フェス好きに大好評のフリーペーパー「Festival Echo ’15(フェス・エコ)」と富士祭電子瓦版のコラボ企画。「Festival Echo ’15(フェス・エコ)」で掲載された奥田民生さんのインタビューを瓦版でも掲載します。今年で4度目の苗場登場となる民生さんが語る<フジロック>とは?

tamio-sub-001 奥田民生、50代で迎える<フジロック>【Festival Echo '15 × 瓦版特集 vol.1】

50代で迎える<フジロック>
ロックレジェンドへの敬意

一昨年、13年ぶりに<フジロック>に帰還した奥田民生。そして今年、50歳を迎える年に4度目の出演を果たす。かつては「晴れ男」という異名をとっていたものの、2013年のグリーンは雨が降り続いた。2015年は、どのステージで、どんなライブを見せてくれるのだろうか。

Interview:奥田民生

2013年の<フジロック>

2年前の<フジロック>は10数年振りの出演でした。

奥田民生(以下、奥田) 2年前は雨だったんですよね。ある意味、雨は<フジロック>の醍醐味ではあると思いますが(笑)。10年以上前に比べると、お客さんも慣れているというか、降って当たり前みたいな雰囲気になっていますよね。ステージに出ている我々よりも、お客さんのほうがベテランなのかなっていう感じがしましたね。

強い雨が降っている時間だったと記憶しています。

奥田 雷も鳴りましたしね。雨は降らないと信じていたので、高いギターを持っていったんですよ。ギターもビショビショになってしまって(笑)。わりと、晴れ男と言われていたんですが……。

1999年と2000年に出演なさったときは雨が降らなかった?

奥田 さすがにもう歳なので、晴れ男の効力は失っていますね。2年前のステージのときに雨が降ってしまったから、「晴れ男としてフェスには呼ばれないな」と思ってしまいましたよ。

野外で演奏することは、気持ちいいものなのですか。

奥田 やっぱり気持ちいいですよ。お客さんも見ていたり見ていなかったりみたいなところがあるじゃないですか。ライブを見ないで歩いていたり、仲間たちと喋っていたり。それをステージから見ているのもいいんですよね。自分の音楽を聞いたことがない人たちが、やっているからついでに聞いてみるか。そんな感覚があるのもフェスの良さですよね。

奥田さんにとっての、<フジロック>の魅力とはどういったものなのですか。

奥田 洋楽ファン、邦楽ファン。今ではそんな分け方はないのかもしれないけど、出演しているバンドが幅広いですよね。アメリカやヨーロッパだけではなく、アジアもアフリカのミュージシャンも集う。音楽の幅の広さは他のフェスにはないものですよね。ミュージシャンだけではなく、お客さんも幅広いのかなっていうのは感じますね。

tamio-sub-002 奥田民生、50代で迎える<フジロック>【Festival Echo '15 × 瓦版特集 vol.1】

理想や目標を持たないというスタンス

奥田さんの音楽からは、ロックのルーツが漂ってきます。最初に聞きはじめた海外アーティストとは?

奥田 ビートルズですね。当たり前のようにテレビから流れていましたし、こちらから探さなくても聞けるという時代ではあったんですけどね。バンドに興味が出てきて、キッスとかも聞いていましたよ。

ギターを手にしたのは何歳だったのですか。

奥田 10歳くらいのときに、家にあったギターを触っていたら、おばさんがガットギターを買ってくれたんですよ。そこからですね。

そして10代はロックにはまっていったわけですね。

奥田 ギタリストであったし、ヘビメタブームもあったりで。日本のバンドではラウドネスとかも聞いていたし、ヴァン・ヘイレンやマイケル・シェンカーなんかも聞いていたし。レッド・ツェッペリンやディープ・パープルとかもコピーしていました。

ギターを手にして、およそ40年が経過しています。

奥田 ピアノは満足に弾けないから、ギターがないと歌の伴奏もできないんですよ(笑)。ギターは、やっぱり好きなんですね。最近ではドラムとかベースもやっていて、いわゆるバンドの楽器みたいなものが好きなんです。

バンドが好きなのですね。

奥田 バンドだとやってみないとわからないところがある。人に任せる瞬間とかも当然のようにあるわけで、「楽」な部分もあるんです。

今年の<フジロック>では、どんなセットリストになるのか、非常に興味深いです。

奥田 基本としては、この年にこの曲をやろうというのを決めておくんです。新作も出ていませんし、どの曲でもいいんですけどね(笑)。

ソロだけではなく、サンフジンズやユニコーンなどのプロジェクトが同時に進行しているのでしょうか。

奥田 ソロじゃないプロジェクトが順番に入ってくるので、それを順番通りにやっているだけなんです(笑)。ソロって、いつでもできるって思いながら、なかなかやらないっていうのが現実ですね。最近では、しっかり準備をしてというのじゃなくて、やっていきたいなと思っています。今日はこれ、明日はそれっていうほうが、力が出るのかなと思いますね。

今年の<フジロック>で、奥田さんが見たいアーティストは?

奥田 トッド・ラングレンが、今の年齢でどういう感じなのかっていうのは興味があります。あとはモーターヘッドですね。結成が1975年ですから、相当なベテランですよね。僕がギターを手にした時代に、すでにバンドとして活動していた。トッド・ラングレンは70年にレコードデビュー。先人たちの年齢の重ね方を学びたいなあ(笑)。

去年はオノヨーコさんや加山雄三さんも<フジロック>に出演なさっています。

奥田 僕らより上の世代の方々が出演するフェスって少ないんですよ。日本の先輩アーティストにも出てもらいたいし、自分も何歳くらいまでこういうことができるのかって興味があるんですよね。

そんな奥田さんを目標にする若いミュージシャンも多いと思います。

奥田 そうですかね。そうだとしたら、健康には気をつけないと(笑)。ライブをしたりレコーディングをしたりすることが、自分としても喜べる部分なんですよ。だから、できれば死ぬまで音楽を続けていたい。

奥田さんは今年で50歳。どんな50代を過ごしたいですか。

奥田 40代がそうだったように、いつの間にか過ぎているというのが理想ですね。別の職業をするわけでもないので、自分の年齢にふさわしい音楽を作っていければと思っています。実は、理想とか目標ってないんですよ。試行錯誤しているまんまというか。目標を探しているわけではなく、試行錯誤したいだけだったのかもしれないですよね。

そんな50代の奥田さんの新作。多くのファンが待ち望んでいると思います。

奥田 そろそろっすか(笑)。この1年から2年の間には、なんとかしたいと思っているんですけどね。やっぱり50代でも出しておかないとね。

Text by Takashi Kikuchi
協力:Festival Echo ’15 フェス・エコ
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Profile:奥田民生

1994年にシングル“愛のために”でソロ活動を本格的にスタート。2009年にユニコーンを再結成。2013年からは、くるりの岸田繁らとサンフジンズとしても活動を続けている。フジロックには苗場に会場を移した1999年と2000年に連続して出演。一昨年(2013年)に、13年ぶりに<フジロック>に戻ってきた。今年11月、<ひとり股旅スペシャル>として地元・広島のマツダスタジアムでのライブが決定。マツダスタジアムでのライブはこれが初となる。

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