近年は子連れのフジロッカーズもすごく増えていますよね。子連れでは大変そうなイメージがありますが、多くの方が小さなお子さんも連れてきていますし、親の気持ち次第のようにも思えてきます。

そう、そう、そう! 子どもを連れて楽しんでいる親子を見ていると、自分も子どもも大丈夫かなって思えるよね。もし子どもが疲れてきたり、数時間で飽きちゃうかもしれないという心配もあるけど、公園にいる子どもたちは同じ遊具で何時間も遊べるんだよね。<フジロック>には音楽もあって、食べ物もあって、お父さんもお母さんも、面白い兄ちゃんたちもたくさんいて、山の中で遊べる場所もあるんだから、数時間で飽きるわけがない。親として心配するのは当然だけど、実際に行ってみたら超楽しいんじゃないのかなって。

今年は中学生まで無料ですしね。

え? 中学3年生まで無料なの? すごくない? Wow! 超いいじゃん!

<フジロック>を開始した当初から、3世代で来て欲しいというのがあったと日高さんが明言されていますよね。

何にでもお金がかかる世の中で、日本の誇りの音楽フェスを、<フジロック>のこのメンツを、15歳まで無料で見られるって最高じゃないですか。13、14、15歳という年頃は、聴いている音楽や読む本も変わっていって、少しずつ大人になって自分を見つけていく時期。そのタイミングで<フジロック>に行けるのは、将来の日本はいいんじゃないですか。これはプレゼントですよ。

わからなくてもホンモノの音に触れたり、場の雰囲気だったりを感じる体験は大切ですよね。大きくなってからも実は自分は1歳から<フジロック>へ行っていたと、僕も、私もそうだったと20年後に娘、息子たちができたら素敵だと思うんですよ。

栗原類くん、1年目から行っているんだよね?

初年度から参加していたと、去年の瓦版インタビューでお話されていました。

お母さんが仕事中は、彼はどう過ごしていたのかな?

一人で虫かご持って遊んでいたと話してました。でも周りの大人がみんな良くしてくれたとか、一人だけど一人じゃなかったとも。そういうご自身の幼少期体験を20年経ったことで話してくださる人がいるから、自分も子どもを連れて行きたいと思えました。それと、普段見られない大人の姿を子どもに見てもらうのにも良い機会ですよね。大人のいつもと違う面を<フジロック>では見せることができるし、子どものいつもと違う面々を見ることもできるような気がします。

間違いなく家にいるお父さんとは違うよね。「次のライブまであと10分あるから父ちゃんビールを買いに行くけど、串焼き食べたい? じゃ、500円やるからここに並んで」とか、「父ちゃんはこっちに並ぶ」とか、「あっちで集合しよう」とか。焼きそばの大盛りをちょっと交渉してみて、とかもさ(笑)。「携帯持ったか、忘れんなよ」って渡すとか、そういう日常にはないチームプレイができるよね。

都内では、隣のビルに子どもを一人で行かせることは怖くて出来ないけれど、<フジロック>でなら串焼きに並ぶのに一人で送り出せる気持ちが持てそうですよね。音楽好きのいい人たちが集まっていると思いますし、見守ってくれている感じもあるかと。

お祭りだもんね。あとさ、クリーンなフェスだよね。ちゃんとみんなゴミ出しするし、拾うし。そういうのを子どもたちにも見せられるのは大切なこと。子どもにとってはゴミを分別している意識はないかもしれないけど、ゴミ捨てひとつとってもアクティビティにできるよね。「あそこに捨ててきて」ではなくて「これをあの兄ちゃんに渡してきて」でいいんだよ。

MG_7161-1140x760 【こどもフジロック】ジョージ・ウィリアムズが語る親子フジロック

お子さんは<フジロック>に興味を持っていますか?

娘は<フジロック>へ行きたい、行きたいって言っていますが、嫁さんのスケジュールもまだわからなくて。準備しなければならないことはあるけど、娘とは一緒に行きたいねって話はしてる。だってさ、こんなに貴重な体験をしているのに、これを娘にシェアしないっていうのはもったいないよ。お父さんがすごいサッカー好きなのに、一度も子どもをスタジアムに連れて行ってないっていうのと一緒だと思うんですよ。<フジロック>のあの歓声、音楽への情熱を持ったあの人たち、食べ物も最高、あのバイブス、あの空気を、お父さんがこれほど好きなのにどうしてそれを子どもにシェアしないの? っていうのはありますよね。僕もまだやれてないから、一緒は嫌だと言われる前にそろそろやんないと。高校生になったら友達と遊びに行くスタイルになるんじゃないかな。そうなることも全く心配してないしね。

私たちが幼かった頃、親世代は連れて行きたくてもまだ日本に音楽フェスがなかった。でも今の私たちには子どもを連れて行ける環境がある。<フジロック>を通して自分のルーツを子どもに伝えることもできると思うんですよね。

そう、そう。だからシェアできたら最高ですよね。お母さんがいつも音楽の話をしててうるさいと思っている子もいると思うんだよ。うちの娘も僕のことをそう思っているのかもしれない。でも会場に来ると、父ちゃん母ちゃんがいつもあれだけ熱く語っているのはこれか! って思ってくれるはずです。

お父さんとお母さんの好きな音楽と、子どもの好きな音楽は違うから、音楽談義している親子を以前見たときに、すごくいいなって思いました。

音楽で自分の意思を主張できるようになるって素敵なことだよね。

「お父さん、それ好きなの? ダサっ。」でもいいですもんね。

そう! それでいいんだよ。

子連れには大人が見守る中で子どもが遊べるエリア・KIDS LANDが用意されているのをご存じですか?

あの、GREENとWHITEの間の横にあるところだよね?

そうです。子どもたちが買い物体験をできる駄菓子屋や、楽器を触れるワークショップもあって、森のプレーパークでは竹やロープで作られた遊具などで遊べますし、パパ友、ママ友もそこでできるかもしれませんね。

毎年そこで会う子どもたちもいるかもね。<フジロック>で出会って結婚したカップルもいるし、いろんな出会いがあるだろうな。

ズバリ、ジョージさんにとって<フジロック>の存在とは?

マイルストーン。人生を振り返ってみると、見えてくるものってあるじゃないですか。結婚した、子どもが生まれた、仕事をいろいろやってきた中でさ、<フジロック>であのバンドを観た、あそこであの人と話をした、こういう番組を作ったっていう思いが詰まった人生の中でシンボル的に輝いているものだよね。行ってみて初めてわかるものってあるじゃないですか。<フジロック>ならではのものがあるからさ。日常ではこういう音楽はマイノリティかもしれないけど、<フジロック>に行けば何万人単位で音楽大好きっていうエネルギーや活力を感じることで毎年励ましになるんです。また1年頑張ろうとか、大袈裟に感じるかもしれないけど本当にそうなんだよね。

今年注目している、観たいアーティストは?

行けるとしたら土曜からだから、SPECIAL OTHERS、WANIMAは観たいね。付き合いの長いスペアザとここ1年くらいで仲良くなったWANIMAが<フジ>でどんなステージをやるのかすごく興味ある。番組に遊びに来てくれている人たちのステージも気になるしね。日曜はKEN YOKOYAMA、バトルス、SOIL&”PIMP”SESSIONS、あとBABYMETALも観たいね。

まだ<フジロック>未体験の人も多くいらっしゃいますが、お伝えしたいことはありますか?

行かない理由や事情があると思うんです。でも、一回行ってみなよって言いたいね。中学生まで無料だし、良いお父さん、良いお母さんになってよ。一回行けばその良さは伝わると思うし。土砂降りになったらどうしようとかあるけど、それはそれでその瞬間は辛いかもしれないけど、超良い想い出になりますから。対策はしっかりして来て欲しいね。この何年かはラッキーだけどね。

確かに、全く降っていませんよね。日常では雨が降れば傘をさして雨を避けるけれど、<フジロック>では濡れて当然、濡れることが気持ちいいということを知らないより知っておいた方がいいという意見も多いですよね。

でもそろそろね、すごいのが来ると思うの(笑)。

20回目だし、大きめなのが……(笑)。

NO! そういう運命もあると思うけどね(笑)。初めて来る人は、たくさんの先輩たちがブログをいっぱい書いてくれているのを見て予習していけば大丈夫。雨対策はしっかりとね。表面が濡れるのはかまわないけど中までは濡れないようにしないと。特に子どもはね!

MG_7171-1140x760 【こどもフジロック】ジョージ・ウィリアムズが語る親子フジロック

【こどもフジロック 】
親子でフジロックへ参加するパパ・ママを応援する企画「こどもフジロック」。

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text & interviewer by 早乙女 ‘dorami’ゆうこ
photo by 横山マサト