自分自身にとっても「楽しみ方」の範囲が圧倒的に広がる(玉山)
絶対に他じゃ経験できない。俺、行けるか分からないけど宿取るんですよ(山田)
━━今年こそ二人で<フジロック>ですか!?
玉山 俺は…行きたいけど。行くなら1日とかでなくてやっぱり3日間行きたいですね。
山田 俺も行くなら絶対に3日間行きたいです。最低でも2日。毎年この6月、7月になって、今年も行けないんだ〜ってなった時には、自分の…俳優業を考えてしまいます(笑)。
玉山 2010年以来行ってないからほんとに行きたい。
山田 俺なんて行けないかもしれないのに、とりあえずホテルは絶対取っておきます。これは毎年、とりあえず宿は取っておく!
━━え!?行けなくても宿だけは取っておくんですか??
山田 はい、いきなり行けるようになったらとかあるんで。<フジロック>に行く友達と一緒に取っていますけど、自分が行けるかっていうのは毎年仕事との兼ね合いなので。とにかく最近行けてないので絶対に行きたいですが…!
━━お二人の<フジロック>へ行こうという気持ちの強さに圧倒されました(笑)。
山田 いやでも本当に、行ってない人たちに一度は経験しておいた方が良いよって言いたいです。絶対に他のフェスじゃ経験できないじゃないですか。あの過酷さも開放感も含めてぜんぶ経験して欲しいです。
玉山 普段と違うことをやれるからこそ「大人になる」って表現が正解かは分からないけどなんか、自分自身にとっても「楽しみ方」の範囲が圧倒的に広がる感じはするよね。フジを経験した後、キャンプとかバーベキューとか今まで気付かなかったものも好きになったりするので。
山田 やっぱり若い頃に<フジロック>に行ったら、それだけでも新しい人と人との繋がりもできるし。自分の好きなアーティストも<フジロック>で聴くともっと好きになれる。
玉山 大自然の中で好きな音楽聴けて、新しい音楽も知れる。<フジロック>を経験しないで人生歩んでいくのと、経験して歩んでいくのとでは、アンテナの立ち方が絶対に違うっていうか。日常で、街の中を歩いていて流れている音楽に対してもそうだし、あとは車の中からどういう景色を見るかとか、そういう一つ一つに<フジロック>が影響を与えているって思います。
━━俳優業にも音楽が影響していることはありますか?
玉山 役どころ、それぞれへの影響はないかな。いま自分が過ごしてる景色とか、その時のTPOにあわせて曲を聴くことが多いです。例えば、大変な仕事があった後にどこかクラブに行って気分転換したり、海に行って聴きたい音楽を聴くとか。自分にとってのご褒美的な部分がありますね。音楽は、逆に(仕事の)役を自分のなかから(追い)出す為に、自分をオフにする為の大切なものですね。
山田 俺は役というより、そのシーンごとに変えますね。次の撮影シーンではテンションあげたいとか、場合によっては車の中で聴いたり。撮影中の休憩で、筋トレしようっていう時にはメタリカをかけながら「ウォー」ってやったりします(笑)。帰る時にはジャック・ジョンソン聴いてみたりとか、その時々ですごい使い分けてますね。雨の日とかすごく天気が良い日でも聴きたい音楽が変わってくるじゃないですか。
━━最後に<フジロック>に求めることはありますか?
玉山 音楽カルチャー全般にお金を使わなくなってる人が多くなっているのかもしれないけど、そういうことや他のフェスとかにもずっと負けない存在で居て欲しいですね。
山田 今って昔より、若い世代が5年、10年前とくらべてもお金を使わないっていう印象はあるよね。あのブランドを着たい!とかも無く、ファスト・ファッションで気が済んでしまったり。音楽だけじゃなくて色々なところにそういう傾向がある気がします。でも、出来るだけお金をかけないことは大事だけど、それだけが価値じゃないと思うので。
玉山 一回<フジロック>に来たら絶対に分かってくれると思うんだけどな。大人たちが無理やり連れていくとか(笑)。
山田 ほんとにそう、一回来てって思う!だって俺、行けるか分からないけど宿取るわけですよ(笑)。それぐらいのことが<フジロック>にはあるんだってことです。とにかく一回体験して欲しいですね、絶対また行きたくなるはずだから。
text&interview by Asami Shishido
photo by横山マサト