栗原類、じつは初年度の<フジロック>から参加していた!フェスの楽しさとロックTの魅力を語る。

各界のキーパーソンたちに<フジロック>の魅力を語り尽くしてもらうこの企画。第7回目となる今回は、日本のファッションモデルとしてファッション誌やショー、TVでも活躍する栗原類さんが登場です。音楽好きとしてメディアでも広く知られる栗原さん。幼少期から洋楽を聴く環境で育ち、実は早熟なフェス・デビューを遂げていることなど、“TALKING ABOUT FRF”ならではのエピソードが語られています。栗原さんの個性が垣間みられるファッション視点でのフジロックや音楽話にも注目です。

Interview:栗原類

小さかった僕は音楽を楽しむという思い出より、“自然と遊ぶ”という感じ
ーー今年ジョニー・マーをフジの会場で見れるのはかなり楽しみ

栗原さんといえば「<フジロック>で見かけた芸能人まとめ」で必ずお見かけするのですが。実際、はじめて行った<フジロック>は何年の時だったのでしょうか?

栗原 初めて行った<フジロック>は、文字通り“一番最初”の<フジロック>でした。

え!? “一番最初”ということは97年の天神山スキー場、あの伝説と呼ばれた1回目ということで間違いないですか…??

栗原 はい、あの大雨の一回目です。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下、レッチリ)が出演した本当に最初の<フジロック>です。

当時おいくつだったのですか?どなたかに連れられて、ということですよね??

栗原 当時が97年だから、僕は本当に子供の時ですね。2歳か3歳ぐらいだと思います。実は母親が元々音楽ライターでありまして、それで<フジロック>という場でインタビューなどもやっていました。それで連れていってもらったのが最初です。

なるほど、栗原さんぐらいの歳の人に「はじめての<フジロック>は?」と質問したら、だいたい3年前ぐらいと答える方が多いので。

栗原 そうなのですか? 僕も当時の記憶は行ったということ以外、ほとんど覚えてません。あの豪雨を味わったというぐらいで(笑)。あとは確か、レッチリの前にフー・ファイターズが出ていました。母親に連れて行ってもらって普通に一緒にライブを観ていましたから母親の友達から、あの環境で豪雨の状況にいた僕を見て「すげえな……」といった感じで関心されました。雨がどんどん酷くなってまわりの大人たちが「終わりだー」と言ってたり、マッシヴ・アタックも2日目に出る予定でしたが、初日であえなく中止に。

3歳で<フジロック>の一回目を体験しているって。栗原さんすでに<フジロック>の大ベテラン組でないですか(笑)!

栗原 この時僕もまだ本当に小さい子供だったので、自分の意志というものがまだ明白ではなかったです。どのアーティストが好きでというより、母親に連れられて毎年一緒に行くという感じです。でもこの当時で考えるとこのような凄いラインナップが日本で観られるというのは滅多になかったことだと思います。

小さい頃に体験した<フジロック>、初年度以降にも幼き栗原さんの中に特別な思い出はありますか?

栗原 小さかった僕は音楽を楽しむという思い出より、“自然と遊ぶ”という感じでした。母親がインタビューなど仕事をしている間、近くの草むらで網とカゴをもって虫取りをしてました。トンボを20匹ぐらい大量に捕まえてカゴに入れて、仕事終わりの母親に見せてビビらせてた、という覚えがありますね(笑)。

楽しい思い出ですね。では物心がつき、自分の意思で「<フジロック>に行こう」と思ったのはいつ頃ですか?

栗原 それは多分、10年ぐらい前だったと思います。本格的に自分でも行きたいと思いはじめたのは。

その頃に「音楽フェスティバル」ということを理解して行きたいと思いはじめた訳ですね?

栗原 フェスを意識というより、やっぱり昔から行ってるのでまた行きたいなという自然な気持ちでしたね。そこが<フジロック>であることは徐々に認識していったのですが、僕にとって毎年の夏の良い思い出だったのが大きいです。小さい頃から必ず行く場所、それが習慣づいて自分でも行こうと思うようになったんです。

栗原さんはテレビなどでもモデル、タレントさんの中でも洋楽好きで有名ですよね。ミューズをカラオケで歌うとか、話題になってましたね。

栗原 それはミューズではなくて多分、デヴィッド・ボウイだったと思います。

ちなみに最初に聴いたアルバム、もしくは好きになったアーティストは誰ですか?

栗原 ううー……、なんでしょう。僕の記憶は猫並みに弱いのですが……、ジャンルでいうとロック・ミュージックだったり。そう、UKロックもですね。あとはハウスミュージックが多かったと思います。

確かに、栗原さんはUKロックが好きなイメージがありますね。

栗原 それこそ(最初に聴いたなかでいうと)確か、マッシヴ・アタックはそのひとつだったと思いますね。僕が5歳ぐらいの時から、やはり母親の影響でというのが結構あります。職業上、色々聴いていたので、例えば家の中や車の移動中などで自然にかかっていました。

良い音楽環境ですね! では、栗原さんが過去の<フジロック>で印象に残っているライブ・パフォーマンスはありますか? それか成長してから行った、特別なエピソードなどあれば教えてください。

栗原 2004年のベン・クウェラーが来日した時にライブを観て。<フジロック>でのステージでも観ました。元々彼がNY出身なんですが、母親もNYに住んでいた時があって僕ら家族揃って仲良しだったのです。それで日本でライブを観てすごく印象的に残っています。

そうなんですね!

栗原 他には2004年のPJ ハーヴェイ。僕、ものすごく彼女が好きで、<フジロック>の場内で彼女と会えて、その時に僕が着ていたTシャツに彼女のサインをしてもらってさらに写真も一緒に撮らせていただきました。そのTシャツ、未だに持ってますよ。

<フジロック>の醍醐味を色々と経験していますね。Tシャツを未だに持っているというのが素敵です。

栗原 はい、確かに今振り返ると本当に貴重な機会でしたね。あとは昨年のセイント・ヴィンセントのライブ。あの時、彼女が着ていた衣装がドリス・ヴァン・ノッテン(ベルギー発の世界的に著名なファッションブランド)だったんですけど。会場はレッド・マーキーでしたが、曲もそうですが、彼女が作り出した世界観、セットそのものが素晴らしかったです。完全にこの<フジロック>の環境でないと体験できない演出と世界に惹き込まれました。あと一昨年のウィルコ・ジョンソンのグリーン・ステージ。アンコール曲が、“バイ・バイ・ ジョニー”で、彼が癌の宣告をされた年だったので、その曲の意味も含めて、僕は涙目になってしまったのを覚えてます。

今年の<フジロック>、すでにラインナップが複数決まってきています。現時点で栗原さんが注目している、「観たい!」というアーティストは誰ですか?

栗原 現時点で僕が楽しみなのは、ジョニー・マーですね。別のフェスで見た記憶があるのですが、<フジロック>ではないので。母親がすごくザ・スミスが好きで、その影響もあってジョニー・マーを<フジ>の会場で見られるのはかなり楽しみ。あとはラインナップもまだ発表されてから間がないので、今後他に誰がでるかっていうのが楽しみですね。

今年の注目はジョニー・マー、楽しみですね。栗原さんがお気に入りの<フジロック>のエリアってありますか?

栗原 あの……ちゃんと正直にいいますと、僕の<フジロック>歴はほぼ19年ほどになりますが、最近、体力が落ちてきたせいか……ここ近年は行ってもホワイト・ステージまでなのです。10年前ぐらいはオレンジ・コートにも行ってましたが、今じゃ体力が……(苦笑)。なのでグリーン・ステージにいることが多いです。

<フジロック>のベテラン組になると、自分の好きな固定の場所ができるっていいますが、栗原さんもまだ若いのに既にそんな感じですね(笑)。

栗原 もちろん、行きたいって気持ちがあるんですけどね。つい自然の中で気持ちよくなっちゃって、そこから動かなくなるっていう感じでして。でもやっぱり<フジロック>の基本というか、歩いていると自然に森を抜けたりとか、川を抜けたりできるというのが良いですよね。

ロックT、着続ければ、自分のファッションとかそういうのも変わってくる
ーーフジロックは自分の足で歩いて探検できる、冒険の場

栗原さんが欠かさず持っていくフェス・アイテムは何かありますか?

栗原 はい、やっぱり日焼け止めは必須ですね。あとバッグに常時、タオルを2、3本ぐらい入れておく。あとは折畳み椅子! 座る場所がほとんど地面になるので、折畳み椅子を持ちあるくのが良いと思います。僕はいつもグリーン・ステージでライブが見える位置に椅子を置いてゆっくり見たり。他にはサンバイザーも持っていきますね。

逆に何としてでも前で観たいアーティストのライブってありますか? オアシスとか、栗原さん好きだって聞きましたが過去にあります?

栗原 はい、昔はよくしてましたね。去年もオーケー・ゴーのライブは前までいって観てました。椅子とか持ってたら逆に、クラウド・サーフィンとか許されない(笑)。僕としての目標がありまして、そのひとつでモリッシーのライブがあったらクラウド・サーフィンをしてモリッシーに抱きつきにいく、それでそれを写真に撮られるっていうのをやりたいんです。

モリッシーに抱きつくのが目標なんですか(笑)?

栗原 目標です。モリッシーへの男女問わずの抱きつきっていうのは、彼のライブでそれが定番でもあるんで。椅子を一番うしろに置いていきます。

いつか目標達成できるといいですね! ちなみに、<フジロック>ならではなファッション的ポイントなどありますか? 例えばロックTとか……?

栗原 やはり山なので天気で左右されるので、厚着もですが割と薄めなパーカーとかも着ると良いかも。ロックTでいうと2年前ぐらいに<フジロック>でキュアーのTシャツが売っていて、確か、ロバート・スミスの顔がプリントされたデザインが刺激的でした。フェスで見つけるTシャツに結構お宝感があったりしますね。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとかチャーチズのTシャツとか、かっこいいですよね。

普段でも着ますか? 一番お気に入りのロックTは?

栗原 一番お気に入りなのが、ジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャーズ』ですね。アルバムのアートワークだけのデザインのTシャツが好きです。

今日のシャツもビートルズ×ギャルソンのですよね。自前ですか?

栗原 はい、自前です。僕、ビートルズも好きで。でも意外とちゃんと聴き始めたのがこの数年なのです。やっぱり昔はビートルズってことだけをイメージで持っていた。でも彼らは色んなジャンルのほとんどをやってきたバンドなので、僕にとっての(音楽の)教科書のひとつという感じです。

そうなんですね、ザ・ローリング・ストーンズ(以下、ストーンズ)とかは聴きますか?

栗原 はい、ストーンズ、ハッピー・マンデーズ、あとはドクター・フィールグッドとかも聴いてました。

最近、気になるアーティストはいますか? iPodでヘビロテなアーティストなど。

栗原 最近だと……、若手とかではないですがザ・ストライプスとかですね。あとはチャーチズだったり。フェスの時期だとiPodでフランツ・フェルディナンド聴いたり、ラヴ・アンド・ロケッツ、アークティック・モンキーズだったり、クラクソンズとかですかね。

ファッション的な話に戻りますが、栗原さんはモデルとしてステージに立つことが多いと思います。ファッションの趣味も音楽から影響を受けているように思えますが。

栗原 影響はあると思います。例えば、ポール・ウェラーやリアム・ギャラガーが好きなので、一時期はモッズファッションにハマっていました。あとはキュアーのゴシック的なファッションも今勉強していたり。プライマル・スクリームのボビーがよく着てたサンローランもそうですね。やはり好きなアーティストがいると、その人が身につけているものを自分ならどうするか、どう取り入れるかなという研究は良くしていますね。

音楽やファションって元々、カルチャーが繋がっていましたしね。今はファストファッションの時代でもありシーンが独立しているイメージがある。でも栗原さんはカルチャー的な広がりや楽しみ方を体現しているように思えます。

栗原 いま話があったように、ファストファッションが流行ってきたことによって色々な選択肢に迷う人が結構いるかなと。バンドTシャツを着るってことも迷うとか、でも意外とバンドTはオシャレだしインパクトあると思います。例えば、普通のデニムやブラックデニムも、ロックTを合わせたら全然違うような印象を与えられると思うんですね。僕が小さいころ、プライマル・スクリームの『スクリーマデリカ』のTシャツを着ていたのですが、普通に着ているTシャツとは全然印象が違うとまわりに言われたりしました。バンドTは、他のTシャツよりやはりその色具合だったり、サイズ感、素材感も普通と全然違う。

アートワークやメッセージだったり、その時点で普通のTシャツとはまた全然違いますもんね。愛着も違ってきますし。

栗原 はい。アルバムのアートワークのデザインは派手というわけではないですけど、良いなと思ったものは持っていて絶対に損はないと思いますね。それで、着続ければ、自分のファッションとかそういうのも変わってくると思いますね。

最後に、これから<フジロック>に行きたいという栗原さんと同世代の子たちに、フェスや<フジロック>の推しどころがあれば一言お願いします!

栗原 はい、まずはやっぱり都会から離れられるということ。東京で例えば仕事が辛かったりしても、完全に忘れられる。まるで夏休みのような感覚で過ごせるので。3日間、1日でも良いので仕事のこと全部忘れて、自然と触れ合ったりとか、その場で色んな人たちと会っておいしいご飯でも食べながら楽しむ。一度だけでも良いから、思いきり現実離れが出来る、そういう感覚も本当に一度だけでも良いのでやってみて欲しいです。つらいことを全部忘れて楽しめるっていう感覚にとって重要な場所でもあるので。本当に自然に楽しめると思います。あとは、<フジロック>の会場ではなにが起こるか分からないっていうのが楽しみのひとつ。例えば、大雨がいきなり降るのも初めての体験になるかもしれないですが、でもやっぱりそれは山だから、なにが起きるか分からないってことが、自分の悔しい思い出になったり。それが次へのリベンジ(チャレンジ)に繋がるかもしれないので。なにか続けることによって、今までだと出来なかったこと、やろうと思わなかったことが気づいたら自分の一部になる、そういう自分を変える旅のひとつにもなると思います。本当にサバイバル的な感じだけど、それを競い合っているんじゃなくて、みんながそれぞれ自分の足で歩いて探検できる、冒険の場かなと思いますね。

text&interview by Asami Shishido
photo by 横山マサト

Profile:栗原類(KURIHARA LOUIS)

東京都出身のタレント・モデル。生年月日は1994年12月6日。TV・映画・雑誌・ラジオ等幅広く活動中。現在インターFM『Weird Is Good with Louis』にてレギュラーDJを務めるほか、8月より東京芸術劇場で上演する舞台『気づかいルーシー』の出演等も控えている。

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