高橋盾(UNDERCOVER)×松田龍平、フジロック対談!過酷な初フジやフェスファッションなどを語る

今回のTALKING ABOUT FUJI ROCKに登場するのは、日本を代表するファッションブランド、UNDERCOVER代表・デザイナーの高橋盾さんと、最新主演作『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』『舟を編む』『あまちゃん』など、日本の映画・ドラマ界に欠かせない俳優、松田龍平さん。

世代も<フジロック>のキャリアも違う二人だが、それぞれの主戦場であるファッションと映画は、音楽と隣り合わせにある表現だ。それは<フジロック>が野外音楽フェスでありながらも、様々な衣・食・住の要素と出会えるカルチャーであることと、どこか似ている。そんな<フジロック>とも親和性がある別々のカルチャーを代表するカリスマ二人からは、どんな<フジロック>の魅力が語られるのだろうか。それでは、TALKING ABOUT FUJI ROCK初となるゲスト二人による対談をお届けしよう。

Interview:高橋盾(UNDERCOVER)×松田龍平

<フジロック>は夢のような場所(高橋)
一年に一度しかないスペシャルなワクワク感がある(松田)

お二人とも<フジロック>に初めて行ったのはいつですか。

高橋 俺は97年の1回目ですね。車で行って、びしょ濡れになって、2日目は中止で帰ってくるっていう(笑)。
松田 俺はジュンさんに誘われて、一昨年に行ってからなんです。だから、まだ初心者ですよ。

松田さんはフェス自体、今まで無縁でしたか?

松田 友達のバンドが出ているフェスにはよく行ってました。<フジロック>は雨が降りやすくてなかなか苛酷だって話を聞いてたので、一緒に行く人がいないと厳しいなと思っていて。ジュンさんはずっとテント泊だったんですか。
高橋 いや。1回目は車に泊まろうという感じで。いつもヒステリックグラマーの北村さん(北村信彦、ヒステリックグラマー代表)とかと行ってるけど、苗場に会場が移ってからは近くの民宿を取って、雑魚寝みたいな感じでしたね。年齢が高くなると、「苗場プリンス(ホテル)があるじゃん」となって。一昨年から龍平が来てくれてからは平均年齢が下がりましたけど、その前までは4人部屋で平均年齢が40代後半でした。スペースがある部屋じゃないと、年齢的に結構きつい(笑)。
松田 一回楽なのを味わっちゃうと(笑)。
高橋 テントも一回張ったけど、斜面しか残ってなかったんだよ。その年は結構雨が降ったから中がぐちゃぐちゃになって、ずっと寝ないでウロウロしてた。
松田 でも去年、せっかくだから今度はテントを張ってそういう楽しみ方もしますか、みたいな話もしましたよね。
高橋 最初に行った97年と過ごし方が変わっていて、のんびりとした過ごし方が年齢的にもよくなってきていますね。でも、みんな歳の割にアクティブに動く人たちで、タイムテーブルを見ては目星を付けて、初日で動き切ってしまう。2日目からのんびりになるんだけど、大体奥のエリアまで行ってます。

天神山、豊洲、苗場と会場だけでなく景色も変わったことはインパクトが大きかったですか。

高橋 そうですね。2回目の豊洲も行ったんですけど、あそこは個人的にはよかったですよ。近いけど田舎の雰囲気もあったから。でも、苗場はまさにこれだ! という感じだった。音楽を聴くために、ライブを観るために行ってるんだけど、大自然の中、男だけで朝からだらだらと飲んで、夜も自然の中をブラブラするっていうのがあの場所ならではじゃないですか。
松田 音楽、自然、酒、全てが揃ってるっていう。

松田さんは高橋さんに誘われて初めて苗場に行ったときに、<フジロック>はハードなフェスだという印象はありませんでしたか。

松田 東京からの距離は意外と気にならなかったですね。帰りの方が辛かったです。“行きはよいよい、帰りは怖い”じゃないですけど。
高橋 最初のとき、龍平は後から来たんだよね。
松田 そうだ、俺一人で行ってましたね。苗場に行くまでがドラマチックで、すでに雨と雷がすごかったんですよ。台風の目に入った、雷の中心地に向かっているような気持ちでした。そういう意味では、苗場に近づくにつれてテンションは上がりました。会場に着いてからも、ディズニーランド的にちょっとずつ音楽が聴こえてきて近づいていく感じも楽しいですし。ただ、キャンプをしに行くのとは違って“音楽を聴く、ライブを観る”という目的があるから、一年に一度しかないスペシャルなワクワク感がありますよね。
高橋 逆に東京からのあの距離感はいいですよね。朝、みんなの家を周って車一台で行くんですけど、そこからが楽しみというか。会場が近場だと、ちょっと面白味が欠けるよね。
松田 自分の生活から離れる面白さ。旅行とかもそうじゃないですか。非現実的な場所にいくみたいな。
高橋 苗場には音楽が好きな人たちしかいないじゃないですか。そんな人たちが大人数集まる場所なんてクラブやライブハウス以外にないと思う。目的が同じというか、小さい頃にロックが好きっていうと少数派じゃないですか。いろんな人がいる中で、俺はロックが好きって言うと、ちょっと変人扱いされるっていうか。でも、そういう人たちだけっていう<フジロック>は夢のような場所。しかも自然の中だから最高ですよね。

東京でずっと仕事をしてきたから、すごくリフレッシュになる(高橋)
すごい人数で森の中に入っていく感じはエキゾチックで幻想的(松田)

どのステージが気に入っていますか。

高橋 俺は今まで見ている中ではホワイト・ステージとレッド・マーキーとオレンジ・コート。レッド・マーキーとホワイト・ステージに行く機会が多いですね。今まで観たライブの中でも、よかったものが多かったので。
松田 俺はレッド・マーキーが一番行ってるとこかな。でも、まだ初心者なので、わからないエリアだらけですよ。

音楽以外の楽しみもいろいろと散らばっているフェスだから。カオスな感じも魅力の一つだと思います。

松田 そうですよね。ステージに行くまでも、いろんなオブジェがあって、「ここ、どこだ?」みたいな感覚になる。森の中だけど、小さい豆電球が幾つもあったりして、すごい人数で森の中に入っていく感じはエキゾチックで幻想的じゃないですか。
高橋 あれいいよね。大人が河原で休んだりしている風景を見ても、一年の一大イベントなんだなって思う。
松田 そういう意味では、子どもを連れて来ている人はすごくタフだなって思います。普通にテント泊しているじゃないですか。
高橋 俺の友達とかも子どもを連れてきているけど大変そうですよね。一緒に体験したっていうことが思い出として残るのもすごくいいことだけど、子どもからしたらどう感じているんだろうなって思う部分はある。
松田 俺はそういう雨で大変とか寒いとか過酷な状況は、大人になったときに確実にいい思い出になるんじゃないかなと思うんですよ。可愛い子にはどんどん旅をさせた方がいいというか。もちろん3歳未満の子どもだと、ちょっと待ってとなるけど。
高橋 たしかにね。一度、家族で行ってみたいなと思いますけどね。ウチは奥さんと来るときもあるので、子どもが一緒だと夫婦ともにお目当てのステージを観れないねっていう考え方でした。やっぱり自分たちが楽しみたいっていう。自分たちの仕事は東京から離れることが少ないですからね。龍平はもちろん映画やドラマのロケがあって田舎や自然の場所に行くと思うけど、ウチらはこういう場所でずっと仕事をしてきたから、<フジロック>はすごくリフレッシュになる。俺たちは別に大丈夫だけど、龍平は顔が一般の人たちに割れているから大変だよね。

やっぱり声を掛けられますか?

松田 一昨年はちょうど『あまちゃん』のタイミングだったから、そこら中でいろんな人に「じぇじぇ」って言われましたね(笑)。

一同(爆笑)

松田 だから、俺も「じぇじぇ」って返して。そう言っていれば、どうにかなると思ってました(笑)。俺、会場で大根仁さんにやたらと遭遇するんですよ。別に連絡取り合ってないのにバッタリと会って、俺は2回しか行ってないのに2回とも遭遇するっていう。
高橋 あんな広いところなのに、毎年絶対に会うからね。
松田 あれが結構不思議で、会うと大根さんにすごく嫌な顔をされる(笑)。

あはは! 実は大根さんにもインタビューに登場していただいていて。記事によると、<フジロック>を知らない女の子を連れて行って、エスコートするのが楽しみだと言ってました。

高橋 それは楽しいだろうな(笑)。

温泉に入ることも含めて、自分たちの<フジロック>になっている(高橋)
自然と音楽が一瞬で重なる感動は演出しようがない(松田)

印象に残っているライブは何が挙げられますか?

高橋 俺は、1回目のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはすごいインパクトでしたね。あとは、2004年のホワイト・ステージでのゆらゆら帝国のライブが信じられないくらいにずば抜けて良くて、後でマネージャーさんに話したら、本人たちもそのライブは特別だったと言っていたらしく、やっぱりそうだったんだって。いろんなミュージシャンと会場で話をしても、やっぱり自分たちが感動したライブは、本人たちもそうだったっていうことが多いですね。
松田 俺は、サヴェージズのステージですね。すごい雨が降ってびしょ濡れになりながら待っているのに、テンションが上がってきたんですよ。それでライブ中に晴れてきて、光が差して、「なんだこれ?」みたいなすごい感覚に陥った。自然と音楽が一瞬で重なる感動があって、これが<フジロック>の醍醐味なんだなと思いました。
高橋 そういう感動があるよね。一昨年のナイン・インチ・ネイルズもすごかった。俺、あのステージを観ていて、雷と嵐がステージングと合っていて感動しちゃったもん。と思えば、井上陽水さんのときはトンボが飛んでいるっていう(笑)。どちらも偶然だけど、ステージと環境と音楽が合ってしまうという。
松田 あれは演出しようがないですからね。本当にすごい場所に立ち会ってしまったみたいな、感動が起きるかもしれないという楽しみがありますよ。でも、僕が行ったときはジュンさんとか友達と一緒に行くから、だいたい人任せ。だから、次はもう少し自分なりにチェックして、観たいライブを観ないともったいないなって。
高橋 そうだね。俺も一人で観に行っちゃうこともある。やっぱりそれぞれ趣味が違うじゃないですか。僕はエレクトリックっぽい音楽も好きだから、「ちょっと行ってきます」って別行動したり。一人で観るのも自由で楽しいよ。
松田 次はそれにトライしてみようかな。
高橋 去年もそうだったけど、大体初日にくまなく動いたら、翌朝まで遊んで、近くの温泉に行くんですよ。そうすると、会場に帰ってきて動くのが夕方からになってしまう(笑)。でも、それも一つの楽しみですよね。
松田 温泉、良かったですね。その後は爆睡でした(笑)。
高橋 みんなで温泉に入るのは最高ですよ。昼くらいに温泉に入って、近くの町でご飯を食べて、くだらない話をする。行きがけや帰りに行くのもいいですし。そういったことも含めて自分たちの<フジロック>になっていますね。そういう楽しみ方は余裕がある。10年くらい前までは片っ端からライブを観ていたけど、極端な話、観たいライブが一つもなくても<フジロック>には行きますね。そこでまた新しい発見がありますから。たとえば、女王蜂はルーキー・ア・ゴー・ゴーの辺りをたまたま歩いていたら聞こえてきて、「何だろう?」と思って観たらものすごく盛り上がってた。苗場食堂のライブも楽しみですね。

普段の格好にプラスするくらいがちょうどいい(高橋)
経験を積むことによってベテラン化して、フジロックマスターになっていく(松田)

フェスファッションという切り口では、<フジロック>期間中の洋服はどんなものを着ていますか。

松田 俺は、ちょっとやっちゃったんですよ。はじめてのとき、ビーサンにパーカーで、何も知らないヤツが来ちゃったみたいな格好でしたからね(笑)。
高橋 でも、それでいいと思うんだよ。何が必要かを考えて、普段の格好にプラスするくらいがちょうどいい。俺は普段と一緒で、去年はシャツとパンツにボロボロのスニーカーっていう感じだったから。それこそ1回目のときは台風で、会場に着いてから下見に出た段階なのに、もうパンツまでびしょ濡れになっていて。着替えも1着しか持ってきてなかったから、凍えるような感じで過ごしてた。そこからいろいろと考えたけど、結局は元に戻って、下着は多めに持って行くとか、濡れない靴下を用意するぐらいかな。
松田 そっか。俺は逆かもしれないです。雨が半端なく降ると、靴が水浸しになって、さらに寒さで足の感覚が麻痺するみたいな。ビーサンで行ったときは本当に限界だったから、2日目に帰る人が靴を借してくれて、心から感謝しました。去年も上着は要らないだろうって甘く見ていました(笑)。何回も行くことによって、何が足りないのかがわかってきますよね。それからアウトドアショップで少しずつ足していく。僕はホテル泊だったからそんなに必要なかったけど、テント泊の人は、経験を積むことによってベテラン化して、<フジロック>マスターになっていくんだろうな。1回目は辛さもあると思うけど、何回も行くことによって楽しみ方が変わってくるというか。完全に山登りみたいな人もいれば、フェスだからなのか、ありえないコスプレみたいな恰好でテント泊する人もいますよね(笑)。
高橋 俺は普段着っぽい方がいいなぁと思う。何も考えていない感じというか。
松田 いや、それは気合になりますよ。でも、せっかくだから、実はゴアテックスだけど、見た目はお洒落みたいな工夫をすればいいのか。
高橋 ウチはそういうゴアテックスを使ったアウターを作っているからね。自分としては<フジロック>用みたいな。
松田 じゃあ、それはアンダーカバーで買ってもらいましょう(笑)。
高橋 (笑)。一緒に行く先輩たちが、行く途中に寄るコンビニで新商品の快適グッズを勧めるんですよ。首に巻いて冷却効果のあるものとかを、「ジュンくん、これ試してみなよ」って。
松田 でも、ジュンさんは付けないんです。
高橋 毎回買うのに使わないあの感じはなんだろうね。一緒に行く先輩たちが50歳以上だから、その人たちがフェスでどう過ごすのかなっていうのは興味深い。すぐに疲れて部屋に帰ると、お互いに湿布を貼り合う感じが面白くて(笑)。
松田 あの静けさがなんとも言えないですね。何が必要かを想像するのは楽しいですよ。俺、アウトドアショップが大好きなんです。お店に行くと、フックとかピッケルとか、全然意味のないものを買っちゃう。<フジロック>では使うシーンがないのに(笑)。

出演者とお客さんが特別な場所であることを無意識のうちに共有できている(高橋)
今あるものに対してちゃんと評価する。そういうところで生きていたい(松田)

今年の<フジロック>もお二人は行く予定ですか?

高橋 もちろん。行ける?
松田 仕事のスケジュール空けてもらおう(笑)。
高橋 ちょうど今日、第4弾のラインナップが発表になってましたよね。もう、ほとんど毎日チェックしているんですよ。
松田 行く気満々じゃないですか。
高橋 だって、本当の話、<フジロック>の3日間は1年で一番楽しみなんだよ。今の時期からソワソワし始めて、1ヶ月前からは自分の中でカウントダウンが始まる。龍平を<フジロック>に誘うときに、「本当に素晴らしいから」ってしつこく言っていたんですよ。
松田 そんな話を聞いたら、もう行くしかないですよね。
高橋 本当に最高。帰りは寂しくなって、<フジロック>に行きたいねっていう話をする(笑)。

<フジロック>の後遺症ってやつですね。

松田 都内に帰ってきた感がすごいですよね。
高橋 本当にそう。終っちゃったって。ウチらの業界だと、休みの日に撮影があったり、地方でショーがあったりして、行けないこともあるんです。いつも行くメンバーが一人でも行けないと落ち込みますね。だからといって、向こうで集まって何をするというわけではないけど、頭の中で<フジロック>を共有しているので、後々1年を通して話をしながら振り返りたいんですよね。で、また盛り上がって行くというか。歳を取っていくと、時間のスピードが速くなるじゃないですか。<フジロック>に関してはそれが嬉しいんです。

たしかに。体力の衰えは受け入れたくないですけど、イベントが訪れる体感速度が速まるのは嬉しいですね。

高橋 今年は今のところ、トッド・ラングレンとモーターヘッドが楽しみかな。あとは岡村靖幸さんも出るんだよね。この間はじめてライブに行ったんだけど、すごかった。去年はアーケード・ファイアがすごく良かったな。

僕も去年のベストアクトはアーケード・ファイアでした。高橋さんにとって、アンダーカバーを物語る上で音楽は欠かせない要素ですよね。たとえば、2014 SSシーズンのコレクションでは、ジーザス&メリーチェインのアルバム『サイコキャンディ』がモチーフの一つになっていました。

高橋 そうですね。ジーザス&メリーチェインとかテレビジョンとかを思いきり表に出す場合もありますけど、全く出さなくても、絶対裏には音楽が毎回必ずあるんですよ。小さい頃から音楽を聴いて、それがきっかけでパンクから反骨精神を学んだし、音楽は自分の基本というか、確実に自分の中の半分くらいを占めていますね。

松田さんはユーザーとして、いろいろなカルチャーの匂いを感じる洋服は好きですか?

松田 好きですね。ルーツを知ると、より気持ちが入るんですけど、自分から敢えて調べるということがないんです。そろそろ、そういうことも必要なのかなと思ったりもしますが……。
高橋 先輩たちと一緒にライブを観ていると、「このバンドは昔はこうだった」みたいな話をしてくれるじゃない。あれってすごく面白くない? すごい参考になるっていうか。
松田 共有することの面白さはすごくわかりますね。でも、結構ついていけないことが多くて、わからなくなるんですよ。自分の気持ちにたまたまスッと入ったこととか、無意識に調べたくなったとか、自分から何か目的のために勉強するのは仕事だけでいいなというか。俺は偶然出会うということを大事にしていて。音楽もファッションも映画も全部つながっているじゃないですか。オタクになりたくないというか。
高橋 うちらがオタクみたいじゃん(笑)。
松田 ジュンさんはオタクですよ(笑)。
高橋 いや、違うんだよ。小さい頃から音楽が好きで、知らないものを知ろうということじゃなくて、音楽が好きだから自然に聴くじゃん。その蓄積だから、それを自慢したりボキャブラリーを披露しているつもりはないんだよね。ただ単にバンドとかに対して思ってることを話しているだけだから。
松田 たしかにそうですね。ジュンさんがいいなと思うのは、固定観念にとらわれてなくて、今あるものに対してちゃんと評価する。昔すごく好きだったけど、今は良くないものはちゃんと良くないって言いますし。そういうところで俺も生きていたいなって思いますね。
高橋 <フジロック>に行くと、そういうことがすごくわかるよね。新しいバンドを観た後に次のステージに行くと、大御所が出ていたりするじゃないですか。そうやって聴き比べていると、大御所が急に新しい音を出したりすると驚かされます。逆に新しいバンドが60年代っぽい音を出していたりすると、自分たちが得た音楽を自由に分け隔てなくやっている感じを観ることができるし、<フジロック>はそれをまとめて体験できるんですよね。いろいろな音楽を好きな人の話を飲みながら聞いたりしていると、すごく面白いな。
松田 経験というか、積み重ねなんだろうな。
高橋 同じアーティストでも、<フジロック>と他の会場で観るライブが全然違うじゃないですか。その感じを比べていると、やっぱり<フジロック>は特別な場所なんです。出演する側も何か一つ大きな意思を持って苗場に来ているのが、彼らと話していてもすごく伝わってくるんですよ。出演者とお客さんが特別な場所であることを無意識のうちに共有できているのも、<フジロック>の魅力だと思いますね。

text&interview by Shota Kato
photo by 横山マサト