──確かに、ここ2作のceroのMV“Summer Soul”、“Orphans”は、車で流しているイメージがあります。
VTM “Summer Soul”に関しては、曲の中でも昼から夜にかけて移り変わっていく展開があるから、それはMVの中でもそのまま活かしたんです。あれは曲を作った荒内君とも、「どこで撮ろうか?」等の相談をしながら作っていったし。
荒内 “Summer Soul”に関しては、歌詞をまんま映像にしたところはあったかな。風景描写も多くて、歌詞が既に映像的でしたからね。
VTM “Orphans”も歌詞の中にバイクで移動していく部分があったんで、それを映像化していった感じでしたね。
髙城 こと、ceroのMVに関しては、自分たちとビデオくんで、色々と話をしていきながら作っていくんです。その辺りは、他のミュージシャンと映像監督との関係よりは、より密かも。4人でワイワイとアイデアを出し合いながら作っていきますからね。
VTM そうそう。僕も交えた4人の意見をまとめて、映像にしていく流れです。
cero –“Summer Soul”
cero –“Orphans”
──ceroの近年の音楽性自体も、どことなく景色感が伴っていく音楽性に、より移ってきていますもんね。
髙城 その辺りは、自分たちの育った環境も影響しているかもしれませんね。僕らもビデオくんもいわゆる東京は東京でも西東京出身なんで。その分、ビジョンが共通していることも多いし。
VTM 都市との距離感とか、お互い共通しているよね。実際、“Summer Soul”のMVも郊外的なシーンは、僕らの地元が中心だったし。土地勘のある場所でやって、よりリアリティを出してみたと。
橋本 音楽性にしても、どこか土臭いところは、滲み出ちゃっているところはあるかも。
髙城 でも、あのMV(“Summer Soul”)でも現われているような、郊外と都会のそれぞれの雰囲気、同じ東京なんだけど、違った面が一つの曲の中で同居しているのが、極めて自分たちらしいかなって。自分たちの音楽性もその間ぐらいに居ると常に思っているんで。
──アーバンなところとサパービアなところ、その双方を擁し、自由に行き来出来るのがceroの音楽性の魅力の一つですもんね。
髙城 ホント、まさにそんな感じです。
──で、元々旧知なceroとVTMさんですが、今回、<フジロック>にも、このお2組で出られますね。
髙城 最近はビデオくんのレコ発ファイナルで一緒にやったり、先日も僕らのライヴでビデオくんにVJを担当してもらったり、この夏も何カ所かで一緒にやるんです。元は2年前に、吉祥寺のバウスシアターという映画館の閉館の際のイベントで、まるまる1時間を2組でやったことがあって。
VTM 「1本の映画を見ているようなライヴを演ろう」とのコンセプトのもとで。1時間ぶっ通しでノンストップでやったんですが、それが凄く面白くて。「またやろう!!」と約束をしつつも、気づいたら2年も経ってました(笑)。
──今回は何がキッカケで、再びこの2組で?
髙城 やはりレーベルメイト(同じ〈カクバリズム〉)になったことが大きいですね。常々、「フェスでも是非一緒にやりたいね」って言ってきていたし。だったら、このタイミングだろうと。
VTM 去年はお互いニューアルバムを出したこともあって、自分たちに注力したツアーやライヴをしていましたからね。で、それもお互いひと段落ついたんで、じゃあ、また一緒にやろうかと。自分たちの新たなカラーを持ち寄って、それらを融合できるんで、あの時ともまた違った、今の僕たちが見せられるんじゃないかな。
髙城 なので、以前とはまた違った感じになると思いますよ。
橋本 更に成長したし、深まっただろうからね、お互い。
──今年はレッド・マーキーのSUNDAY SESSIONという深い時間ながら、“フェスを最後まできっちり楽しむゾ!!”的な、生粋の音楽好きが集まる中でのプレイになりそうですね。
髙城 どこまで残ってもらえるかだな、問題は(笑)。
VTM いや、どこまで残させるかが勝負でしょ。中途半端に臨めないので、気合も入ります。
──会場のレッド・マーキーは、屋内ながら開放感もあるので、2組の共演には、もってこいに映ります。
VTM それぞれ野外でのプレイ経験はあるんですけど、こういった雰囲気の場所は初めてですからね。イメージとしてあるのはドライブインシアターで。野外で、解放的な場所で映像を観る、そんなイメージなんです。
髙城 且つプライベートな空間も守られているという。先のバウスの時に、僕らが共演する一つの意義を見つけたんですよね。あえてMCを省き、曲間にビデオくんの短い映像を入れ、その部分を補うという。ホント、ちょっとした映画を観てもらう感覚ですよ。その辺りが今回も活かせたらなと。
VTM 今、色々と準備をしているんですが、かなり楽しんでもらえるんじゃないかと。先日も僕のライヴで共演したんですが、それもいい感じだったし。期待していて欲しいです。
──ちなみに今年の<フジロック>に向かう際は、どのような音楽をかけながら行きますか?
VTM やっぱ出るミュージシャンをかけながらかな。去年の僕はそうでした。
荒内 おっ、予習派?
髙城 僕は逆に、あえて予習したり、テンションを上げて向かわないタイプかも。やっぱり知らなかった音楽や新しいアーティストとの出会いも<フジロック>の魅力の一つだから。あえて先入観や前知識を持たないという。
VTM いや、行く際の、「これおススメだから、着いたら一緒に観ようよ!!」等の、他のメンバーへのプレゼンも含めた選曲で僕はかける派ですね。
荒内 何聴くかなぁ……。やっばり<フジロック>に出る、出ないに関わらず、直前に買った作品を、みんなの反応も踏まえて、かけるかな。
橋本 僕は気楽に行きたい派ですからね。“よし、行くゾ!!”的な音楽よりかは、ゆったりしたものをかけるかも。作品もだけどラジオでもいいし。いつ、何がかかるか分からない面白さがあるじゃないですか、ラジオって。そこからも発見や出会いがあるかもしれないし。
──<フジロック>で楽しみにしていることはありますか?
荒内 <フジロック>って、出番が終わると車でホテルまで送迎してくれるんです。あのステージをやり終えた後の、ちょっとした興奮やテンションの高さ、安堵感と満足感、それと冷房の効いた車中とのマッチが何とも言えないんですよね。チルアウトしている感じで、心地良くて大好きなんです、あの時間が。で、今年もまたそれを是非味わいたいですね。
VTM 僕、<フジロック>初出演なんです。去年はお客さんとして、ceroや僕のバンドのサポートメンバーが在席しているバンドを観に<フジ>に行ったんですが。2組ともむちゃくちゃいいライヴをしていたんで、ちょっと悔しくなっちゃって。“俺も出てえな!!”って。で、念願叶って、今年は出れることになりました。ホント、凄く楽しみです。
橋本 自分たちの出番前も色々なアーティストを観て楽しみますけど、出番の後も朝まで楽しまさせてもらいますよ。
VTM ザ・アヴァランチーズは絶対観たい!
髙城 あと、元々オレンジ・コートがあった場所に、屋根つきの新しいカフェが出来るとの情報を得たので、そこにも行きたいですね。ちょっとしたステージもあるようなので、それも気になる。<フジロック>は大きなステージもですが、他のステージでもけっこう熱いことが起こったりするんで、それとの遭遇も楽しみなんです。
──2011年のルーキー・ア・ゴー・ゴーの出演を皮切りに、出る毎に会場を大きくしてきた、叩き上げとも言えるceroや初出場のVTMさんですが、みなさんにとっての<フジロック>の魅力とは?
橋本 色々なフェスが各地であるけど、その中でも<フジロック>はひときわ行くのが楽しみフェスではあります。
荒内 観たいライヴもいっぱいあるし、みんなで集まって楽しめる場所も沢山あるし、快適ですよね、<フジロック>は。
VTM 大きなものから小さいものまで、その楽しみ方のふり幅がこれほどあるフェスも他にないと思うんです。ホント、好き勝手に自由に楽しめる、そんな最高のフェスかなと。
髙城 これほどのレンジの広いフェスは他にはないですよ。
VTM 新しい出会いがあったり、以外なところで足が止まったままになってしまったり、自分が当初予定していた計画通りに観れなくても、全然楽しめるフェスですよね、<フジロック>は。
──最後に。当日の自分たちのステージへの意気込みを。
橋本 是非<フジロック>を僕たちと一緒に最後まで楽しみ尽くして欲しいです。
髙城 踊れるドライブインシアターは、僕たちならではだし、他のアーティストではなかなか体験出来ないと自負しているので、それを体験しに来て下さい。
荒内 音楽的にも新しいことをやっていますからね、僕たちは。そこが我々の肝でもあるし。それを是非確認しに来て欲しいです。
VTM レッド・マーキーは、野外感もあり開放的なんだけど、きっちり映像も見せられるんで、楽しみにしていて欲しいのと、あんまりこういった映像の使い方をしているアーティストも居ないと思うので、期待して観に来て下さい。
text&interview by池田スカオ和宏
photo by Nozomu Toyoshima
取材協力:LONGBOARD CAFE
今年も参戦!<フジロック’16>にJeep®が登場
今年もJeep®がパトロールカーとして会場内を巡回、また来場者の車両トラブルがあった場合のサポートやレスキュー対応(※)を行う「Jeep® Parking Rescue」も実施予定。今回ceroとVIDEOTAPEMUSICへのインタビューでも登場した『Jeep® Renegade』もレスキューカーとして活躍します!
※レスキューの対象エリアは会場指定の「駐車場」のみとなります
また、メインステージ(GREEN STAGE)すぐ横には毎年恒例「Jeep® House」ブースを設置。アンケートに記入いただいた方や、各種SNSに投稿いただいた方に、毎年好評のJeep®フェイスタオルや、Jeep®タトゥーシールなどのオリジナルグッズがもらえるキャンペーンも実施予定!ぜひみなさんJeep®ブースに遊びに来てくださいね。