毎回さまざまなゲストに登場してもらい、<フジロック・フェスティバル(以下、フジロック)>の魅力・思い出・体験談について語ってもらう「TALKING ABOUT FUJI ROCK」。今回は、2026年の<フジロック>でいよいよ初出演となった「礼賛」が登場!

ラランドのサーヤをフロントに据え、川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女、ジェニーハイ、ichikoro、美的計画)、木下哲休日課長(DADARAY、ゲスの極み乙女、ichikoro)、GOTO(DALLJUB STEP CLUB)という異色かつ強靭な布陣で結成された礼賛。2025年11月にはバンド初の日本武道館単独公演『礼賛と武道館』を開催し、結成5周年を迎える2026年は3月にミニアルバム『キラーパス』をリリース。今年開催のフェスにも引っ張りだこで、気づけばシーンの中心を撃ち抜く存在になっていた礼賛がついに苗場に降り立つ。

インタビューには、川谷絵音(晩餐)、サーヤ(CLR)、休日課長(春日山)が参加。これまで体験してきた<フジロック>の記憶や、観客として見てきた苗場の風景を振り返りつつ、初出演となるフジロックへの想いや、今の礼賛の面白さなどを言葉にしてもらった。

Interview:礼賛(川谷絵音、サーヤ、休日課長)

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photo by Daiki Miura

人生で一番のイエーイ! 成長を経てフジロックのWHITE STAGEへ

━━「TALKING ABOUT FUJI ROCK」のインタビューでは最初に、<フジロック>出演のニュースをアーティストのみなさんが知るときの話をすることがありまして。例えば<フジロック>に対して想い入れのあるバンドだと、みんなで集まっているときにレコード会社の方やマネージャーが発表して「おおおおお!」みたいなエピソードがあるのですが、礼賛はどのような形で出演を知りましたか?

サーヤ:LINEグループで一斉に。イエーイってなりました。本当に人生で一番のイエーイ!が出ましたね。やっぱりフェスの中でも格式高いフェスのひとつだと思うので、そこに呼んでいただけたのはめちゃくちゃうれしいし、ありがたいなという気持ちです。

休日課長(以下、課長):うん、ほんとにイエーイだったね。礼賛と<フジロック>って絶対に相性がいいと我ながら勝手に思っていたので、今回はやっと決まったなっていう感じがあって、普通に楽しみですね。いや、普通にじゃない。すごい楽しみです。

川谷絵音(以下、川谷):僕も同じくというか。ゲス(の極み乙女)とかindigo(la End)で出てはいますが、そのときは「今年はフジロックあるかも」みたいな感じがあって。でも礼賛の場合は、“振って出た”みたいな感じだったのでうれしかったですね。

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photo by 横山マサト

━━<フジロック>に関して、川谷さんと課長さんはゲスの極み乙女で2015年のRED MARQUEE、さらに川谷さんはindigo la Endで2024年のGREEN STAGEに出演しています。そのときのエピソードで覚えていることがあれば教えてください。

川谷:2015年は課長がクラムボンとWHITE STAGEでもベースを弾いていたので、それを見に行った記憶がありますね。

課長:なぜか1曲だけ参加させてもらって。クラムボンは大好きなバンドなので、うれしかったですね。あとその年はマネージャーさんと一緒に泊まったら、なんか独特な寝息で……。「コポコポ」みたい感じが気になって、全然寝られなかったのは覚えています。

━━演者として<フジロック>に参加するときに、おふたりはステージ以外の時間でけっこう遊びますか?

川谷:そうですね、2015年も2024年も前乗りしましたし。2015年はFOO FIGHTERSが骨折していて(フロントマンのデイヴ・グロールが直前のライブで右足を骨折)。MUSEは帰らなきゃいけなくて途中までだったけど、ステージにメンバー出てきて楽器持ったと思ったら、急に曲が始まってめちゃくちゃかっこよかったことは覚えています。(2015年のラインナップを見ながら)……時代を感じるね。ベルセバ(BELLE AND SEBASTIAN)も見た記憶があります。ただ当時はちょっと舞い上がっていたのもあってよく覚えてないのかも。あと2021年もindigoは<フジロック>に出るはずだったけど、コロナ(メンバーの佐藤栄太郎さんが直前で陽性)でキャンセルっていうのもありましたね。

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━━indigo la Endで出演した2024年のフジロックで、覚えていることは何かありますか?

川谷:Remi Wolf(健康上の理由から急遽キャンセル)をすごく楽しみにしていたのと、YELLOW DAYSを観たのと、あとは新東京のメンバーに「ずっと聴いてました!」的な感じで話しかけられて嬉しかった記憶があります。

──ちなみにサーヤさんは調べても<フジロック>関連のエピソードが見つかりませんでした。行くのも初ですか?

サーヤ:行ったことないです。行きたいなと思ってはいたけど忙しくて。この5年間は馬車馬のように働いていたので、遠征して観に行くのは、私にとってはとても遠かったですね。だからそれも含めて楽しみ。お客さん側としてもちゃんと見たいなと思います。

━━そして今回の礼賛は、最終日の7月26日(日)、 WHITE STAGEでの出演となりました。

サーヤ:私はわからなくて。でもみんなが「いいステージだよ」っていう反応をしていたので、そうかって。

川谷:個人的には、WHITE STAGEは音が一番いいイメージがありますね。ちょうどいい大きさというか、聴く側としてもしっかり音を楽しめる。ちょうど自分はWHITE STAGEには出ていなかったのでうれしいですね。課長はクラムボンのときに出たけど。

課長:僕が参加した曲はワンコーラスが終わったあとにベースが入る感じだったので、しばらく突っ立って見ていたら、僕が入る前にクラムボンのベースのミトさんが近づいてきて「最高の景色だね」って。それはすごく思い出として残っていて、今回はまたあそこでできるのかっていう気持ち。あのときは緊張しまくっていて余裕なく終わってしまったので、今回は礼賛メンバーでじっくり楽しみたいですね。

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━━礼賛は日本武道館単独公演が去年ありましたし、フェスも含めて年間にかなりの数のライブをこなしていますね。

川谷:僕らは年間40本くらいライブをやっているので、もともとすごかったけど、サーヤちゃんがどんどん進化している。そこだけは固まってないというか、今も変わっていっているので、<フジロック>でまた成長するだろうなと。僕らはカバー曲もあるのでいろいろなストックがあって、最近だとアデルとか洋楽のカバーもやっているので、そういうのも<フジロック>で見せられる強みかなというのはありますね。

サーヤ:……単純に仲良くなっていってる。ははは。最初からとてもいい空気感だったけど、ツアーでは毎日のように打ち上げも律儀にやって。さらにツアーも経て、メンバー同士でも「そんなところあるんだ」とかもいまだにあるし。やりやすいですね、自分はとても。

川谷:あとこの前、サーヤちゃんが初めて喉の調子が最悪なフェーズまでいって、そんな絶不調なときにフェスが2本あって。そのときはライブの途中で急遽いろいろアレンジなどもして、それもすごく良い経験になったというか。ああいう経験はあった方が絶対いいと思うから。

サーヤ:そうですね。わんわん泣きました。ライブ中に後ろを向いて「(声が)出ない」みたいな感じで、当日対応してもらっちゃって。でもやっぱり凄腕の人たちだから、すぐにOKみたいな感じで、リハーサルをしていない曲とかをやってくれて。それが<フジロック>じゃなくて良かったかもしれない。あそこに立つ前に、1回めちゃくちゃ悔しい想いをしたっていうのが加わってくるかもしれないです。

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━━サーヤさんが自分の中で、ターニングポイントと感じるのはどの時期や出来事ですか?

サーヤ:怒涛のフェスが始まったぐらいからかも。去年もライブは多かったですし、武道館がソールドしたぐらいで「あっ!」ってなりましたね。「ちゃんと武道館に立てるんだな」って(礼賛の日本武道館単独公演は、発売と同時にチケットが完全即日ソールドアウト)。

━━ちなみに先ほど打ち上げの話が出ていて、礼賛といえばですが、そういうときは真面目な話もしますか?

川谷:多少はするか、まじめな話も。

課長:序盤に。

サーヤ:1対9ぐらいですかね。

一同:ハハハハハハハ!

サーヤ:けっこうでも話が戻ってくることはありますよね。結局、メンバーがみんな楽器の話を始めたり、哲くんとかは呑んでいるときも急にエアギターが入ってきたりするので。みんな「ずっと考えてるじゃん音楽のこと」って感じの良さがありますね。

「どんなもんじゃい」って気持ちでラフに見に来てくださったら

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━━礼賛は5周年イヤーを迎えて、最初とはいろいろな点で違ってきてはいると思いますし、先ほど話していたようにバンド自体が変化し続けてきましたが、現時点で礼賛のどういった部分にみなさんは面白さを感じてやっているのかを教えてください。

川谷:セッション性というか、ライブ中にいろいろ変わってくるところがあって。ライブを1本やるごとに、メンバーの阿吽の呼吸で変化があるのが面白い。あとサーヤちゃんが思ってもみない感じで歌い出すとか、急に僕らが知らない曲を歌い始めるとかもあるので。

課長:急にドラムを叩き出すとかもね(礼賛 ONEMAN TOUR 2026『超超超BUSYツアー』の沖縄公演)。あれすごかった。

サーヤ:全国を回って、最後の沖縄でなんか……かかっちゃったんですよね。「沖縄だあーーー!」っていう。

川谷:たしかに。目がめちゃくちゃキマってたもんね。バキバキで。

━━川谷さんと課長さんにとっては、ほかのバンドでは得られない面白さが礼賛にはあるのかと。

川谷:礼賛は自由度が高い曲も多いし、サーヤちゃんの成長も感じられる。あとここにいないふたり(木下哲・GOTO)がわりと、本番で違うことをやり始めるタイプの人間なので。なんかそれがほかのバンドとは違う面白いところではあるかなと思います。

サーヤ:楽しそうですよね。私が止めなきゃいけないときに目が合わない。ゾーンに入っているので。

課長:自分もそれは面白いなって思いながら、そういうのにも応えなきゃいけないときがあるじゃないですか。「そこで音抜くんだ」「じゃあ次も抜くのかな」みたいな感じでちょっとした攻防というか、イチャイチャみたいなのは面白いですけどね。

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━━話は変わりますが、3月にリリースされたミニアルバム『キラーパス』はどんなテーマで制作しましたか?

川谷:ツアーに合わせて曲を作ろうみたいに毎回なっているけど、どういう曲になるかわからないし、最後にサーヤちゃんがどういう風にするかも含めて知らない状態でやっていることも多いので。そういう楽しみがあるので、どんなテーマとかは特にないですね。

サーヤ:景気が良くなった感じはありますね。テンション感が。「今の時代にそうしなきゃ」っていうのがあった。

━━『キラーパス』には6曲が収録されていますが、どういった順番で完成していきましたか?

川谷:“ホレタハレタ”が先で、“超BUSY”、“GURA GURA”、“果てない”、“不埒にキャッチー”で“SOS(CDのみ収録)”か。

サーヤ:(小声で)SOSはちょっと大変だった……。

課長:オケを作ったときに「これどう歌を乗っけるんだろう」って。けっこう全部そうではあるけど。

川谷:“SOS”が時間は一番かかったかな。超プログレの曲で、物理的に時間がかかったのはあるかもしれない。

━━サーヤさんが今回の中で特に手応えを感じたり、新鮮な印象を受けたりした曲はどれですか?

サーヤ:抜群に明るい曲を“ホレタハレタ”でできたので、それ以降に作るものは、そっちにテンションを合わせている感じはありましたね。その明るい気持ちのままというか。ずっとフェスとかではやっていた曲だったので、配信前にどんどん育ってきた感じもありましたし、デモを撮ってたぶん次の週とかにはライブでやっていたので。ライブをしながら、こうした方がいいっていうのを試しながらできた気がします。“ホレタハレタ”は「新曲をやります」ってやって、お客さんに「そのメロをずっと覚えてた」みたいなことを言われることが多い曲ですね。

川谷:“超BUSY”はテンポアップしていくのをライブアレンジでやっていて、そのときのサーヤちゃんがすごい。

課長:個人的には“果てない”をライブで聞くと、すごくエモーショナルな気分になるのでとても好きです。

━━新曲も含めて、<フジロック>に合いそうとか、個人的にやりたいとか思う曲はありますか?

川谷:“超BUSY”のライブアレンジはすごくいいなと思うし、<フジロック>でも映えそう。カバーで言うとジャミロクワイの“Virtual Insanity”を最近やっているので、あれとかはちょっとずるい技ではあるけど、お客さんを盛り上げるっていう意味ではいいかも。

サーヤ:でも意外とツアーでやってない曲とかをやっても面白そうですよね。

課長:わかりやすく盛り上がる曲じゃなく、ちょっとマニアックな曲とかね。いいと思う。

━━あとはやっぱり……打ち上げはどうしましょう。出演は最終日なので、前もステージ以外で遊べますが。

サーヤ:(川谷と課長を見て)何があるんですか?

課長:とりあえずメシ系はけっこういっぱいある。

サーヤ:何がうまかったとか覚えてます?

課長:何がって結局は……ビールが一番うまい。

一同:ハハハハハ!

課長:結局はね。あとデートで行きたいけど……。

サーヤ:モテキみたいな?

課長:モテキだ! 泥まみれでキスみたいなね。

川谷:「苗プリ持ってるよ一」って?

課長:「ちょっと俺出るんだよねー」って。

サーヤ:「なんか話しかけられたんだけどー」って。

課長:そんなことをずっと夢として言ってるんですけどね。

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━━フフフ……今年のラインナップの中で、観てみたいアーティストも教えてください。

川谷:僕らと同じ日だと、ANGINE DE POITRINE。これたぶん入場規制だけど、一度は生で見たいなって。あとMITSKIは大好きだし、GEORDIE GREEPも観たい。あとGRAPEVINEも少し前にホールで観て、フジロックで観たいなって思いました。

課長:自分はTHE LEMON TWIGSが観たいですね。

サーヤ:前日のXGも観たいです!

━━2025年の<フジロック>は4日間の来場者数が12万2,000人を記録して、コロナ禍前の水準に迫る盛り上がりを見せました。ただ今年はさらに増えるのではないのかと予想されていて、サーヤさんはいきなりすごい年で初参加になると思います。

サーヤ:一番は自分が楽しめるのがいいな。

課長:その背中を見たいな。

サーヤ:楽しいって気持ちが純粋に出ればいいなって。かまそうとかそういうのはなしで、純粋にフジロックを楽しみたい。

課長:それでいこう! それが礼賛って感じはするし。

サーヤ:礼賛をやっているときってみんな楽しそうだしね。

━━ベタですが最後に、<フジロック>に来る人たちにメッセージをお願いします。

サーヤ:見かけ次第、お酒はおごってもらいたい。全部飲み干す自信はあります。あとは礼賛をなんか聞いたことあるけど、ライブを観るのは初めての方もたくさんいらっしゃると思うので、「どんなもんじゃい」って気持ちでラフに見に来てくださったらうれしいなと。

課長:すごくいいと思います。

川谷:フフ……賛同で。見かけたら声を掛けて(時と場合による)で。

サーヤ:人見知りなので酔っ払わないと。お酒かアメスピをくださったら心を開く可能性があります。

 

Text&Interview by ラスカル(NaNo.works)
Photo by ONEMAN TOUR 2026 『超超超BUSYツアー』より
Daiki Miura(Zepp Haneda)、横山マサト(東京国際フォーラム)

INFORMATION

2026.07.08 Release 礼賛「高ぶるブルー」

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礼賛 結成5周年ワンマンライブ「タイトル未定」

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[ チケット種別・料金 ]
席種 全席指定
料金 9,800円(税込)
オフィシャル先行情報 3月20日(金)20:00~3月25日(水)23:59

[ 公演日程 ]
9月5日(土) OPEN 16:00 / START 17:00
9月6日(日) OPEN 16:00 / START 17:00

チケット詳細はこちら

 

 

PROFILE

2d8385cfef1c9be137b07cb2c52441f8 礼賛、登場。初めてのフジロックを純粋に楽しみたい #fujirock
日本のバンド、礼賛。
ラランドのサーヤがCLR名義で作詞作曲とボーカルを担当。
川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女、ジェニーハイ、ichikoro、美的計画)、
木下哲、休日課長(DADARAY、ゲスの極み乙女、ichikoro)、GOTO(DALLJUB STEP CLUBなど)
がそれぞれ、晩餐(Gt)、簸(Gt)、春日山(Ba)、foot vinegar(Dr)という名義で活動する。

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