深夜のルーキーアゴーゴーのライブによって、音楽に対する自分たちのスタンスが変わったというヨギーニューウェーブス。あれから3年。今やシティポップを代表するバンドに成長した。進化をフジロックで見せる。

「食うために仕事をして、生きるために音楽をしよう」

どんな経緯で、Yogee New Wavesを結成したのですか。

角舘 ヨギーを結成する前に、ファンクバンドでベースをやっていたんですね。徐々に曲を書くようになって、ファンクではなく、新しいバンドを作りたくなったんです。それで対バンでライブをしていたドラムの粕谷に「お前、やれよ」って声をかけて。はじめた頃は、もっとゆるゆるとライフスタイルを楽しむような音楽をやろうと思っていたんです。

粕谷 最初はそういうテーマでメンバーが集まっていました。

角舘 当時の俺たちの合言葉は「食うために仕事をして、生きるために音楽をしよう」と。けれど、もっと本気でやらないとおもしろくないというか、音楽というこれだけ楽しいことが目の前にあるのに、20代のホットタイムを逃す手はないと考えて、音楽に全振りしようと決めたんです。

粕谷 僕は会社を辞めて、健悟は大学院を辞めて。

MG_6342-1140x760 Yogee New Waves 3年前のルーキーでの転化が、自分たちの道を作る【FESTIVAL ECHO ’17×瓦版特集 vol.1】

それが2013年?

角舘 そうですね。ヨギーの初ライブは、サマソニの「出れんの!?」の選考ライブだったんですよ。そのために曲を書いて、バーっとやったんですけどね。そのライブをきっかけに、応援してくれる人も多くなっていって。

粕谷 上昇気流に乗っているような感覚もありましたね。ライブの会場も一歩一歩大きくなっていく感じを持っていました。でも大きく変わったのは、2014年にルーキーアゴーゴーに出させてもらったことによってです。それまでは大学生のインディーバンドの延長のような感覚を持っていたんですけど、音楽に対する本気度が変わったというか。

それだけフジロックの体験は大きかったということ?

角舘 音楽をやれることって幸せなことなんですよね。フジロックでは深夜だったのに多くの人が集まってくれた。そして、少しずつ自分たちのライブにも人が集まるようになり、ワンマンもできるようになっている。学生の頃には、苦労しているミュージシャンが周りにはいっぱいいたんで、俺らはこんなに幸せでいいのかなって思ってしまうこともあるんです。

ルーキーアゴーゴーに限らず、同世代のバンドやミュージシャンが、どんどん現れてきているように感じます。

粕谷 GLIM SPANKYは同世代。健悟は大学も同じで、僕も昔のバンドで対バンしていたりだとか。Suchmosもバンド界隈で知り合って。

角舘 ラッキーテープス、 D.A.N、今年フジロックに出演するネバヤン…。同時発生的にモリモリモリって同じ時期に出てきたんですよね。

ルーキーから3年。今年1月には新メンバーも加わり、バンドとして再始動した。そしてフジロックに初出演する。3年という時間のなかでの歩みを自分たちでも感じられるかもしれないですね。

角舘 新しいメンバーが決まって、まずは足並みを強引に揃えて、そしてアルバムを発表した。リリースツアーを経て、今年のひとつのハイライトとしてフジロックに向かうという感覚です。今年のフジロックって、ビョークにしろエイフェックス・ツインにしろ、ポップというよりもアートに近いじゃないですか。

粕谷 ある種の前衛のようでいて、出演者のラインナップにもテーマがあるように感じられるし。

角舘 そこに呼ばれているってうれしさが、異常なくらい高いんですよ。

Text by菊地 崇
Photo by 林 大輔
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Yogee New Waves

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都会におけるポップスの進化をテーマに、東京を中心に活動する音楽集団。角舘健悟(ギター、ボーカル)と粕谷哲司(ドラム)を中心に活動を開始。2013年のサマーソニックの「出れんの!?サマソニ!?」の選考ライブが初ライブ。翌2014年にルーキーアゴーゴーに出演、9月にファーストアルバム『PARAISO』を発表した。今年はじめに竹村郁弥(ギター)と上野恒星(ベース)が加入。5月にセカンドアルバム『WAVES』をリリース。5月後半にスタートしたリリースツアーは6月30日に沖縄でファイナルを迎えた。

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INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL’17

2017.07.28(金)、29(土)、30(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場
OPEN 09:00/START 11:00/CLOSE 23:00(予定)