今年<フジロック>に初出演となるペトロールズでヴォーカル・ギターを担当する他、⼈気アーティストのサポート・ギタリストも務める長岡亮介さん。
“ぺトロール”という単語がイギリスでガソリンのことであったり、14年作『SIDE BY SIDE』がレース⽤語から取られていたりと、長岡さんは無類のクルマ好きとしても有名。⼀⽅、<フジロック>はアウトドア/ファッションなど様々な用途から毎年クルマで来場する多くの観客はもちろんのこと、Jeep®がオフィシャル・スポンサーとして参加するなど、クルマとの良好な関係性を築いてきたフェスのひとつでもある。
そこで長岡さんには、「フェスとクルマ」「音楽とクルマ」をテーマにお話を聞かせてもらいました。<フジロック>の楽しみ方は人それぞれ。クルマで楽しむという選択肢も、最⾼の<フジ>の思い出のひとつになるはずです。
Interview:長岡亮介
長岡さんは過去に<フジロック>に行かれたことはありますか?
実はまだ行ったことがないんです。一回も出演したことがないし、観客として会場にも行ったことがなくて。でも<フジロック>はみんな「いい」「特別だ」って言ってて、評判が本当にいいんですよね。だから、今年はすごく楽しみにしてます。<フジロック>ってアーティストのライヴを観なくても楽しめるって聞いてるし、それってすごく重要なことじゃないですか。なかなかそういうフェスってないよね。
音楽だけでなく、その空間自体にも魅力があるということですよね。
そう。それがいいと思う。「誰かを観に行く」というよりも、お祭りに行くような感覚で。会場をプラプラしてみたいですね。夜中の<フジ>とかも、恐いもの見たさで行ってみたい。(酔っ払って&踊り疲れて力尽きている)廃人を見に行ったりしてね(笑)。でもそれって、夜中も<フジ>の顔だってことですよね。色々な顔がある。そもそも音楽ってそういうものだと思うし。
ぺトロールズの出演は1日目のホワイト・ステージです。
出るステージが大きすぎるから、正直自分でもどうなるのか想像がつかないですね(笑)。別の現場でこの規模でのライヴを経験したことはあるにしても、ぺトロールズとしてはこんなに大きなステージでやったことがないんで。いきなり大丈夫なのかな? ってね(笑)。
ホワイトはメインのグリーンなどと比べて山の中のステージですし、とても合いそうな気がします。ライヴハウスとは随分気持ちが変わってきそうですね。
全然違いますよね。ペトロールズは今まで何度か野外で演奏したことがあるんですけど、やっぱりすごく気持ちがいい。ハコの中で音楽を共有するのとはまたまったく違う体験になりますよね。
<フジロック>は寝そべりながら観る人がいるので、気付いたら寝てしまって、ヘッドライナーが始まりそうになったり……ということもよくある話です(笑)。
そうそう、それもすごくいい体験だということで。音楽を聴くのに、「こういう姿勢じゃなきゃいけない」ってことはないと思うんですよ。それぞれが好きなように聴くのがいい。だから、ぺトロールズのライヴだってちゃんと観てもらう必要はないんです。「何かしてた時の、あの時に演ってた音楽がよかったね」とか、そういう記憶の残り方でもいい。だから、ガン観してもらう必要はないんですよ。そもそも僕ら、動きもないし(笑)。
クルマと音楽についても聞かせてください。長岡さんはクルマ好きとしても有名ですが、以前「旅行の際には毎回BGMが違って、そのBGM=旅行の思い出になったりもする」と言われていました。<フジロック>にもまさにその小旅行的な雰囲気があると思います。
そうですね。子供の頃からクルマがすごく好きで、衣装ケースがいっぱいになるくらい沢山持ってましたね。小さい頃から、走っているクルマの車種を全部当てられるような子供で(笑)。車の中でのBGMの話は、子供の頃に出かけた旅行とかは結構そうだったりして、曲を聴くとその旅を思い出したりすることがある。たとえば昔、アラスカに行った時にイーグルスが流れていたとか、そういうことですよね。親と北海道を旅行した時は、ブルーグラスが流れていて、「あの時はキツネが出てきたなぁ」とかね(笑)。
フェスにクルマで行かれたこともありますか?
ありますよ。その時は待ち合わせの時間に来ないのがひとりいたんだけど、全然来ないから家まで迎えに行って、そこから急いで向かいましたね。もう必死で(笑)。ところで<フジロック>の駐車場って遠いんですか?
場内の駐車場もあります。人気のエリアには、凝ったクルマが並ぶことが多いですね。
へええ、そうなんだ。
他に長岡さんとクルマとの思い出で印象に残っていることはありますか?
もともと僕は四駆育ちなんですよ。最初に買ったクルマは四駆で……実家もずっと四駆でしたね。フェスに行くなら、Jeep®なんていいんじゃないですか? 特に今日ここにある、Jeep®の「Wrangler Unlimited(ラングラー・アンリミテッド)」って雰囲気が盛り上がるクルマですよね。<フジロック>みたいな環境のフェスにはすごく合うと思うし、そういうクルマって、他にはあまりない。あとは、ポンコツなクルマでもいいと思う。自分の場合はまさにそうだけど、「(無事会場まで)行けるかどうか」みたいなのも楽しいと思うんですよ。映画みたいでいいでしょ? ちょっとヒッピーっぽい感じで(笑)。
(笑)。クルマで向かうと、時間帯や風景によってBGMを選んだりしながら、現地までのドライブを楽しむ魅力もあると思います。長岡さんがクルマでフジに行かれるとしたら、出発地点から会場まで、どんな音楽を聴きながら向かいたいですか。
何時集合にします? 人数は何人ぐらいを想定して(笑)?
当日に都内から向かうとして……昼前にはライヴが始まるので、早朝出発ではどうでしょう? 人数は、仲間と4人で。走っている場所や時間帯によってBGMが変化していったり、出演される方の音源を聴いたり……と、楽しみ方は様々ですよね。
出発は早朝で、4人ぐらいね。……難しいなぁ(笑)。でも最初、出発する時はジェームス・ブラウンかな。あのギトギトした雰囲気がいいな、と思って。ちょっと変な感じだけど(笑)。
とてもよさそうです(笑)。そこから高速に入って、しばらくその景色が続きます。アーバンな曲であったり、四つ打ちのクラブ・ミュージックも合うかもしれませんね。
逆にカントリーでもいいですよね。自分自身、普段はあまり聴かないけど、ブラッド・ペイズリーとか良いんじゃないですか? あとはドワイト(・ヨーカム)とか? 新しめのカントリーは高速によく合う気がしますね。
ああ、それもよさそうです。そこから次第に、風景が田舎になっていきます。徐々に会場の雰囲気に近づいていくような感じで……。
そうですね。でも山になっていったら、音楽は聴かないんじゃない? そこからは窓を開けて、「ハチが来る……!」みたいな感じでもいいかな(笑)。
クルマで行くと、近郊の地域や施設にも足を伸ばしやすいという便利さもあります。長岡さんが<フジ>近郊で行ってみたいところや、やってみたいことはありますか?
実はそれがクルマの一番いいところかもしれないですよね。苗場近郊には温泉もあるし、とりあえず……風呂には入りに行きたい。あとは、「道の駅で死ぬほど野菜を買う」(笑)。実はそういうのもクルマならではじゃないですか。ナンパしたっていいわけだし、それで女の子を送ってあげたらいいんじゃない? だから……(結論が)「ナンパしろ」っていう(笑)。
(笑)。会場に行ったら、やってみたいことはありますか?
じっくり手間隙かけて燻製を作って、そのついでに音楽が流れているとか……そういう過ごし方をしたいなぁ。最近はしてないんですけど、子供の頃はキャンプにもよく行ってたんですよ。
<フジ>にはそうした魅力もあると思いますし、フェスもキャンプも、ハプニングを楽しむという意味ではとても似ているもののように思えますね。
そうそう。そこをどう切り抜けるか、という楽しさがある。あと、夜更かししちゃうよね。あれは不思議。うちの父親がブルーグラスのフェスを仲間とやってたんですよ。ステージのすぐそばにテントが張ってあるような寛げる空間で、朝までセッションしてずーっとバンジョーを弾いていて。それが朝の5時までずっと続く感じでね。
音楽とクルマという意味で、長岡さんの中で共通点を感じる部分はありますか?
その人特有の「選び方」みたいなものってあるじゃないですか? 音楽とクルマに限らないかもしれないけれど、「自分のライン」「好み」というものがあって、それは人によって、何を選ぶにも一貫していたりする。僕の場合はディテールが好きで……。何て言ったらいいんだろう? 理想主義的なクルマを選ぶところがあるんです。構造が独特なものに惹かれる。
その雰囲気は、長岡さんのプレイにも出ているような気がしますね。
でも、ただディテールが細かければいい、ということとも違うんですよね。たとえば、ひとつの目的を達成するのにも、色んな行き方があるわけじゃないですか。で、中には合理的な方法もあるけど、僕はむしろ「何でそんな道を行ったの?」って思わせてくれるようなものが好きで。だから音楽も、そういうものに惹かれるんですよね。理想主義がはみ出ちゃっているような、変わったもの。無難ではなくて、人間がはみ出てしまっている、「合理的なものではないもの」ですよね。
<フジロック>にも、それに通じる魅力があるんじゃないかと思います。わざわざあの場所に集まってくる人たちには、きっとそういうものを求める気持ちもあるはずで。
うん、<フジロック>も主催者である日高さん自身の人間性が出ているように思いますよね。合理的なものを追究していくと、音楽もクルマも、みんな同じになっちゃう。でも、カルチャーってそういうものじゃないし、人の気持ちはそんな風には計れないものじゃないですか。だから、「みんな、計られんなよ」ってことで。真面目に自分の好きなものを選ぶのって大事なことだと思うんですよね。
今年のラインナップで、長岡さんが観たいアーティストはいますか?
今年はサポートも含めると3日間出演するんで、色々観られるかもなと思ってます。トッド・ラングレンの出演は嬉しいですね。あとは、何度かペトロールズと共演しているgroup_inouのライヴもオススメですよ。
ぺトロールズで対バン経験のあるceroもホワイト・ステージに出演します。
そう、cero出るよねえ。あと、ギャラクティックも。ギャラクティックは一番観たいかもしれない。ジム(・オルーク)さんもいいなぁ。あっ、僕がプロデュースした、Reiちゃんも出るんですね。この子、すごいブルースが好きな子なんですよ。
ぺトロールズのライヴも楽しみですね。
ぺトロールズは、演奏が難しいんです。自分達自身で楽をしない、茨の道を行ってるようなところもあるので。でも、野外でやるのってすごく好きなんですよね。だから今年の<フジロック>、とても楽しみにしていますね。
text&interview by Jin Sugiyama
photo by 横山マサト
INFORMATION
長岡亮介
今年も<フジロック’15>にJeep®が参戦!
例年通り来場者の心強い味方として開催期間中にJeep®がパトロールカーとして巡回するのはもちろん、今年は「CAR PARKING RESCUE supported by Jeep®」も実施。駐車場からも近い場外ショップエリアにて登場予定の当ブースでは、クルマでの来場者に対してトラブルがあった場合のサポートやレスキュー対応(※)をしてくれるそう! クルマで行く人はチケット引き換えのタイミングでマストで場所をチェックしておくべし。なお、ブースではJeep® Cherokee Mango TangoとJeep® Wrangler UNLIMITED Sahara タンク C/Cに加え、なんと話題の新型車を展示されるとのこと。お見逃しなく!
(※レスキューの対象エリアは会場指定の「駐車場」のみ)
また、会場内ではグリーン・ステージから徒歩0分(!?)の毎年恒例「Jeep® House」が登場。その場でアンケートに答えるだけでもらえる「Jeep®オリジナル・カモカラー・フェイスタオル」は毎回即・品切れになってしまうのでご注意を。
Jeep® オフィシャルサイト
Real Style by Jeep®