「バンドは家族より楽な存在です。」

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――ここまでクラムボンの3人が続いてきた要因はなんだと思いますか。

3人とも干渉しないからじゃないですかね。クラスは一緒でしたけど、趣味はおろか聞いている音楽もバラバラで。でもこの3人が集まるとみんながおもしろいと言ってくれた。バンド的な結束感は学生の頃から皆無でしたから。

――ある意味でバンド的ではない不思議な関係なんですね。クラムボンというバンドの持つマジックがそこにあるのかもしれません。

本当にクラムボンという音楽でしか繋がっていないんです。未だにその感覚です。合宿しながら、ずっとスタジオに一緒にいることもあるわけですから、そこまで人となりを知らないってわけじゃないですけど、今も不思議な距離感というか。ある意味、空気的には家族より楽な存在ですね。ともすれば煩わしかったりするところが、このバンドにはなくて。原田さんなら原田さん、大助さんなら大助さんのスタイルが確かにあるから。ここは譲ったりはしなきゃいかんだろうなっていうのは身についているんでしょうけど、それがストレスになっていないから続いているのかなって思います。

――その関係がこれからも続いていくのですね。

腐れ縁っていう言葉は、よく言ったものだなって思います。本当にそんなレベル。止める理由がないっていうか、求められているようだから、だったらやりますかみたいな感じなんです。

――今年の<フジロック>で、ミトさんがこれだけは押さえていきたいバンドを教えてもらえませんか。

シーア(SIA)は見たいですね。ケミカル(・ブラザーズ)も、ジェイムス・ブレイク(JAMES BLAKE)もリリースされたアルバムは良かったから期待しています。あとは、レッド・マーキーの夜中的なバンドがもう少し集まってくれるといいな、なんてちょっと思ったりしていますね。ダブステップ、ヒップホップ系のミュージシャンたち。僕は夜中になると、レッドのPAのブースの前でお酒をちょびちょび飲みながら、ずーっといるんです。真っ暗なレッドがすごく好きで。知り合いのPAさんや照明さんが常駐しているので、それぞれのバンドのPAさんのミックスの仕方などを横目で見ながら。「ジャスティスって、本当に卓側で歪ませているんだ」とか(笑)。

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――近くで見させてもらって勉強している?

そうそう。自分たちのライブはPA席で見ることって絶対にできないじゃないですか。他のバンドのライブをPA席で見るのってすごく勉強になるんですね。PAさんの仕事を横で見ていると、自分はこう演奏しておいたほうがいいのかなっていうことも考えられるし。

――ミトさんなりのフェスの楽しみ方なのですね。

あまりにもニッチな楽しみ方ですけど(笑)。

――今年の<フジロック>のクラムボンのステージでは、こんなことをやろうとか考えていますか。

私たちとしてはぴったりの時間でライブができるので、それに見合ったプログラムになりそうだし、せっかくの<フジロック>なので、ちょっとだけスペシャルなことをやろうかなって思っています。

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text&interview by 菊地崇
photo by 横山マサト