5年ぶりに<フジロック>への出演が決定したキティー・デイジー&ルイス。前回は初出演ながらも、初日のクリスタル・パレス、2日目のフィールド・オブ・ヘブンと2ステージでライブを行い、多くのフジロッカーを虜にした彼ら。そんな彼らが<フジロック>に先駆けて4月23日(木)より初の単独ツアーで来日。大傑作の新作を引っさげ、ソールドアウトとなった各公演は熱狂のまま幕を閉じた。<フジロック‘15>ではどのようなパフォーマンスで魅了してくれるのか? 今回の来日公演の合間に、<フジロック>や音楽フェスティバルでの印象的な思い出なども交えてインタビューに答えてくれた。

Interview:Kitty,Daisy&Lewis

sub1_frf_20150424_1788 キティー・デイジー&ルイスがフジロック出演で楽しみなこととは

━━5年ぶりの<フジロック>出演となりましたね。以前出演した2010年の時がはじめての<フジロック>出演でしたが、パフォーマンスにおいて特別覚えていること、印象に残っていることはありますか?

キティー 前回初めてだったんだけど、最高だったわ。ちょうどルイスの誕生日だったから、みんなで飲んでお祝いしたりして楽しかった!

ルイス そうそう、ちょうどギャズ・メイオールとか友達や知り合いもいて、盛り上がったよね。

キティー ホントに楽しかったから、今年、また出演できるのを楽しみにしているの。

━━<フジロック>の会場には様々なステージがあるのですが、会場をみてまわったり、誰かのライブをみる時間はありましたか? 今年注目しているアーティストはいますか?

デイジー 前回は二つのステージに出演したし、取材がたくさん入っていて忙しくって、正直、時間がなかったの。ステージが終わってから、会場内を歩いてみたんだけど、時間が遅かったからほとんどのステージは終わっていて……。でも、今年はモーターヘッドが出演するって聞いたから、同じ日だったらぜひ観たいと思ってる! モーターヘッド、大好きなの! 同じ日だといいなぁ。

━━1日目で同じ日ですよ!

キティー&デイジー ホントに?! やったぁー! みんなで観に行くわ!!

━━他に気になるアーティストはいますか?

ルイス できたら日本のバンドを観たいよね。海外のフェスでは観られないから。

━━かなり準備がいいんですね。
(今年のラインアップを見ながら、読めない日本語のアーティスト名を適当に指さす3人。)

ルイス このアーティストは?

━━サニーデイ・サービス! 日本のギターポップバンドですよ。

ルイス へぇ〜、なんか良さそう。じゃあ、そのバンド観たい(笑)!

キティー できたら会場をいろいろ歩きながら、いい音楽に出会えるといいな。

デイジー そうだね。でも、モーターヘッドは絶対外せないわ(笑)!

sub2_frf_2015-04-22-14.55.30 キティー・デイジー&ルイスがフジロック出演で楽しみなこととは

━━海外でのフェス出演も決まっていますが、世界中のフェスでどこが一番すきですか? また出演したい国のフェスティバルはありますか? そして、キティー・デイジー&ルイス流のフェスの過ごし方があれば教えてください。

キティー アメリカのポートランドで開催される<ピッカソンフェスティバル>が3人のお気に入りかな。2、3年前に出演したんだけど、天気がとても良くて気持ち良かったわ。会場は大きすぎずちょうどいいサイズだから、歩きながらいろいろみてまわれて、たくさんの良い音楽を聴きながら森の中を歩いたり、芝生の上に座ってビールを飲んだり……とにかく雰囲気がいいの。そうやってフェスを過ごせるのって最高だし、またぜひ参加したいな。

━━やはり様々なパフォーマンス経験が楽曲づくりにおいて一番のヒント(影響)となりますか? それともスタジオで集中して楽曲づくりすることの方がアルバム制作において重要だと考えますか?

デイジー その時々によっていろいろ違うわ。曲づくりに関して言えば、ロンドンの家にいる時は家族や友人、いろんな人が周りにいるから、彼らの経験や話からヒントをもらうこともたくさんあるし。あと、ツアー中は移動が多くて考える時間がたくさんあるから、その時にいろいろ思いつくこともあるし……。例えば、ニューアルバムの1曲目に収録されている”Whenever You See Me”は、ツアー中にバンで移動していた時にできた曲なの。

キティー 私もその時々の環境によって違うから、色々なものがヒントになるわ。でも、デイジーが言ったように、私たちはツアーが生活の大きなパートを占めているから、ツアー中に思いつくことはよくあるの。私でいうと、ニューアルバムの”Turkish Delight”って曲がツアー中に生まれた曲ね。

━━オフィシャルインタビューでは「新作をプッシュすることと、そこから良いツアーを行うことに向けて気持ちを集中させている」とデイジーがコメントしていましたね。新作がリリースしてから数ヶ月たったいま、新たに目標やチャレンジしたいことは出てきましたでしょうか?

ルイス 今はワールドツアーの途中だから、良いライブをして、良い音楽をみんなに届けたいと思っているよ。これからも、僕らのスタイルで、僕らだから作れる音楽を自然体でやっていきたいね。

━━2010年ではフィールド・オブ・ヘブン(大きめのステージ)とクリスタル・パレス(小さめの屋内ステージ)と、雰囲気の異なる2つのステージに出演していましたね。今年の<フジロック>はどのようなステージになりそうですか?

ルイス ニューアルバムの曲をたくさんやるつもりだよ。もちろん、これまでに出したアルバムの曲も織り交ぜなからね。とにかくみんなが踊れる心地良い音楽を届けたいと思っているから、楽しんでもらえるといいな。

キティー <フジロック>は5年ぶりで久しぶりだから、私達もとても楽しみにしているの。だからきっと楽しいステージになると思うわ!

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text&edit by Yuka Yamane
translation by Mamiko Ochiai

Profile:Kitty,Daisy&Lewis

kitty_15_plof-m9j8ofutg5yvgqsraij5bclbvbad18tcouih0exuvc キティー・デイジー&ルイスがフジロック出演で楽しみなこととは

長女のデイジー、次女のキティ、長男のルイスで結成されたロンドン生まれの3兄弟によるロックンロールバンド。アイランドレコーズ等でのマスタリング・エンジニアとして30年以上数多くの音楽に関わってきた父グラッツ・ダーハムと、伝説の元祖ガールズ・ポストパンク・バンドのレインコーツのメンバーであるイングリッド・ウェイスを母に持つ生粋の音楽一家に生まれる。幼い頃からヴィンテージの楽器に囲まれて育った彼等は、3人揃ってマルチ楽器奏者のソングライターで、それぞれがギター、ピアノ、バンジョー、ドラム等の楽器をこなし、曲によってヴォーカルや楽器を持ち替えている。10代前半の頃からノース・ロンドンにあるカントリーとロカビリー・ジャムのパブにてステージにあがり、地道なライブ活動とフェスティバルへの出演により次第に口コミで評判を呼ぶ事になる。そして遂に2008年に徹底的にデジタルを排除し、アナログ機材だけを使用した1stアルバム『Kitty, Daisy&Lewis』をリリース。イギリスの全国紙The Observerからは「音楽の魔法を信じる我々へのギフトだ」と評され、音楽専門誌のみならずファッション誌をはじめとする各種メディアから大きな称賛を集め、エイミー・ワインハウス、コールドプレイから、デヴィッド・リンチ、ダスティン・ホフマンといったセレブリティにまで愛される存在となる。そしてその年の朝霧ジャムへの出演で初来日公演を果たし、2009年にはコールドプレイからラブコールを受けUSツアーをサポート。2010年にはフジロックで再来日を果たし、翌年にはセカンドアルバム『Smoking in Heaven』をリリース。そして2014年夏に、かつてからファンと公言していた元ザ・クラッシュのミック・ジョーンズをプロデューサーに迎えてスタジオ入りし、新作『Kitty, Daisy & Lewis The Third』を完成させた。「前作以来更に人生経験積み、新たに色々な楽器をマスターすると共に、自身が所有するスタジオの機材が8トラックから16トラックになったことも有り、よりバラエティーに富んだ表現方法、今までとは違った制作テクニックを採用することができたし、スタジオ作業を通して、アイディアをより拡張させることができた」と語っている。 ブルースからスカ、ディスコまで幅広い音楽スタイルを取り入れながらも、一聴してキティー・デイジー&ルイスとわかるヴィンテージ感満載の作品。3人の作曲家と3人のマルチ楽器奏者によって紡ぎだされた1つ1つの楽曲には、時に気持ちを高揚させ、時に切ないムードとメロディが溢れており新境地を切り開いた。

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