今年<フジロック>初参加となるオフィシャルサポーターのシトロエンと富士祭電子瓦版が共にお届けする特別企画。毎年、新潟県・苗場で開催される<フジロック>では、クルマで会場にむかう参加者も多く、会場までの道中もこのフェスの楽しみの一つです。そこで今回は「クルマ×音楽」をテーマにインタビューを実施。今回で3度目の<フジロック>出演となる奇妙礼太郎さんをゲストにお招きしました。
実は大のクルマ好きの奇妙さんには、シトロエンの“初”にちなみ、初めて運転したクルマや、ミュージシャンとして今に至るきっかけ。さらには2012年に『奇妙礼太郎トラベルスイング楽団』で<フジロック>の初舞台を踏んだ思い出をたずねました。オススメのドライブミュージックエピソードも飛び出します。『NEW シトロエン C3』と奇妙さんによるフォトセッションもお見逃しなく。
Interview:奇妙礼太郎
「街でC3を運転している女性を見かけると、なんかうれしい」
――今日はご自身のミニで来られると聞いて、勝手に現行モデルと思ったのですが、オールドのほうでしたね。
これは1991年型です。昨年末に購入して、今年から乗っています。小さいサイズ好きで、古い自動車も好きなんですけど、仕事でも使うのでトラブルがあったら困ると思い避けてきたんですが、やっぱり好きなものに乗ればいいと思って。それでイギリスの小型車を選びました。
――なぜ小さくて古いクルマが好きなのですか?
中学生くらいに自動車を好きになって、自動車評論家の徳大寺有恒さんのファンになって、当時出ていた月刊誌を毎月楽しみに読んでいました。著書もたくさん出されていて、小型車にまつわる素敵な話をたくさん教えてくれたからだと思います。そこで知ったことが今も大好きです。
――免許を取って最初に乗ったクルマは?
実家の軽トラックです。奈良から大阪までよくひとりで運転していました。楽しくて、どこにでも行ったなあ。
次に乗ったのは軽のスポーツカータイプ。持て余さない感じがいいというか。
――軽自動車以降、ずっとクルマに乗り続けてきましたか?
いえ。地元の大阪で過ごした30代までは、ほぼ乗っていなかったですね。再びクルマを持ったのは、生活拠点を東京に移した2013年からです。
――東京でクルマ? 公共交通機関が発達しているので、むしろ不要に感じるのでは?
そうかも知れないですね。あまり実利的なことは頭になくて、ツアーが終わった頃に預金残高を見たら、「あれ? クルマ買えるなあ」と思って。銀行でおろした300万円、ウエストポーチに入れて、ドイツの有名なスポーツカーを買いに行きました。
――思い出に残るドライブは?
宮城でライブがあるとき、そのスポーツカーで向かって仙台のサーキットを走りました。一度やってみたくて。でも何の訓練もしたことないからただ普通に走るだけでした。そもそも自分は安全運転が好きで、信号で同乗者の誰ひとり止まったことに気づかないように穏やかにブレーキングする、とかが好きなんです。サーキット来るなよって感じですよね(笑)。
いまのミニは、名古屋の店で受け取って大阪まで乗って行って、友だちに「こんなん買ったよー」って見てもらって一泊して。翌日、京都の事務所でマネージャー氏を乗せて東京まで、という感じでした。
――初ドライブが長距離だったんですね。しんどくなかったですか?
マネージャー氏がスマホで見ていたドラマについてあれこれ話しているうちに東京に着いたという感じで、楽しかったですよ。ただハンドルのキックバックというか震動で腕全体がジ〜ンと痺れたりして、初めての経験でしたね。
――フジロック初参加のシトロエンにはどんなイメージをお持ちですか?
シトロエンと聞いて最初に浮かぶのは2CV(注:1948年発表の小型車)です。一昨年にドライブさせてもらう機会があったんですが、実用的で運転自体が楽しい。機械を動かしている感覚が好きです。もうひとつ、最近渋谷の駐車場でSM(注:1970年~1975年に発売された2ドアクーペ)を発見したときは大興奮しました。フランスの贅沢な自動車です。
――今日のシトロエンは最新のC3です。ある記事によると、「彼女に乗ってほしいクルマ」と奇妙さん自身が語っていましたが、その感想は今も変わりませんか?
そうですね。街で運転している女性を見かけると、なんかうれしくて。スポーツカーのハンドルを60代の女性が握っていたりするのを見ても、『わあ素敵……』と同じような気持ちになります。C3はコントロールしやすいサイズ感で、デザインも素敵。実用性も高いですよね。シートの座り心地はいいし、リヤの荷室も広いからギターケースを横向きで積めそうだし。フランスの小型車には夢があります。
本当のことを言えば運転中に口ずさむのは……
――オススメのドライブミュージックは?
『吾妻光良 & The Swinging Boppers』。これは出かけるときの行きに最適。それと『Joanna & 王若琳』。こちらは帰り道や一人のときが合いそうです。あとは友だちのアルバムをよく聴きます。『グラサンズ』。すごくいいです。
――運転中や、あるいはそれ以外でも音楽はよく聴かれますか??
タイプが分かれると思います。ずっと聴く人と、あまり聴かない人と。僕は後者で、流行りの音楽もマネージャー氏に教えてもらったりするのが大事な時間です。音楽好きな友だちにオススメを教えてもらうのも。それを聴かせてもらって、すごいなあ、素敵だなって。
――ちょっと意外です。プロともなれば音楽漬けになるものと思っていましたから。
……音楽のことあんまりわからないんですよ。わかる範囲で、ちょうどいいと感じるところはどこだろうと探りながら進めている感じで。音楽が仕事になってるのも幸運というか、そういう感じです。
僕が中学生くらいのとき、カラオケボックスというものが出来始めて、当時は人前で歌を歌う行為はもっと特別だった気がするんですけど、友だちと一回行ってみようってなって。それで歌ってみたら褒めてくれて。そこからという感じです。
――積極的に「音楽やりたい!」という意識はあまりなかった?
ライブハウスやフェスも、自分が出演するようになるまで行ったことがありませんでした。
――そんな奇妙さんにあえてたずねますが、<フジロック>にクルマで向かう人が車中で聴くべきアーティストまたはアルバムとは?
今年の<フジロック>は僕もクルマで行きます。もうみんな知ってはるとは思いますが『ザ・クロマニヨンズ』のライブ盤、聴いてください。大好きです。めちゃめちゃな気持ちにさせてくれます。
そこで会えた人たちと楽しい時間を過ごせるライブに
――今回で3度目の出演になる<フジロック>ですが、ステージに立つ前にはどんなフェスだと思っていましたか?
関西ローカルの音楽シーンにいた自分からは、とても遠い存在に感じていました。呼ばれないなら好きにならないほうがいい、みたいなコンプレックスがあったかも知れません。心の中ではもちろん出演したいと思っていましたが。仲間内から<フジロック>に出る人がいて、帰ってくると天竺にでも行ってきた人のように思っていました。
――そして2012年、『奇妙礼太郎トラベルスイング楽団』として<フジロック>初出演を果たします。ステージは苗場食堂とフィールドオブヘブンでした。
5千人くらいの人を前にするライブが始めてで、ステージの前のほうの人だけ顔が見えて、後ろの人たちは群衆という感じで。
――緊張されたとか?
お客さんて多ければ多いほど緊張しなくなるので、笑ってしまうというか。こんなん笑うしかない状況というか。めちゃくちゃおもしろかったです。みんなで苗場に移り住んで、こんな時間が毎日続けば楽しいだろうと思いました。<フジロック>毎日やればいいのにって。
――ちなみに、<フジロック>では他のアーティストのステージもご覧になりますか?
観たいですね。『ザ・クロマニヨンズ』。今年は自分が出演する22日に現地入りするので……、21日のステージが見られない!? 『忌野清志郎 Rock’n’Roll FOREVER』 は22日だから、これはぜひ。
――その<フジロック>最終日に行われる奇妙さん3度目のステージは、初回と同じ苗場食堂です。意気込みは?
意気込みと聞かれて、みんなはなんて答えますかね? 意気込むってどういうことだろう?
――そのお答えで十分です。
ライブ自体どれもそうですけれど、そこで会えた人たちと楽しい時間を過ごしたいと思いながらやっています。それぞれの人がそれぞれの気持ちになってほしいというか。
――どのようなステージ構成になりそうですか?
今回は弾き語りです。10月いっぱいまで全国を回っている弾き語りツアーを凝縮させた感じになると思います。
――そのツアーは、6月9日に発売されたミニアルバム『ハミングバード』のリリースを受けてのものですよね。ご自身のアルバムは必聴ドライブミュージックに挙げなくてよいですか?
いやもう、ピッタリです(笑)。行きにも帰りにも合う歌、詰め込んであります。聴いてください。
text&interview by 田村十七男
photo by 横山マサト
Citroënがフジロックに初登場!音楽をゆったり楽しむラウンジブースも
今年<フジロック>初参加となるシトロエンのここだけ情報をお届け!今年新設されるゲートすぐ横の飲食エリア「イエロー・クリフ」に、シトロエンブースが登場。アンケートに記入いただいた方に、シトロエン×<フジロック>のオリジナルTシャツがもらえるキャンペーンも実施されます!また、会場奥のオレンジカフェにて、ラウンジDJによる音楽が楽しめる「Citroën Comfort Lounge」をプロデュース。みなさんもぜひ遊びに来てくださいね。
INFORMATION
FRF’21 Citroën
アンケートに答えてもらえる、シトロエン×<フジロック>オリジナルTシャツが登場!詳しくは会場イエロークリフ内シトロエンブースにご来場ください。