誰もが想像していなかった「フェスのない夏」が訪れ、<フジロック>も2021年に延期になってしまったわけだが、フジロックファンの夏を少しでも取り戻すべく、「Keep On Fuji Rockin’」と題した様々な企画が展開されており、今週末はその中の目玉企画である、『FUJI ROCK FESTIVAL’20 LIVE ON YOUTUBE』が配信される。

先週8月14日には、配信ラインナップや詳細が発表され、3日間にわたり、それぞれ3時間〜5時間の過去のアーティストパフォーマンスを中心に編成した特別ライブ番組が行われることが明らかになった。

番組は以下6つのコーナーに分かれており、その中に複数アーティストが登場する流れとなっている。(※8月19日に各コーナーの配信時間が発表された)

SELECTED HEADLINER PERFORMANCES
SELECTED JAPANESE PERFORMANCES
SELECTED INTERNATIONAL PERFORMANCES
FROM ROOKIE A GO-GO
FUJI ROCK LEGENDS

今でも語り継がれる伝説のライブをはじめ、ルーキー枠からメインステージに駆け上がったアーティストまで、100組以上が一挙に公開されたということで、過去の<フジロック>でのライブを振り返りながら、注目のアクトを紹介していきたい。

配信されるアーティスト名は公表されているものの、年度、楽曲はほぼ発表されていないので、どのライブがセレクトされるのかを一緒に予想しながら楽しんでください!

(※本記事は8/19時点の情報です)

13組のヘッドライナーによるライブ映像が公開!

SELECTED HEADLINER PERFORMANCES」の配信ラインナップは、8月14日時点で13組のアーティストが発表された。<フジロック>に複数回出演しているアーティストもいる中、発表時には何年の映像なのかは明らかにされておらず、後日SNSで少しずつ情報が公開されはじめた。

初日に配信されるフー・ファイターズは2015年のデイヴ・グロールが玉座に座りながらパフォーマンスしたときのもの。当時を振り返ると、6月のスウェーデン公演でステージから飛び降りた際に転倒し、右足を骨折。同月にイギリスで開催された<グラストンベリー>をキャンセルした一ヶ月後の<フジロック>ということで、本当に来日できるのかという声も聞かれたが、着座して演奏できる玉座を制作して、2005年以来、10年ぶりのグリーン・ステージに無事立った。ちなみに、この玉座はフー・ファイターズのツアーや主催フェスで記念撮影スポットして展示されていたり、ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズをはじめ、骨折したアーティストに提供していたりと、予想外の”機材”として大活躍している。

2008_tsudashotaro_column_01 FRF'20 LIVE ON YOUTUBE配信直前!見所&過去ライブ振り返りまとめ | 津田昌太朗
Foo Fighters- FUJI ROCK FESTIVAL’15

伝説のあのライブが‥‥配信年度を予想してみるのも良し!
同じく配信初日には、<フジロック>の歴史上唯一、日本人がヘッドライナーを務めた2000年のブランキー・ジェット・シティ、ミッシェル・ガン・エレファントという2バンドが配信予定。ここから20年間、日本人がヘッドライナーとしてグリーン・ステージに立つことがなかったわけだが(本来であれば今年2020年に電気グルーヴが日本人ヘッドライナーとして出演予定であった)この歴史的なステージを改めて観られるのは貴重な機会だろう。

2008_tsudashotaro_column_02 FRF'20 LIVE ON YOUTUBE配信直前!見所&過去ライブ振り返りまとめ | 津田昌太朗
フジロック公式サイト「ヒストリー」より

その他、複数回ヘッドライナー出演の中で、SNSで年度が発表されているのは、20回目の記念すべき回に登場した2016年のベック、<フジロック>の1ヶ月後にノエル・ギャラガーが脱退を表明し、結果的に日本での最後のライブとなったオアシスの2009年の貴重なライブ映像だ。

2008_tsudashotaro_column_03 FRF'20 LIVE ON YOUTUBE配信直前!見所&過去ライブ振り返りまとめ | 津田昌太朗
BECK – FUJI ROCK FESTIVAL’16

まだ年度が発表されていないものだと、<フジロック>初回の伝説の天神山をはじめ、10回目や20回目という節目に出演したレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(1997年、2002年、2006年、2016年)。2002年、2004年、2007年、2011年、2019年の史上最多となる5度のヘッドライナーとして出演したケミカル・ブラザーズ(1999年、2000年は準ヘッドライナー扱い)。またザ・キュアー(2007年、2013年、2019年の3度出演)の配信も、いつのものになるのかも気になるところ。

直前に年度が発表されるかもしれないが、いつのライブ映像か、そしてどの楽曲が配信されるのか、過去を振り返りながら、予想してみるのも楽しみのひとつだ。

配信年度が特定できるアーティストは‥‥!
一方、ヘッドライナーとしては1度しか出演していないので、ライブ配信の年度を特定できるのは、 ザ・ストーン・ローゼズ(2012年)、コールドプレイ(2011年)、レディオヘッド(2012年)、ビースティ・ボーイズ(2007年)、シーア(2019年)の5組。

過去最高動員となる14万人を記録した2012年の<フジロック>に出演したザ・ストーン・ローゼズ、レディオヘッドのライブ配信では、グリーン・ステージに集まる超満員のオーディエンスの様子にも注目したい。もちろんどのライブ映像も貴重だが、アダム・”MCA”・ヤウク(ボーカル、ベース)が亡くなり、日本での最後のライブとなってしまったビースティ・ボーイズのステージも見逃せないだろう。そしてかつてない大雨に見舞われた昨年のシーアは、現地にいたフジロックファンも宿やテントに避難して見逃したという声も多く聞かれたので、改めて去年の<フジロック>気分を味わってほしい。

SELECTED HEADLINER PERFORMANCES
<DAY1>
BLANKEY JET CITY
Foo Fighters
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
The Stone Roses

<DAY2>
BECK
The Chemical Brothers
Radiohead
SIA

<DAY3>
Beastie Boys
Coldplay
The Cure
Oasis
Red Hot Chili Peppers