都会の夜を想起させるアーバンソウルでシティポップなセンスと、出自でもあるサバービアな環境が育んだ情景色豊かな歌世界の、そのどちらをも行き交わせる音楽性が魅力のcero。モンドでダビー、それでいてラウンジな音楽性を用い、その投影される映像と共に、各曲毎に「ここではないどこか」へと空間ごと誘ってくれる、VIDEOTAPEMUSIC……。

かねてからの旧友であり、お互いの作品に深く関与してきた、この2組の共演は今年の<フジロック>でのトピックの一つでもある。最終日のレッド・マーキーでのSUNDAY SESSIONで共演する、この2組。各々の音楽性そのものや音と映像との融合はもとより、そこから派生していくであろう脳内ビジョンも交えた、その体感性溢れるエクスペリエンスにも期待大だ。

VIDEOTAPEMUSICがディレクションを手がけたceroのMV“Summer Soul”内でも、車を飛ばし、郊外から夜のアーバンな都市に向かうシーンやストーリーが、彼らの音楽性やそこから派生するビジョンと相まっており、興味深いものがあった。実際、VIDEOTAPEMUSICは、MVのネタ拾いやロケハン、はたまた完成した楽曲をまずはプレイバックする場として。また、cero側も、車窓からの風景や車内で流れる音楽からの楽曲制作へのインスパイアやインスピレーションを受ける等、車は彼らのクリエイティヴィティに一役買っているようだ。

そんな彼らに高性能オーディオ・BeatsAudio™を搭載した『Jeep® Renegade LONGITUDE(レネゲード ロンジチュード)』を用意。実際に触れてもらい、ceroとVIDEOTAPEMUSICと車やカーリスニング、そして<フジロック>での共演について、あれやこれやを訊いた。

INTERVIEW:cero × VIDEOTAPEMUSIC

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──先程、『Jeep® Renegade』に触れていただきましたが、いかがでした?

荒内佑(以下、荒内) 実際に運転させてもらいたかったなぁ……

髙城晶平(以下、髙城) Jeep®にも、だいぶコンパクトなものがあるんですね。Jeep®と言えば、ゴツくてカーキー色みたいなイメージがあったんですが。

荒内 まさに都市型のJeep®を感じたよね、レネゲードには。

──搭載されているBeatsAudio™も体験されていましたが。

髙城 いやー、いい音でした。全くストレスなくスムーズで。気持ち良かったです。

VIDEOTAPEMUSIC (以下、VTM) 後の席でも、かなりいい音で快適でしたよ。

荒内 イコライザーも万全だったので、走るシチュエーションで、かなり音も変えられるんでしょうね。

──先ほどは、髙城さんのiPodの中の音楽を流していましたね。

髙城 SUBLIMINAL CALM(1990年代初頭に活動していた、いとうせいこう&藤原ヒロシによるユニット。ダブを基調にした音楽性)をかけていました。このオーディオシステムで聴いてみたくて。とても良い音でしたね。

橋本翼(以下、橋本) ミドルやローといった重低音もしっかりと出ていて。心地良かったよね。

髙城 車を走らせていると、通常はどうしても弱くなっちゃう音域もあるんですけど、しっかりその辺りを補正してくれているようだったので、頼もしかったです。走行環境や楽曲によって、色々と調整出来るのもいいですね。たぶん助手席の人が担当になるんでしょうけど(笑)。

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▲『Jeep® Renegade LONGITUDE』のみに搭載されている、BeatsAudio™プレミアムサウンドシステムスピーカー。全部で9基のスピーカーが搭載。

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──みなさん、ツアー等の移動はやはり車で?

髙城 車が多いですね。今でこそ移動の際の運転は、もっぱらスタッフの方がすることが多いですが、僕と橋本君は免許を持っていないこともあり、以前は免許を持っている荒内君によく運転してもらっていました。

VTM この中では、僕が一番、車に乗っているかも。運転好きなんですよ、僕。体力さえ続けば長時間も全然苦じゃない。普段からよく乗っているし。MVのロケハンが趣味の一つですから(笑)。

髙城 あと、ビデオくんは自分の曲のミックス確認も車でよくやっているよね。

VTM そうなんです。自分の曲を確認する際はだいたいが車で。部屋の中じゃ分からないところも細かく分かるんですよね、車で聴くと。実際に街で鳴っている状態に近いところもあるし。密閉された空間と外気に触れた時の両方が確認できる。それがいいんです。

橋本 やっぱり免許あった方がいいよな。広がりそうだよね。

──ちなみに、みなさんは移動の車中、どのようにして過ごされているんですか?

橋本 音楽かけて、それについて会話していることが多いかな。知らない曲がかかって、興味があったら、それについて尋ねたり、答えたり。色々と語ったり、議論したり……。

髙城 あと、長時間の移動の際によくやるのが、バイオゲームといって、相手が頭の中に思い浮かべているものを、質問に答えてもらっていきながら当てるゲームで。それを延々やっています(笑)。けっこう時間、持つんですよ、あれ。無制限に質問していいから、途中で答えがひらめいても、あえてダラダラと質問し続けたり(笑)。

──意地悪ですね(笑)。先ほど車中のBGMの話が出ましたが、それには誰か担当が居たりするんですか?

髙城 助手席に座ることが多いんで、僕が多いかも。

橋本 その選曲もけっこう緊張するんですよ。みんなの反応を訊きたいところもあるので。ある種、DJに近いかも。

荒内 「今、かかっている曲、何?」って訊かれて。「これはね~」って。選曲冥利に尽きる(笑)。

VTM 逆にリアクションが無い場合や普通にスルーされた際は、「えっ?! ちょっと……」と、悲しくなったり、ね(笑)。

髙城 でも、みんなで車で音楽を一緒に聴くというのは、けっこう僕たちの中では重要なことで。クラブやライヴを除くと、今の時代、みんなで集まって一つの音楽を聴くことなんてそうないじゃないですか。僕らが以前やっていたラジオ番組(InterFM897『Night Drifter』)のコンセプトがまさにそれで。メンバーそれぞれが作品を持ち寄って、メンバー同士でそれについて、あれやこれやワイワイ言う趣向のもので。好きなんでしょうね、僕らそういった行為が。

──その車中でみんなで聴いた音楽が楽曲創作に反映されたりは?

VTM あるよね。好きな楽曲やタイプがより共有されたり、改めて認識したり、気づいたり。

髙城 「次はこういったのをやろうよ!」というヒントになったこともあったし。

橋本 そのまま車が通り過ぎる音を音源の中で入れたり等のアイデアが出てきた時もあったし。

VTM 音楽を聴きながらミーティングにもなるし、アイデアやヒントも出て来るし……。いいよね、みんなで車で音楽を聴くのは。ceroのアルバム『Obscure Ride』も車で移動しているシチュエーションの曲も多いしね。

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