□宇宙大使マザーシップに乗船
子連れファミリーと多幸感に溢れたムジカの後は、【こどもフジロック】SNSの約束の地「宇宙大使マザーシップ」へ。
インスタPHOTO SPOT「宇宙大使マザーシップ」とは、富士山の全景を一望でき、尚且つ富士山を写真に収めるベスト・ポジションにある朝霧JAMの公式カメラマンとしておなじみの宇宙大使☆スターさんのお仲間(宇宙大使◎ソーラーさん、宇宙大使○ムーンさん等)が創り上げている丘の上の空間のこと。
まずは階段を上ってすぐにあった「青空美容室」に興味を示したドラゴンは、真っ赤なお花の髪飾りを選び、着席してヘアセットをしてもらった。
その際、御代を払う者として「可愛いよりも男前なセットにしてください」と言うと担当してくれたお姉さんは「えええ?! 男の子ですか?!」と驚愕した様子だった。念入りに逆毛を立ててくれていたのでX JapanのToshIさんかBUCK-TICKのヤガミさんにしてもらえるのかと期待していたのだが、結果はいたって可愛い女の子になった。
□宇宙大使と遭遇
可愛くしてもらった自分の姿を鏡で確認して上機嫌になったドラゴンは、眼下にあるRainbow StageからはYOUR SONG IS GOODの音色が聴こえてくる丘の上の朝霧ジャンボリーの石碑の上へよじ登って遊んでいた。
そんなドラゴンを「かわいいなー。すんごくかわいー」と言いながら、でっかい望遠レンズをドラゴンに向け、ガシャガシャ写真を撮る謎の人物が現れた。
そのオーラからオフィシャル・カメラマンなのだろうと思い、その光景を黙って見ていたら、その謎の人物はあの有名な「宇宙大使☆スター」さんだとスタッフの方が教えてくれた。宇宙大使☆スターさんと言えば、朝霧Jamやフジロックなどのオフィシャル・カメラマンで、きっとあなたも観たことがある写真を撮っている人だ。
日頃音楽ライターとしてそれらの記事を書く際に写真をお借りするので一方的に名前は存じていたが、ここで初めましてのご挨拶となった。それから、全部で3人いる宇宙大使に同時に会えることは珍しいそうだが、この日は宇宙大使◎ソーラーさん、宇宙大使○ムーンさんとも会うことができてラッキーだった。
その後も何度かスターさんを場内でお見かけした。その際、ドラゴンが「あの子、スターでしょ?」と言っていたのがどうにも可笑しく、今年のハイライトのひとつだった。そんなスターさんに撮影していただいた写真がこちら。
それから母が子連れファミリーに取材をしている間、ドラゴンは友人Aを引き連れて、【こどもフジロック】の特製ステッカーを配りながら階段下で呼び込みをしていたらしい。
インスタPHOTO SPOT「宇宙大使マザーシップ」では、子連れファミリー、カップル、お一人様、仲間たちなど朝霧Jamの全スタイルの参加者がインスタ映えする写真を撮りまくっていた。また、1日目の富士山見えないバージョンと2日目の富士山見えるバージョンでは同じ場所で撮った写真とは思えない違った景色や色調の変化を観ることができる。
□朝霧Jamのフェスごはん「ペロペロチャンキーをたべたいの!」
その後、朝霧Jamと印字されたフェスロープを何度も走ってくぐるという一人遊びを繰り返したドラゴンが「お腹が空いた」というので、近くの屋台「朝霧食堂」のぐるぐるウインナーと富士宮やきそばを購入。
フジロックからの流れもあってか、ぐるぐるウインナーは観たら食べなきゃいけないアイテムになってしまった様子。筆者も「このフェスに行ったらこれを食べる」という秘め事は胸にあるので寛容せねばならぬこと。しかし「美味しい?」と訊いただけなのに「ママは食べちゃ駄目!」という3歳。ひどい…。
エネルギーを補充したドラゴンは「キッズランド!」と言い放ち、意気揚々に歩き始めた。でもそっちじゃないのよ、こっちなんだってば…。子連れフェスとはそんなことの繰り返しだ。
キッズランドに到着すると「重須孝行太鼓保存会」が演奏中だったので他のキッズたちに混ざって鑑賞。
その後、冒険のトンネルをくぐり抜けてキッズランド内部へ。
Moon Shine Stageから聴こえてくるCHAIを聞きながら、芝生に腰をおろして冷めた焼きそばを皆で食べた。冷めても美味しいB級グルメは子どもにはもちろん、とりわけ小さい子連れの大人にとっても優しいフードである。
ひとしきり遊具で遊んだところでキッズランド終了時刻となり、Rainbow Stageへ戻った。
しかしBOREDOMSがいよいよ始まるという頃に雨が強まってきた。ステージも霞んで見えない。
無理はしないと決めていたので、寒さを緩和してくれそうな夕飯をと「高原のシチュー屋さん」ではシチューを、「森のハヤシライス屋さん」でハヤシライスを購入し、ふもとっぱらへと戻った。
これも昨年の教訓からなのだが、今回はご飯を極力作らずに、地元の食材をふんだんに使った美味しいと評判の朝霧Jamメシに頼ることにした。調理時間がない分だけフットワークが軽くなり、いい動きができたように思う。
□大雨と強風のふもとっぱら
我が基地へ戻ると、グランドシートとフライシートをしっかりと処理せずに会場へ向かってしまった我がテントは雨風のせいで少々浸水してしまっていた。友人Aのテントにいたっては完全なる水没をきめていた。ワンタッチテントが風にワンタッチされてペシャンコに…。
半分寝ていたドラゴンを最も安全な車内にひとまず寝かせ、友人Aと二人でテントとタープを修正。降りしきる雨が作業を手こずらせた。その間、車内のドラゴンを何度も確認するが、昼寝をしなかったため爆睡してまったく起きなかった。
寝ていたドラゴンをテント内に移動させ、髪飾りを取ろうとしたら「取らないで!」と激怒された。彼は結局、帰宅して2日ぶりにお風呂に入るまでずっとお花をつけていた。「これはだいじ(なもの)だから」と今も大切に自宅洗面台近くの棚に置いている。
基地を建て直した後も雨はひどくなる一方だった上、ドラゴンもスヤスヤと寝ていたので会場には戻らない選択をし、子守を友人にお願いして風呂に入ってさっぱり気分に。そして晴れ予報の翌日に備えて早々に休んだ。それにしてもBIGYUKI、GOGO PENGUIN、YO LA TENGOは観たかった。
夜中の2時頃だっただろうか、お隣りのタープがバタバタと強風に打ち付けられる音で目が覚めた。ペグをカンカン打ち直す音もあちらこちらから鳴り響き、なかなか寝付けない夜だった。