2002年<フジロック・フェスティヴァル>3日目ホワイト・ステージ。コーネリアスにとって唯一の<フジロック>出演は、今もなお「伝説」として語り継がれるほど素晴らしいものだった。コーネリアスの独壇場とも言える映像と音楽の完璧な融合によるショウは、苗場の自然と完璧にマッチングして、まさにファンタスティックとしか形容しようがない別世界を現出していたのである。

それから15年。ついにコーネリアスが<フジロック>に戻ってくる。今度はステージをグリーンに移し、しかも日が落ちる寸前のトリ前という絶好のタイミングでの登場だ。そしてなんと、<フジロック>の一ヶ月前にコーネリアスは11年ぶりのオリジナル・アルバム『Mellow Waves』をリリースする。先行シングル“あなたがいるから”“いつか/どこか”も大きな話題を呼ぶ本作はタイトル通りコーネリアスのソフト&メロウな新境地を開拓する大傑作。この新作を引っさげてのワールド・ツアーの実質皮切りとなるフジロックのステージーー絶対に見逃せない。

Interview:コーネリアス(小山田圭吾)

「昔の映像もアップデートして、プロジェクターも強力なやつに替えたい」

――<フジロック>出演はコーネリアスとしては2002年以来ということになります。なんと15年ぶり。

うん。みたいですね。

――で、ニュー・アルバム『Mellow Waves』も今年11年ぶりにリリースされる、と。非常にめでたい限りです。

めでたいかな?(笑)。

――前回の<フジロック>出演は覚えてますか。

なんとなく覚えている。

――3日目(7月28日)のホワイト・ステージのトリ前でした。

ああ、そうだね。細かいことはあんまり覚えてないけど、『POINT』(2001年)のツアーをずっとやってて、わりと最後の方にやったんじゃないかな。

――今回はグリーン・ステージのトリ前の出演ということになりました。なにか抱負とか特別なアイディアのようなものは?

いや、特には(笑)

――でもコーネリアスとしてはかなり大きなステージになるわけですよね。

そうだね、うん。YMOの時にグリーン・ステージやったことあるんだよね。何年前だっけ?

――2011年ですね。

なのでちょっと感じは覚えてる。

――ケミカル・ブラザースの前でしたよね。

そうそう。楽屋が隣だったんだよね。(ケミカルが)ザ・ウォーターボーイズをずっと聞いてたのを覚えてる(笑)。

――YMO以外にもオノ・ヨーコさんのバンドとか(2014年)……。

うん、ちょいちょい出てるね。

――<フジロック>というフェスに関してはどういう印象をお持ちですか。

うーん……楽しい(笑)! へへへへ。

――じゃあ普通に会場をぶらついたりする。

うん。普通に歩くよ。でも一回すごく遠くまで行って、こりゃ無理だと思って(笑)、それ以降は近場をうろうろするぐらいだけど。

――ほかのフェスとは何が違います?

全然違いますよね。海外のフェスに近いのかな。外タレ多いし、広いし。でもやっぱ……バックヤードとかホスピタリティとか、すごい完璧で。日本のフェスだし、安心できるっていうか。バックヤードのスタッフとかステージのクルーとか、安心してお任せできるって感じ。

F7Q6357-1140x760 コーネリアス、11年ぶりの新作『Mellow Waves』と15年ぶりのフジロックを語る

――特に強い想い出に残ってるエピソードとか。

2002年に出た時に、僕らのあとがスピリチュアライズドで、僕が着替える前にNEU!のTシャツを着てたら、(スピリチュアライズドの)クルーの人にTシャツを褒められた(笑)。

――いいの着てるなって。

そうそう。そういうの、ちょっと外国のフェスっぽいよね。あと、その時イアン・ブラウンに会ったのを覚えてるよ。食堂で会ったの。

――挨拶した?

した。一回会ったことあるの。スコットランドのフェスで。楽屋が隣だった。すごいいい人で。兄貴って感じの。その年はそれぐらいしか覚えてないな……ゆらゆら(帝国)って、この年に出たのかな?

――出てますね。同じ日です。その頃から坂本慎太郎さんとは親しかったんですよね。

そうだね……あと(高橋)幸宏さんのライヴでも出たことある気がするな。

――やはり自分がフロントとしてステージに上がるのと、サポートとして上がるのは違いますか。

ああ、全然違いますね。(フロントは)荷が重いっていうか(笑)。あははは!

――グリーンはステージ広いし、お客さんも多いし。

久々だし、でかいとこでやるのは。人ので行くのは楽しいけど、(自分のライヴでは)荷が重い。

――そんなこと言わないでくださいよ。

(笑)えへへへへ。

――でも、自分の出番が終わるまで落ち着かないのはわかります。

そうそうそうそう。自由にできないっていう。人ので行くと、いろいろ(ほかのアーティストのライヴを)見ちゃうけどね。

――コーネリアスといえば映像と音響が完璧に一体化したショウで定評がありますが、今回はスクリーンもホワイトよりも遙かに大きくなって、映像も強化する必要がありそうですね。

うん。(秋から)ツアーもあるからね。昔の映像もアップデートして、プロジェクターも強力なやつに替えたいと思ってる。

――メニューは当然新作からの曲が多くなると思いますが、昔の曲も。

うん、やります。

――これはファンの人も聞きたがると思うんですが、小沢健二さんも同じ日に出演されるということで。

ああ! そうだよね。

――それ知ったのいつですか。

結構、前ですよ。