様々なアーティストや著名人の方に、<フジロック>の魅力を語ってもらう「TALKING ABOUT FUJIROCK」。今回は古き良きロックやソウル、ヒップホップ、ジャズへの愛情を今にアップデートした音楽性で話題の6人組バンド、Suchmosの登場です。彼らは音源のリリースすらなかった14年に新人アーティストの登竜門ルーキー・ア・ゴーゴーに出演すると、その後15年のデビュー・アルバム『THE BAY』や精力的なライブ活動などを通して瞬く間に人気を獲得。2度目の出演となる今年の<フジロック>では、国内の新人バンドとしては異例とも言えるホワイト・ステージへの出演が決定しています。

今回は14年の出演時からのオリジナル・メンバー、YONCE(Vo)、HSU(B)、OK(Dr)の3人に集まってもらい、<フジロック>初出演時の思い出や7月6日(水)発売の最新EP『MINT CONDITION』のこと、そして今年の<フジロック>にかける思いについて語ってもらいました。

INTERVIEW:Suchmos[YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)]

MG_2836 Suchmos、ホワイト・ステージに出演する彼らが語る“フジロック”への思い

━━Suchmosは14年のルーキー・ア・ゴーゴーで<フジロック>に初出演しましたが、あの時は夜中にも関わらず多くの人が観にきていましたね。

OK  俺らは夜中の3時頃の出演で、メインのヘッドライナーも終わっているし、始まる前は「どうなるんだろう?」と思っていたんですよ。でも気づいたら人がすごく来てくれているし、近くでプロレスもやっているしで(笑)。それに、自分たちの本番までの間に<フジロック>のことが大好きになってしまったんですよ。だから会場ではひたすら楽しんでいました。すごいことが沢山起きているフェスで自分たちもステージに立てることが純粋に嬉しかったですね。

━━ライブをやってみての感想はどうでしたか?

YONCE お客さんの参加の仕方がすごかったし、外国人の方も多くて、その人たちのノリもすごくよかったんで、単純に気持ちよかったです。

当時はまだ、Suchmosが結成されて1年ちょっとというタイミングでしたね。

OK そうですね。本当に「えっ、出れんの!?」という感じで。Suchmosにとって、フェス出演自体も初めての経験だったんですよ。

YONCE 他のルーキー・ア・ゴーゴーの出演者には知ってるバンドも多くいましたけど、みんな既に事務所が決まったりして流通音源を持ってきている状況の中で、俺らはほんとに何も始まってなかったので。音源もないし、ステッカーを持っていったのを覚えてますね。

━━(笑)。みなさんが<フジロック>の存在を意識したのはいつのことでしたか?

HSU 俺はその時が最初でした。Suchmosは2日目の出演でしたけど、俺とキーボードのTAIHEI以外は1日目から会場にいたんですよ。それで苗場からアホみたいな写真が沢山送られてきて、「こいつらテンションおかしいぞ」と(笑)。「めちゃくちゃ楽しいから早く来なよ!」ということだったんですけど、俺はフェス・デビューがその<フジロック>だったんで「はいはい」という感じで、現地に着くまでは楽しさがよく分かってなかったんです。でも会場に着いて、入場ゲートをくぐった瞬間に、グリーン・ステージの音が聞こえてきて。それですぐ「え? これやばくない?!!!」という感じになって。

YONCE&OK はははは!

YONCE 自分の場合は、<フジロック>は好きなバンドの映像は観たことがあって、すごく壮大で「<グラストンベリー>みたいなフェスだな」というイメージはありましたね。でも、自分たちがそこに出られるということは想像すら出来なかったです。都市型フェスには友達とよく行っていたんですけど、その時も「<フジロック>のような会場のフェスはどんな感じなんだろう?」と思っていて。HSUが来る一日前に会場に着いた時は、まるで『ドンキーコング』のゲームの中を歩いているような雰囲気でした。

HSU やっぱり、実際に行ってみないと分からないですよね。周りのミュージック・ラヴァーの「<フジロック>はいいよ」という話は聞いていたけど、行ってみて初めてその魅力を体感したというか。

YONCE ディズニーランドに入ったら、スイッチが入るじゃないですか。それと一緒で、会場に入ったら「これは相当楽しいぞ!」と。

━━他のアーティストのライブも観ましたか? 当時、「ベースメント・ジャックスのステージを観た」という話はしていましたね。

OK ベースメント・ジャックス、俺は観ました!

HSU (14年の出演ラインナップを見ながら)えっ、デーモン・アルバーンも来てたのかよ! 観れなかった……。

YONCE 僕はフランツ・フェルディナンドのステージを覚えていますね。とりあえず「ギターの位置、高っ!」って(笑)。好きな曲もやってくれたんで最高でした。

OK あと、俺はやっぱりアウスゲイルかな。アウトキャストもね。

HSU アウトキャストはやばかったよね。VJがめちゃくちゃエロかった(笑)。生バンドだったよね。あと、俺は試しにホワイトのスピーカー前まで行ってみたんですよ。そうしたら音圧がすごいことになってて。<フジロック>って出せるデシベルに制限がないらしいですし、爆音なんで、遠くで聴いていても気持ちいいですよね。

OK 確かに、音はバカでかかったよね。しかもめちゃくちゃよかった。

MG_2828 Suchmos、ホワイト・ステージに出演する彼らが語る“フジロック”への思い

━━Suchmosは今年、そのホワイト・ステージに出演しますね。これはかなり感慨深いんじゃないですか?

3人 信じられないですよ。

OK 2年前、普通にスターを観ていたステージに立てるなんて。

YONCE あの時自分が観客として見ていた風景をひっくり返して出演者の立場として想像すると、ちょっと緊張しますね。

OK うん。結構頑張って前に行っても、「まだまだ最前列は先」という感じだったもんね。

━━<フジロック>には音楽以外にも魅力が沢山ありますよね。中でも印象に残っているものは?

OK とりあえずご飯はめちゃくちゃ美味かったです。『天国バーガー』とかね!

HSU かなり並んでいましたけど、ビール片手に待っていたんで、店から香ってくる匂いでビールを飲んだりしてて。

YONCE 「鉄板の『ジュワー』、いいね!」みたいな感じでした。

HSU バイトしてる女の子も可愛かったし。

OK 食事にめちゃくちゃお金を使ったよね。チキンも美味かったし!

YONCE ああ、確かところ天国のチキンだよね。

HSU そこでちょうどアウスゲイルの演奏が聞こえてきて。しかも、その時天気雨が降っていたんですけど、それがいい展開のところで晴れたんですよね。雲が十字に切れたんですよ。

OK あれは最高だった! 幻想的だったよね。

━━自然が豊かな場所でしか起こらない、<フジロック>ならではの出来事ですね。

HSU そうですね。<フジロック>はロケーションも最高でした。

OK ボードウォークがいいよね。

YONCE あとは、木が沢山生えて林のようになっている道に、ミラーボールがあったりとか。

OK 超スキップしてましたもん。フィールド・オブ・ヘブンまでノンストップでスキップして。

━━めちゃくちゃ楽しんでるじゃないですか!

OK たぶん今年もそうなるんだと思いますね。

YONCE あの時誰か、はしゃぎ過ぎてボードウォークから落ちたよね?

HSU 俺だ。あと、道を歩いてて、全然知らないお客さんと「イェーイ!」ってハイタッチしたりとか。

━━各ステージもそれぞれに特徴があると思います。どの場所が印象に残っていますか?

OK 俺はレッド・マーキーが好きですね。ライブハウスみたいな雰囲気で。

YONCE buffalo daughterを観たよね。あれは最高でした。あとは、ルーキー・ア・ゴーゴーの横にあるザ・パレス・オブ・ワンダー。1人で踊っていたら、白人のお姉ちゃん2人が僕のことを動画で撮っていて。その後気付いたら、3人で肩を組んでました(笑)。

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