祝出演決定!サンダーキャット、フジロックでは「山の中で、開放からさらに解き放たれて、頭から先に地面に飛び込みたい」!?

毎回様々なゲストに<フジロック>の魅力/思い出/体験談について語ってもらう「TALKING ABOUT FUJI ROCK」。今回は最終日・30日(日)に<フジロック>初出演が決まったサンダーキャットの登場です。LA出身のサンダーキャットことステファン・ブルーナーは、その超絶技巧でベーシストとしてフライング・ロータスやカマシ・ワシントン、ケンドリック・ラマー、エリカ・バドゥなどの作品/ライブをサポート。一方で自身も朋友フライング・ロータスが運営するLAビートの中心的レーベル〈ブレインフィーダー〉からソロ作をリリースし、最新作『ドランク』では、ファレルやケンドリック・ラマー、ウィズ・カリファ、マイケル・マクドナルド&ケニー・ロギンスらを招集。ソウル、ジャズ、ロックなどあらゆる要素が混然一体となったブラックミュージックの最先端を聴かせてくれます。大の日本好きでもある彼に、<フジロック>初出演への意気込みや、日本のカルチャーについて訊きました。

Interview:THUNDERCAT(サンダーキャット)

「日本のみんなは自分のことをよく理解してくれている」

――<フジロック>への出演決定、おめでとうございます! あなたは日本のカルチャー好きとして有名ですが、『ドランク』の収録曲“TOKYO”ではそのきっかけを歌っていますね(《全部俺が幼い頃に始まった/歯医者に行ったときに/ドラゴンボールのブレスレットのおもちゃをもらった/悟空が俺を変えてしまった》)。当時、『ドラゴンボール』のどこが気に入ったんでしょうね? 一番好きなキャラや技、もしくはエピソードを挙げるなら?

それならいくらでも挙げられるよ(笑)。一番好きなキャラクターはベジータだね。ベジータは、自分のイメージでは一番日本人っぽいと思っているんだよ。それに、『ドラゴンボール』はストーリーも面白くて、本当に大好きなんだけど、孫悟空自体は、もともと中国の『西遊記』に出てくるキャラクターだよね。それがもとになっているのに、『ドラゴンボール』だけのファンタジーの世界が出来上がっているのが最高だと思う。だから、ストーリーに色んな意味や深みがあるんだよね。リアルなものとファンタジーとが、絶妙にミックスされている。中でも俺が一番好きなエピソードは、悟空がスーパーサイヤ人になるところかな。あそこは本当に深いシーンで、ドキドキしたよ。大人になった今でもよく覚えているし、大好きなシーンだ。あと、話が進むに連れて、キャラクターの人生が進んでいくのも面白い。悟空がチチと結婚して子供が生まれたり、ベジータがブルマと結婚したり……。

――話を聞いていて、本当に好きなことがよく分かりました(笑)。

はははは。今『ドラゴンボール超(スーパー)』がはじまっているけれど、全部完結してから一気に観たいから、まだ観ていないんだ。『ドラゴンボール超(スーパー)』では、ベジータが悟空を越えてほしいね!(笑)。そんなシーンが観られたら最高だよ。とにかく、『ドラゴンボール』はアニメとしてすごくよくできている作品だから、子供が観ても大人が観ても、共感できるところがあるんじゃないかな。

――あなたが近年、カマシ・ワシントンやケンドリック・ラマーの作品に参加して話題になっていた他、何より新作『ドランク』が素晴らしい内容だったので、4月の日本ツアーの注目度も高かったと思います。ステージに立って、どんなことを感じましたか。ライブは序盤からかなりの熱気で盛り上がっていました。

正直に言って、もっとライブをやりたかったね。まだまだやり足りないし、伝えたいことがたくさんあったんだ。でも、日本であの時期にライブをやれて本当に良かったと思っているし、日本のみんなは自分のことをよく理解してくれているなと感じたよ。

――あなたのライブの特徴として、「事前にセットリストを決めない」というものがありますが、ここにはどんな気持ちが込められているのでしょう?

「人から言われた通りにやることに、どんな意味があるのかな?」と思うんだ。自分のことは自分で決めたいというか、とにかくステージ上では自由にいたい。つまり、「その瞬間を楽しみたい」ということだね。仮に自分がボーッとしてしまって、ステージで何も考えない瞬間があったとしても、それはそれでいいと思うんだ。むしろ、それが“ライブ”だよね。だから、セットリストを決めて「次はこれをやらなきゃいけない」って課すよりも、そのときならではのことを自由にやりたい。もちろん、そういう方法をとることで、(バンド・)メンバーが怒るときもあるんだけど、自分たちの演奏に刺激を持たせたいんだ。事前にセットリストを彼らに渡しても、当日俺がその通りにやらなかったら結局は怒られるわけだから、それなら最初から自由を担保しておきたい(笑)。自発的に動く自由を尊重して、バンド・メンバーとのそのときのフィーリングを演奏に出すのが一番だと思っているんだ。

――バンド・メンバーだけでなく、観客の反応によっても内容が変わっていきそうですね。会場全体の人々とも作り上げていく、ジャム・セッションのようなステージというか。

うん、その通りだね。とにかく、自分も楽しむためにステージに上がっているんだよ。