「今年はフジロックらしい雰囲気もありつつ、新しいなという感じがしました。」

――今年発表されているラインナップの中で、楽しみなアーティストを教えてください。

まずはSIA(シーア)ですね! 2日目のヘッドライナーなので、実際に観られるかどうかは分からないですけど、すごく楽しみです。みなさん言われてますけど、今年はケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)とザ・キュアー(The Cure)という「フジロックらしい」雰囲気もありつつ、そこにSIAが加わるというのも、新しいなという感じがしました。あとは、ジェイムス・ブレイク(James Blake)と、トム・ヨーク(THOM YORKE TOMORROW’S MODERN BOXES)。それからジャネール・モネイ(Janelle Monáe)も観たいです。今年はますます、女性のアーティストが多いですね。2017年の<フジロック>でも、ビョークやロード、YUKIさんのライブを観て、「女性アーティストの活躍がすごい」と思っていましたけど、今年もSIAやジャネール・モネイ、ミツキなど……グラミー賞での女性アーティストの活躍とも繋がっているような雰囲気を感じます。コートニー・バーネット(Courtney Barnett)もすごく楽しみです。以前も<フジロック>に来ていましたけど、この人はサウスポーでめちゃくちゃかっこいい。曲も女性版カート・コバーンという雰囲気がありますし、同時に女性っぽさを感じる瞬間もあって……今年も<フジロック>に合いそうだな、と思います。インタラクティーヴォも2年連続で出ますよね。

――お子さんも喜びそうですね。レッド・ホット・チリ・パイパーズはいかがでしょう? 日高さんがスコットランドのお土産やさんのようなところで売られていたCDを見つけてきて、出演が決定したそうです(笑)。

へえええ! 実は気になっていたんですよ。発表されたとき、「えっ? レッチリ?!」と一瞬思いながらも、「あれ、レッチリにしては下の方に名前があるぞ」と。そうしたら、レッド・ホット・チリ・パイパーズ(Red Hot Chili Peppers)でした(笑)。

0412_sawabe_04 フジロック歴15年目、ハライチ澤部が語る親子三代で楽しむフジロック#fujirock

――どうやらアヴィーチーの曲をやったりもするそうです。

あははは。めちゃくちゃ楽しそうですよね。<フジロック>で毎年のようにある「知らなかったけど、ライブを観たらめちゃくちゃ楽しかった」というバンドになりそうな気がしますし、今年は特にユーモアが効いていますね。あとは、ルミニアーズ(The Lumineers)も観たいです。ルミニアーズは前に来たときも観たんですけど、そのときも壮大な大自然に合う音楽だと思いました。

――実際には決まっていなくても、他に「出てほしい!」というアーティストはいますか?

僕はずっと「ラカンターズに出てほしい!」と思っているんですけど、今年は急遽単独が発表されていますよね……。ニュー・アルバムもあるそうですし、<フジロック>でも観たい。新人アーティストだと、アイドルズも観たいです。めちゃくちゃいいですよね。それから、僕が<フジロック>で出会ったバンドのひとつ、スキニー・リスターのライブもまた観られたら嬉しいです。「フジロックで観たい」アーティストだと、その辺りの人たちですね。

――今日はありがとうございました。毎年聞いてしまっていますが、<フジロック>の今後にはどんなことを期待していますか?

(一緒にフジロック特番のMCを務めたり、フジロック対談の経験もある)片瀬那奈さんが毎年「開催してくれるだけでいいです」とおっしゃっていますけど、僕も本当に同じ気持ちです。開催してくれるだけでとても嬉しいので。あとは、今って親がチケットを買っていれば、中学生以下はタダで入場できるんですよね? だとするなら、たとえば家族で行くときに、戸籍謄本を提示すれば、子供は全員タダという形にしてもらえませんか……?(笑)。

――あはは! そうすると30~40代の“大きなお子さん”が出てきてしまうかもしれません。

(笑)。僕の場合は両親も<フジロック>に来ているので、何らかの形で「親子三代でも行きやすいような環境」がより整ってくれたら、ますます嬉しいです。

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text&interview by Jin Sugiyama
photo by 大石隼土