世界のフェスを渡り歩いたFestival Junkieがお届けするフジロックコラム第四弾。海外フェス情報を盛り込みながら、世界のフェスカルチャーにおける日本代表<FUJI ROCK FESTIVAL>を語っていく連載企画。

フジロックの兄貴分フェスとして前回紹介した<グラストンベリー・フェスティバル>。実際にそんなグラストンベリーに参加したことのあるフジロッカーに話を聞いてみた!というわけで今回はグラストンベリー特集後編をお届け。ただ単にグラストンベリーの感想を聞いても物足りないので、「フジロックと似ているところ」「グラストンベリーに参加したからこそ感じたフジロックの魅力」などをフジロッカー目線で紹介していきます。

グラストを経験するとフジロック愛が高まる!?

neg_4_2 グラストンベリーVSフジロック?グラスト参加フジロッカー達にインタビュー

「もしフジロックを卒業するならいつだろう」なんてことをフジロック仲間と話したことがある。そこに集まった仲間内で多かった意見は「●●がフジロックに出演したら…」ということと「グラストンベリーに参加したら…」という2つだった。前者に関しては何となく想像ができたが、当時はまだ何となくでしかグラストンベリーを認識していなかったので、あまりイメージが湧かなかった。

数年後、実際にグラストンベリーに参加することになり、そんな過去のやり取りを思い出して「もしかしてフジロック卒業するのかな、自分」と思ったりもしていた。ただ答えは逆だった。というのも何故かグラストンベリーに参加後にはすぐにフジロックに行きたくなったのだ。フジロックメディアだからこんなことを書いているのではなく、本当にそう思ったのだ。そしてその感覚を確かめたいと思い、日本からグラストンベリーに参加していた方や現地で出会った日本人に色々と「グラストンベリーとフジロックの関係」について聞いてみると、やはり多くの人が実際にフジロックも行く/行きたいと答えてくれた。もちろんグラストンベリーをモデルにしたフェスなので、フジロックと似ている点が多く、苗場の雰囲気を思い出すということが関係しているのは間違いないが、実際に何がフジロックの素晴らしさなのかということをグラストンベリーと比較してまとめてみることにした。まあ筆者が何を語ろうが、苗場で見るのが夢だったアーティストが出演しようが、どんな豪華な海外フェスに参加しようが、また苗場に戻ってきたくなるがフジロックの魅力なのだろうけれど。

フェス飯、清潔な会場、自然に囲まれた環境はフジロックが圧勝

neg_4_3 グラストンベリーVSフジロック?グラスト参加フジロッカー達にインタビュー

グラストンベリーは世界最大級のフェスなので、規模やラインナップの豪華さは圧倒的。しかし実際にグラストンベリーに参加したフジロッカーに話を聞くと、フジロックの方が優れている点がどんどん挙がってきたので、多かった声をまとめてみた。Vol.1で紹介した「外国人がよく言うフジロックのABCD」に近い結果にはなったが、グラストンベリーに参加したフジロッカーからこそ、改めて実感できるフジロックの魅力を実際の声とともに紹介していきたい。

[1位:会場の綺麗さ]THE CLEANEST FESTIVAL IN THE WORLD

・ゴミがほとんど落ちていないのはやはりフジロックの最大の魅力!
・フジロックはトイレも綺麗。グラストンベリーは天国ですがトイレだけは地獄なので。
・特にライブ終わりのモッシュピットゾーンは雲泥の差!
・グラストンベリーは泥が尋常じゃない。たまに本当に泥が凄くて歩けなくなる

[2位:フェス飯の美味しさ]フェス飯がほとんど美味いなんて奇跡!

・グラストもそこまで不味いとは思わないけど、フジロックは安心感が違う
・基本的に外れがないフェス飯。そんなことは海外フェスではあり得ない…
・寒いときにすぐに温かい汁物があるって素晴らしいことです

[3位:自然×音楽]単なる屋外でない苗場の魅力

・緑がいっぱいでその中で大好きな音楽を聴けるのが幸せ
・同じ屋外だけど、川ありの山の中(苗場)と牧場(グラストンベリー)とではマイナスイオン度が違う
・苗場でしか感じられない緑に囲まれた独特の雰囲気

上位の理由は上の3つだが、その他にも【安全性:フジロックは深夜のうろつきもグラストンベリーほど怖くないし、キャンプするにしてもそこまで気を遣わない】という女性ならではの意見や【適度な会場の広さ:ステージ間の移動時間がグラストほどないので楽】【周辺施設の充実具合:グラストンベリーは完全キャンプだけどフジロックは周辺に宿や温泉が多いので便利】といった利便性を挙げる方が多かった。ただ褒めてばかりでも少し気持ち悪いので、最後にグラストンベリーと比べたときのネガティブな意見もピックアップしておくことにします。文句言っているフジロッカーほど苗場のことが好きだったりするはずですが。

・「グラストンベリーは会場が広くても平地なので会場にアップダウンが少なくて動きやすい」
・「苗場は思いっきり山なので怖い虫がいる」
・「フジロッカーはちゃんとしている!でもたまにちゃんとし過ぎている」

それでは今年もイギリスと苗場の両方でお会いしましょう!

Special Thanks!!! FUJIROCKER in Glastonbury!!!

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著者プロフィール:津田昌太朗(nekomeguro)

世界最大の音楽フェス<グラストンベリー>に参加したことがきっかけで、突然広告会社を退職し英国に移住。ロンドンで海外フェスプロジェクト「Festival Junkie」を立ち上げ、世界中の音楽フェスに潜入取材を行っている。現在は東京とロンドンを拠点に音楽マーケター/ライターとして活動中。執筆メディアはVICE、Qetic、EDM MAXXなど多岐にわたる。今年4月にフェス特化型プレイリストサイト「PLAYFEST」をOPEN。
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