めちゃめちゃヤバい! いますぐ<フジロック>に行って、グリーン・ステージで電気グルーヴを観たい!! 電気グルーヴにとって初となるドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜』を観終わって、最高潮にまで高ぶってしまったテンションを落ち着かせるために、5日間はかかった。いまやっと冷静になって、この原稿に取り組んでいる。
公開前からかなり話題になっている『DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~』だが、本気で、これは絶対に見たほうがいいと断言する。とくにこれまで電気グルーヴをちゃんと観たことがない、聴いたことがない、という人にこそ見て欲しい。これを観てそれでもピンとこないというのであれば、それはもう仕方がないってくらい、この映画は電気グルーヴのことを好き、否、大好きになってしまう映画である。
監督は映画『モテキ』や『恋の渦』、『バクマン。』といった話題作で知られる大根仁。250時間5テラに及んだという膨大かつ貴重な資料映像から厳選した映像、そして電気グルーヴのことを知るキーパーソンたちの証言をつなぎ合わせ、すさまじい熱量で、その熱の中に多くの人を巻き込みながら駆け抜けてきた電気グルーヴの怒涛の25年を見事に115分に濃縮し、ドライヴ感あふれる素晴らしいドキュメンタリー作品へと昇華させている。
中でも電気グルーヴが2014年にグリーン・ステージでおこなったライヴ映像は、本作中で何度もシンボリックに使用されており、強烈な印象を残す。この電子瓦版のトークセッションの記念すべき第1回を飾ってくれた石野卓球氏が、そのインタビューにて「自分たちのツアーとかを別にすれば、ここ数年でいちばん良かったかも。そして日高さんに褒められたのがいちばん嬉しかった」と語っていた2014年のグリーン・ステージでの会心のライヴ。まさにそのシーン(日高氏がライヴ終了後の楽屋でふたりを労うシーン)が映っていたのには思わずニヤリとしてしまったが、グリーン・ステージで大観衆を狂喜乱舞させるふたりの姿があまりにもかっこよくて、神々しくて、気が付いたら涙が頬を濡らしていた。
もちろん1997年のホワイト・ステージ、2006年のグリーン・ステージなど、<フジロック>と電気グルーヴの歴史において欠かすことのできない貴重映像もしっかりとフィーチャーされている。<フジロック>好きにはそのあたりも見逃せないシーンとなるはず。それこそ大根監督もこの電子瓦版のトークセッションに出演していただいていたフジロック・フリークのひとり。<フジロック>の魅力(とくにグリーン・ステージのあの神がかった、巨大なうねりのような興奮!)を見事なまでに伝えている。
“電気グルーヴはなぜグリーン・ステージに立ち続けることができるのか?”
これは本作の資料に書かれているキャッチのひとつだ。その答えはたしかに本作の中にある。ぜひあなた自身の目で確かめに行ってほしい。もちろん映画館でね。
『DENKI GROOVE THE MOVIE?』SPOT
text by Naohiro Kato
DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜
2015年12月26日(土)全国2週間限定年越しロードショー
監督:大根仁
キャスト:電気グルーヴ(石野卓球、ピエール瀧)
天久聖一、Andi Absolon(元ヨーロッパ ブッキング エージェント)、ANI(スチャダラパー)、Bose(スチャダラパー)、CMJK、DJ TASAKA、日高正博((株)スマッシュ 代表取締役)、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、道下善之((株)ソニー・ミュージックアーティスツ)、中山道彦((株)ソニー・ミュージックアーティスツ 代表取締役)、小山田圭吾、SHINCO(スチャダラパー)、砂原良徳、山口一郎(サカナクション)、山根克巳(LIQUIDROOM)、山崎洋一郎(rockin’on JAPAN総編集長)、WESTBAM(A to Z)
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
© 2015 DENKI GROOVE THE MOVIE? PROJECT
『SMASH go round 20th Anniversary』 FUJI ROCK FESTIVAL’16
2016.07.22(金)、23(土)、24(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場