家族の数だけそれぞれのスタイルがあるように、子連れフジロック・スタイルも様々でしょう。
この「子連れフジロッカーズ・インタビュー」では、子どもを連れてフェスに参加する人がその時の自分には何が必要かを最終確認していただけるような参考例を集め、フェス参加ファミリーのケース・スタディとしてアーカイブしていきたいと考えています。
記念すべき第1回は、現在4歳、2歳の姉妹のいる父母共にフジロック参加歴の長いフェス好きな家族と、母は10年前の独身時代に参加経験があるものの父は未経験で5歳と1歳の兄妹を連れて参加したい家族の2つのファミリーに取材協力をしていただきました。
お子さんの月齢を参考に、どうぞご覧ください。
■石川家プロフィール(神奈川県在住・移動手段/車)
父・ヒデヒロ(フジロック参加歴:14回目(2001〜2012,2016)/38歳/会社員)
母・エミ(4回目/(2010,2011,2016)35歳/看護師)
長女・アカネ(2回目(2016)/4歳8ヶ月)
次女・アオイ(2回目(2016)/2歳0ヶ月)
■福原家プロフィール(神奈川県在住・移動手段/車)
父・ヒロキ(フジロック参加歴:今年初/38歳/会社員)
母・ノリコ(3回目(2005、2006)/36歳/主婦)
長男・アキト(今年初/5歳7ヶ月)
長女・アカリ(今年初/1歳5ヶ月)
■石川家と福原家の場合
フジロックとの出逢いは?
石川父さん:2001年です。独身時代は友達と、夫婦では付き合い出してから一緒に行くようになりました。
石川母さん:札幌にいたのでライジングサンにはずっと行っていて。
石川父さん:僕が転勤で札幌へ行き、出会って、また横浜に戻って。転勤中は札幌から参加してました。
福原母さん:私は友達に誘われました。スカパラ追っかけのように、彼ら見たさもあって。その後結婚して海外移住して行けなくなっちゃった。
再び参加しようと思った理由は?
福原母さん:正直、会場で子連れを見かけた時は「子どもが可哀想」と思っていたし、子連れでは行けないところだと思っていたところ、子どもが通う幼稚園でフジロックTシャツを着たお父さんがいて。「私も行ったことがあります!」と話しかけたことで石川家や他の参加家族とも繋がって、「私もまた行きたい、子連れでも行けるんだ」と思えたんです。それで昨年行く予定でしたが夫の仕事で急遽キャンセルになってしまって(怒)。
旦那さんもフジロッカーですか?
福原母さん:まったくの未経験。今日も仕事で来れなくて…残念すぎ!
それは興味深い(笑)。石川家はすんなりいきそうですが、福原家の場合は行くスタート地点に立つまでが大変そう。
福原母さん:「俺わからへんから全部やっといてな」ですからね、うちの場合は。
どういう経緯で参加できることに?
福原母さん:「すごく贅沢な遊園地だと思って行ってみようよ」と誘ったんです。音楽はBGMみたいなつもりで子どもを遊ばせに行こうよって。そうしたら何かピンときたみたい。人混みは大嫌いだけど自然は大好きな人なので、「あの環境は絶対好きだと思うよ」と根気強く話しました。
■準備・道具
フジロックでのマストアイテム3つと言えば何でしょう?
石川父さん:子連れで一番大事なギアは何よりもバギーでしょう。バギー、雨具、想定を超えたことが起きても受けとめられるだけの心の余裕。諦める心も重要じゃないかな。楽しめるかどうかは準備がすべてだと思う。
石川母さん:私は持ちきれないわ〜。そんなの元々持ってないもん(笑)。
バギーはどこのメーカーですか?
石川父さん:エアバギー。タイヤに空気を入れるタイプじゃないと場内に石が大きな場所もあるからうまく進めなくて心が折れる。だからうちはバギーに下の子、背負子に上の子のダブル使いです。
雨具は?
石川父さん:僕らは上下ノースフェイスとモンベルの全身ゴア(GTX)で壊れたら修理して使ってます。上の子はすごく動くようになったので、上下セパレートのものを今年は買おうかと。下の子はポンチョをかぶせてもすぐ脱いじゃう(笑)。見た目はすごく可愛いんですけどねえ。
幼児サイズを取り扱うメーカーが少ないですよね。
石川父さん:調べたところではモンベルかなと。
モンベルは90からありますよね。
福原母さん:子どもの靴は? 長靴とスニーカー?
石川父さん:サンダルも。去年、上の子はKEENのサンダルも買っておいたけど、結局普段使ってるサンダルになった。
福原母さん:独身時代は日焼け、雨よけ、椅子とペットボトル1本ぶら下げてれば大丈夫だったけど、やっぱりいろいろ違うのね。お茶は2リットルくらい背負ってくの?
石川母さん:場内で買えるよ?
福原母さん:そんな簡単に買えたっけ?
10年前よりも今は快適になっていますよ。象印のブースではお茶が無料でもらえますし。
福原母さん:いちいち入口まで戻って並んで買わなくてもいいんだ!
石川母さん:飲み物には困らなかったけど、食べ物は子どもが食べられるメニューがどこにあるのかを探すのと並ぶのに時間がかかったから、非常食はあった方がいいかもね。
福原母さん:ほんとに腹ぺこになってからじゃ遅いからね。海外旅行みたいにレトルト食品を持参するといいかも。
石川母さん:子ども用のスプーンとフォーク、麺カッターもあると便利。持っていき過ぎても持っていかな過ぎても困るし、大人のものは削れても子どものものは削れない。オムツとか子連れが絶対使うものは売ってくれればいいのになあ。
自己責任、そして便利と快適のバランスをどう捉えるかですよね。
石川父さん:フジは客に一緒に考えて助け合って欲しいという想いが主催側にあると思うからどこまでこっちが求めるかも微妙ですよね。参加し始めた頃、「自分のことは自分で」とすごく言われたような記憶があって。隣の人とか周りの人とかに気を遣っていきましょうみたいな。
フジロックの意図を受け止めていらっしゃるのですね。
石川父さん:そう教育をされてきたのではないかと(笑)。