毎回様々なゲストに<フジロック>の魅力/思い出/体験談について語ってもらう「TALKING ABOUT FUJIROCK」。今回は開催初日となる7月28日(金)への出演が決まった破壊(Vo/阿部サダヲ)、暴動(G/宮藤官九郎)、バイト君(大道具/村杉蝉之介)、小園(B/小園竜一)、石鹸(Dr/三宅弘城)、遅刻(G/富澤タク)、港カヲル(46歳/皆川猿時)による7人組バンド、グループ魂の登場です。以前から暴動さんが「グループ魂で呼ばれるまでは、行きたいけど行かない!」と発言していた通り、<フジ>に並々ならぬ想いを寄せていた彼ら。念願となった今年の出演について、ライブ内コントを盛り込んだエンターテインメント性抜群のライブについて、そして交流のあった忌野清志郎さんとの思い出について、ユーモアたっぷりに語ってもらいました!

INTERVIEW:グループ魂

1-1 グループ魂、念願のフジロック初出演決定!メンバー全員にインタビュー!!L→R:石鹸(Dr/三宅弘城)、遅刻(G/富澤タク)、バイト君(大道具/村杉蝉之介)、港カヲル(46歳/皆川猿時)、破壊(Vo/阿部サダヲ)、小園(B/小園竜一)、暴動(G/宮藤官九郎)、

――<フジロック>への出演、おめでとうございます! みなさんは以前から「<フジロック>に出たい」と言われていましたが、今回ようやく出演されることになりました。

暴動 10年前だったら飛び上がって喜んだんでしょうけど、最近は完全に諦めていたので、普通にビックリしました(笑)。

破壊 僕もやっと出られるんだなぁという感覚です。よく俳優さんの中にも<フジロック>に行った方がいて、「気持ちいい」ってみんな言っていたんですよね。今回出演が決まったとき、「すごいじゃん」ってLINEが来たりもしました。

――みなさんそれぞれ、<フジロック>にはどんな思い入れがあったのですか?

石鹸 それは暴動さんが一番あったんじゃないですか?

暴動 いやいや、(石鹸&遅刻に)やっぱりあなた方でしょう。

港カヲル どうなのよ?洋楽が好きな男たちは(笑)。

遅刻 僕は何度か<フジロック>に行ってます。観たい人が来る時は仕事を休んででも参加するという感じで(笑)。オアシスやベック、プライマル・スクリーム、あとストーン・ローゼスのライブは印象深いですね。海外の濃いアーティストが、あの山間にあれだけ集う感じはいつもワクワクします。

―― 一方で暴動さんは「グループ魂として出るまでは行きたいけど行かない!」と宣言されていました(笑)。

暴動 そうですね、一生行けないと思ってた(笑)。今年やっと行けることになりました。

港カヲル あれは(「俺たちを出せ!」という)脅迫だったんでしょ?

暴動 まぁ、半分そうですね……。

全員 ははははは!

暴動 <フジロック>に行ってきた人に「よかったよ」自慢をされるのがすごく悔しかったんです。どんなに好きなアーティストが出ても、俺は「呼ばれるまでは行かない!」と(笑)。その結果、「一生行けないのかなぁ」とも思っていたので、出演が決まって本当によかった。来年からは客で行きます。

2-1 グループ魂、念願のフジロック初出演決定!メンバー全員にインタビュー!!

――みなさんは<フジロック>にどんなイメージを持っていましたか?

暴動 第一回開催のとき、嵐で2日目が中止になった話を聞いて、「大変なことになったんだな」と思ったのを覚えていますね。あのときはレッチリが出たんですよね?

小園 ヴォーカルの腕が折れていたんでしたっけ?

――おっしゃる通りです。レッド・ホット・チリ・ペッパーズは去年の20周年の際にもヘッドライナーを務めました。

暴動 ああ、第一回って97年だったのかぁ。あとは、ルースターズが復活するときにも、すごく行きたかったんですよ。そのときは映像で観て「かっこいいなぁ」と思いました。

港カヲル 色んな方から「<フジロック>はすごい」という話は聞いていましたよ。

遅刻 海外のアーティストも、「<フジロック>に出たい」とよく言っていますよね。

小園 日本のロックフェスの草分け的存在で。

港カヲル じゃあ「筆下ろしフェス」だ(笑)。海外のアーティストが出演するフェスは、<フジロック>が初めてだったんですか?

――その前にもあったことはあったんですが、大規模な野外ロックフェスが日本に根付くきっかけになったのは<フジロック>が最初だと思います。

石鹸 だから、<フジロック>って「ちゃんとしてる」っていうか……。

暴動 「ちゃんとしてる」って、もうすぐ50になる人の言うことじゃないよ(笑)。

石鹸 (笑)。僕らもバンドとしてちゃんとしてるつもりだったんですけど、そういう風には見られていないのかな、だから呼んでいただけないのかな、と思っていたんですよ。

暴動 そういうことか。(「<フジロック>に出たい!」と発言して)どんなに根回しをしても全然呼んでもらえなかったので、俺も「もう絶対呼んでくれないんだ」と思ってました(笑)。だから今回、逆に拍子抜けしたという感じで。あっ。思い出したんだけど、15年くらい前に村杉さん(バイト君)は「フジロック先輩」という役をやったよね?芝居で。<フジロック>が大好きな音楽ライターのフジロック先輩で、俺が弟のエゾロック。ダメなライターの役だったんですよ。

バイト君 ああー! アーティストと間違えて、ストリップ嬢にインタビューしに行くという役で(笑)。

暴動 <フジロック>のTシャツを着てね。そういうことをやってたから、バチが当たってこれまで出れなかったんじゃないの? そう考えると思い当たるフシがたくさんある……。

――(笑)。グループ魂さんはライブに定評のある方々で、様々なフェスに出演されていますし、秩父で<グループ魂の秩父ぱつんぱつんフェスティバル>を開催したこともありました。「フェス」の魅力というと、みなさんはどんなことを感じますか?

破壊 ああ、フェスもやりましたね。でも、どうなんでしょう? 僕らはあの一回きりで、二度とやっていないですから……(笑)。

暴動 (笑)。やっぱり、「軽々しく行って帰ってこれない」ということが重要なんだと思います。我々が秩父で開催したのもそうで、行くなら帰るのは半分諦めるというか(笑)。都内で開催しても、すぐに帰ってこられますからね。

――みなさんにとってフェスは「非日常」の空間であることが大事なんですね。

小園 お祭りですもんねえ。

港カヲル フェスはお客さんが優しいイメージがありますよね。僕らの曲を知らない人も、歌うフリをして知っているかのようにふるまってくれる。そういう優しさに包まれたお祭りです(笑)。

暴動 今回は特に、これまで接点のなかった人たちが観てくれることになるかもしれないですね。せっかくの機会なので、僕らは全力でふざけ倒そうと思います。今年は<フジロック>までにたくさんライブが決まっているので、全部<フジ>の練習だと思ってやりますよ。

港カヲル ダメだよ~、そんなの(笑)。

暴動 どのライブでも「<フジ>の練習です」という顔で出て行きますから(笑)。