常田「King Gnuとしてのスタート地点というか。音楽性も含めて、自分たちはこうだっていうのをはじめて世界に発信した日」
――Srv. Vinci(サーバ・ヴィンチ)からKing Gnuに名を改めて活動をスタートさせたのが2017年の4月で、たった数か月でルーキー・ア・ゴーゴーへ出演を果たし、そこから怒涛のライブ・スケジュールをこなしながら、ファースト・アルバム『Tokyo Rendez-Vous』(2017年10月)を発表し、2度のワンマンを成功させ……と超ざっくり書いても、階段を2段や3段どころではない勢いで飛ばしながら成長してきたここ1年ほど。その濃厚すぎる1年を過ごしてきて、バンドとして成長したな、変わったなと感じることはありますか?
常田 お客さんとの距離感。前はこちらが一方的に発信するという感じで、乱暴に言うと突き放すような感じがあったような気がするけど、その場が盛り上がったり、楽しんでもらうってことの楽しさがわかってきたというか。その辺は前と大きく変わってきたなと感じます。
――お客さんや音楽との向き合い方という意味では、それはとても大きな変化ですよね。何かきっかけがあったんですか?
井口 明確なきっかけはないけれど、ライブを重ねていくうちに、少し小慣れてきて、余裕ができたのかもしれないです。
常田 楽しめるようになってきたし、楽しませようという気持ちが強くなった。認知度が上がってきたというのもあるかもしれない。曲を演奏した時の反応が前と全然違うというか。
――お客さんのリアクションというか熱気がバンドを進化させているとも言えるかもしれないですね。
新井 そういう部分はありますね。拍手をもらうことをより意識するようになりました。前はそういうこと、あまり考えていなかったですから。
――なるほど。いまバンドの変化について聞きましたが、その怒涛の1年の中でバンドにとっていちばん大きな出来事ってなんでしたか?
常田 2017年の4月26日にSrv. VinciからKing Gnuと名前を改めて、その日に新曲をアップしたんですけど、やっぱりその日がいちばん印象に残っています。King Gnuとしてのスタート地点というか。音楽性も含めて、自分たちはこうだっていうのをはじめて世界に発信した日なので。
井口 あの日のことはめちゃめちゃ覚えてる。
常田 いろんな人にその日発表した新曲をめっちゃ送ったよね。ジャスティン・ビーバーとかに(笑)。
――ピコ太郎か、とベタな突っ込みを入れておきますね。
常田 それまでいろいろと計画して、満を持してその日を迎えたので、印象深いです。
――その日は皆さんで集まって、「せーの!」で曲をアップしたんですか?
井口 いや、わりとバラバラでした。でもアップするまではずっとソワソワしていました。誰に送ったら広がるかなーとか考えて。
――ジャスティン・ビーバーに(笑)
井口 はい。
常田 ある意味、そのスタートからはずっとその延長戦できた感じなんですけれど、6月の末に新しいPVと曲を公開するので、それがKing Gnuにとっての新章というか、新しいシーズンの幕開けという感じですね。
――その新曲を発表して、そしてワンマンがあり、<フジロック>があり、という感じで新章がはじまっていく感じですね。
常田 そうですね。
――そんなバンドにとっても非常に重要な節目となりそうな<フジロック>とワンマンを控え、その前哨戦的な位置づけと言えそうなのが、6月23日に渋谷CLUB QUATTROで開催される<SHIBUYA CLUB QUATTRO 30th ANNIVERSARY “QUATTRO STANDARDS” FUJI ROCK FESTIVAL ’18 PRE-FESTIVAL PARTY supported by JT>です。<フジロック>のプレ・パーティ的なイベントでもあるので、<フジロック>が待ちきれない人たちが集まるでしょうし、すごい熱気になりそうです。
常田 僕ら自身もとても楽しみです。久しぶりの深夜のライブというのも嬉しいです。昔は夜中にもライブをよくやっていたんですけど、最近はほとんどなかったので。その点でもテンションが高まっています。あと、ラインナップも初めての方ばかりなので、楽しみにしています。
――クラブ・ミュージック寄りのイベントに出るときは、それに合わせて演奏やセットも変わったりするんですか?
常田 そうですね。お客さんに喜んでもらってなんぼなので、お客さんやイベントを意識した工夫はしたいと思っています。もともとクラブ・ミュージックも大好きだし、そういう空間で演奏するのも好きなので。
――そんな6月23日に遊びに来てくれるお客さんにメッセージをお願いします。ひとりひとりでもいいですし、代表者に言っていただいてもよいです。
常田 井口?
井口 そうだな、深夜なので……、(長い沈黙の後)……襲っちゃうぞ。
一同 ……(場が変な空気に)。
――では、「襲っちゃうぞ」で、皆さんの総意ということでよろしいでしょうか?
井口 一応、音で襲っちゃうという意味です。
勢喜 夜ですけど、安全に楽しみましょう!!
――勢喜さんのナイスフォローが入ったところで、最後に<フジロック>への意気込みをガツンとお願いします!
常田 そうですね、日曜日の早めの時間なので、爽やかに。苗場の朝はとても気持ちいいらしいので、朝活しにきて欲しいです。楽しみにしていてください。
――たしかに朝活ですね(笑) 今日はありがとうございました。
text&interview 加藤直宏
photo by Nozomu Toyoshima
EVENT INFORMATION
FUJI ROCK FESTIVAL’18 PRE-FESTIVAL PARTY タイムテーブル発表!
OPEN/START 23:00 CLOSE 04:30
ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500 (税込/スタンディング/ドリンク別/整理番号付)
DJ:TAKKYU ISHINO、SUGIURUMN/LIVE:Ovall、King Gnu