Suchmos、ホワイト・ステージに出演する彼らが語る“フジロック”への思い

はははは。アーティストのみなさんも会場を歩いていますよね。

YONCE

ミュージシャンではないですけど、ハライチの澤部さんは見かけましたよ。お客さんにも話しかけられている時も「<フジロック>に来ている同じ仲間」という雰囲気で接していて、「これは好きで来ているからなんだろうなぁ。すごくいいな」と思いましたね。

HSU

俺らも、ライブが終わったら一緒だよね。同じように楽しみたい。

OK

オーディエンスになっても楽しいからね。

 
会場に行く前には、準備も考えましたか?

YONCE

俺は山に行く時の装備があったんで何となくはこしらえたんですけど、まだ全然足りてなかったですね。

HSU

俺なんか全然準備出来てなかったですよ。イスも持ってなかったですし。もちろん、今年に関しては整えていますけどね。

何も用意してないと大変ですよね。

HSU

SPECIAL OTHERSの人にも、ダニ用のポイズンリムーバーを持っていった方がいいと教えてもらいました。14年は、(アウトドアブランド)KEENの靴を履いていったよね。

OK

足元問題は大きい。最近は買い物する時に「これは<フジロック>で使えるな」ということを考えたりもしています。

そうすると、今年も出られることになって本当に楽しみですね。

OK

しかも、20周年ですしね。

HSU

「自分たちが出られなかったとしても行きたい」って言っていたぐらいなんで。

前回の出演時以降、作品をリリースして、バンドへの注目や人気も急激なスピードで高まっていきました。みなさんはその時期をどんな風に過ごしていましたか?

YONCE

振り返るタイミングもなかったような感覚でしたね。「気づいたら、また<フジロック>への出演が決まってたよ」という感じで。

HSU

まだ今も、その延長線上にいる感覚なんですよ。だから、10年後とかに振り返ることが出来たらいいかなと思っていて。

活動がどんどん広がっている現在は、やっぱり充実していますか?

YONCE

そうですね。僕らは<フジロック>でフェス童貞を捨てて、そこから色んなフェスティバルに呼んでいただけるようにもなりましたし。

_MG_3003

今年の出演前には、最新EP『MINT CONDITION』もリリースされますね。この言葉には「作りたて」という意味もありますし、同名のR&Bバンドもいると思います。どんな理由でこのタイトルに決まったんでしょう?

OK

R&Bバンドのミント・コンディションもちろん大好きです。

YONCE

でも、ここでの「MINT CONDITION」は、楽器屋さんで知った言葉なんですよ。ヴィンテージの楽器で状態のいいものや、車や古着でも昔のものが劣化せずいいで残っている状態を「MINT CONDITION」と呼びますよね。それが僕らのやりたいことに似ていると思ったんです。古きよき音楽を、自分たちなりの解釈で世に出していく。僕たちはそういうことをずっとやっていきたいと思っているんで、このタイトルを付けました。

サッチモ(ルイ・アームストロングの愛称)から取ったバンド名にも繋がる話ですね。

HSU

そうですね。実はもともと1曲目の“MINT”の仮タイトルが、そのまま“MINT”だったんですよ。何でそんな仮タイトルになっていたのかは分からなかったんですけど。

YONCE

その曲を、俺とDJ KCEEの2人で新潟で作ったんです。

HSU

あっ、考えたら<フジロック>の会場と同じじゃん!

 
おお。すごい偶然です。

YONCE

車の免許合宿で新潟に行って、あまりにやることがないんで、ギターで曲を作っていたんですよ。その時は詞もまだない状態で、「“MINT”って感じだなぁ」と思っていて。

作品全体のテーマや方向性について、話し合ったりもしましたか?

YONCE

いや、僕らはこれまで一度たりとも、方向性を決めてやってきたことはないんです。あまりコンセプトありきにはしたくなくて、自分たちでもどこに行くのか分からない状態の方がいいというか。その時の精神状況や感じたことがたまたま音楽になって、自分たちでも「ああ、今はこんな感じなんだな。」と気づく感じなんですよ。

HSU

ただ「いい音楽を作りたい」という気持ちで、それがたまたま作品としてパッケージングされているということなんですよ。だから、今回のEPに関しても、自分たちの中では推し曲や捨て曲という区別もなくて、どの曲も好きなんです。「自分たちが本当に好きな音楽をやる」「ただいい曲を作る」ということだけを考えているんですよ。

YONCE

あと、今回の収録曲は、どれも完成までに面白い変遷を辿っていますね。“JET COAST”のサビのメロディは、もともと別の曲としてあったものを使って今のアレンジになっているし、“DUMBO”も最初はハードなロックのリフは乗っていなくて、全然違う雰囲気の曲で。

OK

もっとブラックのノリだったよね?

HSU

そうそう。“DUMBO”はそれこそルーキー・ア・ゴーゴーに出る前からあった曲で、まだSuchmosが4人だった頃にあった曲だったんで。

YONCE

今回のEPは、自分でも聴けば聴くほどいい作品になってきています。最近好きで聴いている音楽のエッセンスを取り入れつつ作ることも出来て、またひとつ違う引き出しを開けられた感覚があるんですよ。

最近好きな音楽がどういうものか、教えてもらうことは出来ますか?

OK

最近ザ・ミュージックの1st『The Music』を聴いて、衝撃を受けたんですよ。

へええ、面白いタイミングですね。

YONCE

もともと聴いてはいたんですけど、<フジロック>にまた出られることが決定したんで、<フジロック>っぽいアーティストの映像を色々観ていた時に、11年の解散前のライブ映像を久々に観て、「めちゃくちゃかっこいい!」と思って。それで最近、みんなで聴くようになったんです。

ザ・ミュージックは、ヴォーカルのロブが<フジロック>の大ファンで、プライベートでもよく遊びに来ていたんですよね。

YONCE

そうみたいですね。そのエピソードも最高です。

HSU

あとは、オアシスも最近よく聴いていますね。オアシスの音楽には、俺たちの音楽をより広げるためのエッセンスが詰まっていると思うんですよ。

なるほど。ライブの規模が大きくなっていくにつれて、スケール感のようなものを意識するようになってきているのかもしれませんね。

YONCE

確かに、「でっかいところでやりたい」というのは、バンドして掲げていることですね。

HSU

でっかい音を鳴らしたいし、大きなところでやりたいし。その際に、シンプルじゃないと大きな音を出すのって難しい部分もあると思うんですよ。オアシスはまさにそれをやっている人たちですよね。

YONCE

そうだ。ラジオで聞いたんだけど、アリーナ・クラスの会場では濁るコードがあるんだって。だからスティーヴィー・ワンダーは本来大きな会場に向いている人ではないという話で。もちろん、あれだけのスターなので、関係ないとは思うんですけどね。

HSU

それはそうだよね。スティーヴィーの歌が聴けたら、もうそれだけでいいと思うし。

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今年の<フジロック>のステージでは、観客にどんなことを期待していてほしいですか?

YONCE

それはもう、<フジロック>自体が楽しいんで(笑)。

自分たちが<フジロック>でライブを観て楽しむのと同じように、観てくれる人にも楽しんでもらえればいい、ということですね。

YONCE

そうですね。俺らも楽しむんで、同じようにみなさんも楽しんでもらえたら嬉しいです。

HSU

もちろん、20回目という節目に出させて頂くので、誇りを持って全力で臨みますけど、同時に肩の力を抜いて純粋に楽しんでいるところも見せられたな、と思っています。

OK

20回目……。20年前はまだ5歳かぁ。

20年前、どんなことをしていたか覚えていますか?

OK

とにかく、砂場にずっといましたよね(笑)。

その時は、まさか自分が後にミュージシャンになって、<フジロック>の大きなステージに立っているとは思っていなかったでしょうね。

YONCE

いやぁ、想像はつかないですよね。

HSU

何なら2年前でも(ホワイト・ステージへの出演は)想像がついてないですから。「抜擢されてしまったなぁ」という感覚はありますけど、でもせっかく抜擢して頂いたからには、後は全力で楽しむだけなんで。

最後に、20回目を迎える<フジロック>へのメッセージをお願いできますか?

YONCE

今後とも、手加減抜きでお願いします!

HSU

これからもずっと続けてほしいですし、日本のカルチャーを盛り上げてほしいです。

YONCE

自分の中で、<フジロック>はサッカーで言うと<トヨタカップ>(各大陸のクラブチームの王者が集う、現在の『FIFAクラブワールドカップ』)のようなものだと思っているんです。そう考えると、もう何年もの間、海外のアーティストに押されて、日本人アーティストはグリーン・ステージのヘッドライナーを務めていないですよね。だから、それを目指してやっていきたいです。そういう意味でも「手加減抜きでお願いします!」ということで。<フジロック>は日本の音楽シーンに、20年もの間、多様性を伝え続けていますよね。そこには敬意の念を禁じえないです。

みなさんにとって<フジロック>とはどんな存在ですか?

OK

音楽のディズニーランド(笑)。

YONCE

やっぱり、一番素敵な音楽との出会い方が出来る場所なんじゃないかと思いますね。

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text&interview by Jin Sugiyama
photo by 横山マサト
取材協力:DJ BAR Bridge

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