か”を発見していくボードウォークの旅は続きます。

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17 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

スタートから1時間ほど経過すると、ガイドが子どもたちをリードする姿が減っていき、「セミの抜け殻をさがせ〜!」と声を掛け合うなどの、子どもたちによる自発的な言動が多く見られるようになりました。子どもたち同士でのコミュニケーションも良好で、「これは?」「ブー! それは違うよ〜」といった会話も弾み、飽きる様子はまったくなく、自然との距離をどんどん近づけているように映りました。

18 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

森での探検の終盤、とある木の前で立ち止まったガイドが、子どもたちに“あるもの”を探すように促しました。なんとそれは、クマの爪痕! 「ちょっと前にもこの近くでクマがお爺ちゃんを引っかいたんだって」と地域の出来事を伝えるガイドの声に、「クマもここに住んでるんだね」「近くにいるんだ!」と、野生動物との共生を知る貴重な機会も。木の幹にしっかりと刻まれたクマの爪痕のある木は、WHITE STAGEとGREEN STAGEを結ぶボードウォークからほんの少し離れた場所にあるので、気になる人はぜひ探してみてくださいね。

19 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

「リバー」探検では「空気の変化」「水の冷たさ」を感じながら石積みや水切り遊び

森を抜けると、次なる冒険の地・リバーへ。地上から川面まで10メートルほどの高低差を数メートル降りただけで、先ほどまでの灼熱の地上から涼やかに空気が一変! 「なにこれ!」「ここから下は冷たいよ!」「すずしい!」と驚きの声をあげる子どもたちを、ひんやりとした天然クーラーが一気に冷やしてくれました。

水分補給をしてから川に降り、石積み遊びをしながら足を水に浸してさらにクールダウン。その時、GREEN STAGEから忌野清志郎さんの「田舎へいこう」が聞こえてきました。11時、<フジロック>の開幕です!

21 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

川遊びの最後は思い思いの石を見つけて、どこまで遠くまで投げられるかの腕比べ。水切り遊びが初めての子どもも、投げ方のコツや石の探し方を伝授され、見よう見まねで始めるとすぐに夢中になり、終わる頃には、みんなうまく投げられるようになっていました。

22 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

石投げが得意な子、虫を探すのが上手な子、木の色の違いに気づいた子、音を感じ取るのが早い子。子どもたちそれぞれの個性、特徴がうまく引き出される2時間のスペシャルプログラムは、怪我もなく無事終了。<フジロック>は大人が非日常を楽しめる唯一無二の音楽空間ですが、子どもたちもまた、大自然での冒険という非日常体験を大いに楽しみ、迎えにきた家族と再会して、ファミリーで過ごす<フジロック>へとそれぞれ出発していきました。

大冒険を終えた子どもたちに感想を聞いてみると、「あー、楽しかった! また遊びにきまーす!」(ハナ・小2)、「楽しかった! 来年もいこう!」(ドラゴン・小3)と明るい顔。この二人は昨年「キャニオンコース」に参加していたので、今回参加した「フォレスト&リバーコース」との違いを尋ねてみたところ、虫好きのハナは「オニヤンマとかギンヤンマとか、いろんな虫とか発見できたから、キャニオンコースよりもフォレスト&リバーコースが楽しかった!」と言い、わんぱくなドラゴンは「森もよかったけど、去年のキャニオンのほうが面白かった。(川で)流れたかった!」とのこと。ワイルド系キッズは全身ずぶ濡れになって川と一体化できるキャニオンコースへ、森の中を歩くのが好きな虫好き、自然派キッズはフォレスト&リバーコースからスタートするといいのかもしれません。

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親と離れて過ごす特別な時間は、<フジロック>でのかけがえのない経験と思い出に

<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>の魅力は、子どもが家族と離れて、同年代の子どもたちやアウトドアのプロガイドと共に、苗場の大自然にある<フジロック>で冒険できることに加えて、子どもが自然体験をしている間、大人も自分の時間を楽しむことができるという、ファミリーが別々に過ごすスペシャルな時間が同時に提供される点にあります。

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このプログラムは<フジロック>のオフィシャルサポーターであり、独創性のあるフットウェアで知られる「KEEN」がサポート、苗場プリンスホテル内にネイチャーセンターを構える「シェルパ」によって運営され、昨年キャンセル待ちが出るほど好評だったことから、今年は規模を5倍に拡大して実施されました。

32 【こどもフジロック】フジロックを大冒険!<KIDS ADVENTURE in FUJI ROCK FESTIVAL>フォレスト&リバーコース密着レポート #fujirock

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KEENマーケティングの久保悦司さんは、<フジロック>でキッズアドベンチャーを実施する目的を「ファミリーに向けた企画の提供」と「子どもの足元を守るため」とコメント。また、KEENのミッションのひとつでもある「すべての人が“ソト”を自由に楽しめるように、みんな一緒に協力すること、助け合うことを、子どもたちにも体験してもらいたい」という願いも込めてサポートしていると話してくれました。

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また、シェルパ・キッズアドベンチャーマネージャーの山路博美さんは、「苗場スキー場で20年以上続くフジロックでは、フジロッカーの方たちがご結婚されて『楽しいフジロックを、子どもたちにも感じてほしい』という気持ちで子どもたちを連れてきている方が多いので、子どもたちには子どもたちなりのフジロックの楽しみ方を創り出したいと思い、森の中で遊んだり、発見すること、自然の風や水、冷たい・暖かいといったことも感じていただけるようなプログラムを組んでいます。ガイドは苗場のネイチャーセンターで活動している子どもの遊びを得意とする者ばかりです。怖いことはひとつもないので、“子ども連れて行って大丈夫かな?”ではなく、ぜひ子どもを連れてフジロックに遊びにきていただきたいなと思います」と熱い想いを語ってくれました。

Text&Interview by 早乙女 ‘dorami’ ゆうこ
Photo by KEEN JAPAN