■子連れ初参加への不安
福原母さんは経験者だけど、子連れは初。何が一番不安ですか?
福原母さん:どれだけギアが必要で、椅子ひとつあるのとないのがどれほど違うかを夫は知らないし、子どものグッズがどれくらい必要かも本当に分からない。その上、夫は「全部用意しておいて」と言うから全部私にのしかかってくる。精神的にも物質的にもヘヴィだなあって。
しんどい響きですね。
福原母さん:経験があると言ったってもう10年前でしょ? グリーンとホワイトの距離感もどこがどうだったかも全然覚えてない。思い出せるのは川にペイントされた石があってすごく好きだったなとか。
ところ天国ですね。
福原母さん:そう、そう、そう! 川の水が冷たかったとか、断片でしか覚えてない。な・の・に、私が一番経験者という状況にどうしよう、全部不安。でも今は、優先トイレや授乳スペースがあると聞いてそれは有り難いなと。
キッズランドの中は、お子さんがいないとあまり分からないと思います。
福原母さん:新しい発見ができるのは楽しみでもあるし、こどもは行けば絶対楽しいと思うんです。一番恐れているのは夫の機嫌を損ねることかもしれない。石川家みたいに方向性が同じなら子どもがぐずって大変だって、二人で対処できるんだろうけど、夫が隣りでボソッと「来るんじゃなかった」とか会場で言われたらもう…ねえ。
親がピリピリしはじめたら、子どもには目も当てられない。
福原母さん:夫用と子ども用、にぎりめしを何個持っていこうかな(笑)。お腹が空くと機嫌悪くなるから。
人間ですから、そこはみんな一緒でしょう。
福原母さん:だから、どれだけ私が準備や前情報をゲットして、どれだけ彼を巻き込めるかに尽きると思う。(石川父は)有り難い存在です。
近くに石川家のような家族がいると良い刺激にも助けにもなりますよね。
福原母さん:そうなの! いろいろ話も聞けるから、今日もあの人がここに来てくれてたらねえ。ということで、我が家のポイントは夫です。
■独身時代との違い
子連れ参加をしてみて、独身時代との一番の違いは何でしたか?
石川母さん:自分の思い通りにはならないってことです。以前はタイムテーブルとにらめっこして思い通りに観れたけど、今はキッズランドから動けない(笑)。去年はレッチリが観たかったのに、私の体力も子どもの体力も底を突き、レッチリ前に会場を後にして…。観たかった〜、そのために行ったのに!
子どもは早寝早起きですもんね。他は観られました?
石川父さん:グリーンから聞こえるKen Yokoyamaぐらい。でも僕、独身時代もあんまりライブ観てなかったんですよ。
何していました?
石川父さん:昼くらいまでキャンプ場でダラダラして、「そろそろ行こうか?」「まだいんじゃない?」みたいな会話でぼーっとしながらご飯を食べて。本当に観たいのだけ1日1,2個観てテントに戻ってました。僕はフジロックの会場にいられるだけで半分くらい満足なんです。
フジロックでは、‘ここに自分はいる’という感覚を味わうことが醍醐味というか。
石川父さん:あの環境を感じるのがいいんです。
福原母さん:それを目前にしながら辿り着けなかった去年の私のモヤモヤ感たるや(笑)。
石川父さん:結婚して子ども生まれて来なくなってしまった人は周りに多いですよ。
経験者だから故、負の想像もしてしまうのかもしれません。
石川父さん:来なくなるのがきっちりライブを観てた人に多いのは、きっと自分がライブを観られなくなると分かってるからだと思います。別の友人夫婦では、子どもが生まれて行かなくなったら、旦那がニュースやネットをずーっとチェックしながら「あれがこうだったらしい」「行きたかったな〜」とあまりにうるさいので奥さんが「もう行ってこい」と送り出したという話もありますけどね(笑)。