「KORNがインタビューで「日本のスーツ来たバンドかっこ良かったな」って話してて、こういうのがフェスの醍醐味なんですよ。」
――そして遂に、今年は<フジロック>でもライブが観られるわけですが、今年の<フジロック>のラインナップで、マキシマムザ亮君さんが観たいアーティストがいれば教えてください。
僕らが出る2日目で言うと、スクリレックス(Skrillex)やケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)は観たいですね。あとはフィッシュボーン(FISHBONE)も観たい。
――フィッシュボーンはトゥールとも繋がりがありますよね。
あ、ユニコーンも出るじゃないですか!先輩のBRAHMAN(ブラフマン)もいる。知ってる日本人いると安心します(笑)。客の雰囲気や盛り上がりのグッドバイブスみたいなものでバンド側の士気が高まったりってあると思うんですけど、僕ら的にはステージ脇の雰囲気もすごく大事なんですよ。仲良しな友達バンド以外に、その日出演してたアーティストがステージ横から何の気まぐれかホルモンのライブを見てくれてたりすると燃えますね。「うお!ももクロ見てくれてんじゃん!!」とか。メキシコの<KNOTFEST MEXICO>でもステージ袖でSlipknot(スリップノット)のメンバーが観てくれてて、あえてヘヴィー系な曲じゃなく「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」ってPOPなパンク系の曲を演奏したんですけど、「こんなバカな曲をスリップノットに喰らわしてやった!」って、あの瞬間が一番ゾクッときました(笑)。98年の<フジロック>でもKORN(コーン)が出演していたんですけど、インタビューで「他の出演したバンドのステージは誰か見ましたか?」の質問に「日本のスーツ来たバンドかっこ良かったな」ってTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェルガンエレファント)の事話してて、両バンド好きな僕はすごく興奮しましたね。こういうのがフェスの醍醐味なんですよ。たいていのミュージシャンは自分のライブが終わると裏で打ち上げ始めて人のステージなんか見やしないし、それに大御所のミュージシャンほど出番が終わるとすぐ帰っちゃう。おまえら音楽好きじゃねーのかよ!といつも思いますね。まあ、袖で見るのが禁止されているフェスもあるんですけどね。何年か前の<サマソニ>でSuicidal Tendencies(スーサイダル・テンデンシーズ)のライブを袖で酒飲みながらノリノリで見てたら、ステージクルーから「もっと下がれ」ってボク怒られたことありますね(笑)。
――フェスの時、アーティストのステージ脇では、もしかしたらマキシマムザ亮君がテンションを上げて観ているかもしれない、ということですね(笑)。今決まっている人以外も含めると、「こんなアーティストを観てみたい」という人たちはいますか?
去年<フジロック>に出ていたデス・グリップス(Death Grips)は観てみたいですね。もちろん、あとは01年に観られなかったシステム・オブ・ア・ダウンやトゥールもみたい。あ、質問に関係ないんですけど、今突然思い出した<フジロック>の思い出を話してもいいですか?初回の97年はトリがレッチリで、その前がイエモン(ザ・イエロー・モンキー)だったんですよね。さっきまでレイジで暴れていたモッシュ組の男達がどばーっと後ろに下がって、イエモンファンの女子達と客席総入れ替え状態になったんですよね。僕はグラム・ロックとか好きだったんでイエモンももちろん好きでライブ見たくて、わりと前列の方に残って観ていたんです。そうしたらイエモンのファンの女子軍団のパワーが、またモッシュ男達とは違うエネルギーで凄いんですよ。ぴょんぴょんと細かくジャンプしはじめるんですよね。そのとき、ボク本当に悪意はなかったんですけど、男って疲れがピークになると「疲れ勃ち」といって、ちんちんが勝手に元気になっちゃう現象あるんですけど、ボクその現象が起こってしまいましてね。ぎゅうぎゅうの客席の中で女子が目の前でぴょんぴょん跳ねるもんだから、元気になった僕のちんちんがその女子のおしりに接触してしまったら色々大変じゃないですか。だから、もう必死に股間の前に手を組んで当たらないように気をつけたんですけど、女子達のとめどないぴょんぴょんジャンプの振動が嫌が応にも自分の手に伝わってきて、この瞬間が一番<フジロック>の生き地獄を味わいました(笑)。あ、特に締めの言葉とか、当日のライブの意気込みとか、これを見てくれた人に最後に一言とかないので、今のぴょんぴょんジャンプと疲れ勃ちの話で終わらせていただきます(笑)。
text&interview Jin Sugiyama
photo by 横山マサト