川上 「ライブをより楽しいものにするために、うってつけのもの。」
――<フジロック>は、会場内で観客もアーティストも一緒になって楽しんでいるような雰囲気も印象的ですよね。場内の様々な場所でアーティストを見かけることは多いです。
市川 そういえば、エイフェックス・ツインを通路で観たときは感動しましたね。
川上 ケンドリック・ラマーがHUMMER みたいなでかい車で来たのを観ました(笑)。
――みなさんの去年のレッド・マーキーでのライブはどうでしたか?
櫻木 去年は3人編成だったので、4人で出ていた1回目のレッド・マーキーとはまた違う体験で。セカンド・アルバム『Sonatine』が出た直後でもあったので、そういう意味でも<フジロック>にいい流れを持って行けたのかな、と思います。
市川 僕らは去年の春頃からサポートを入れずに3人だけでライブをしていたので、<フジロック>に向けてだんだん固まってくる雰囲気も感じていました。去年はその後にもツアーをやりましたけど、それも<フジロック>でやったことの土台を今一度確かめるような感覚だったと思います。
――会場ではどんなライブを観たんでしょう?
川上 去年は自分たちの出演日が2日目の夜だったんで、それが終わるまでは、なかなか集中してライブを観ることができなかったんですよ(笑)。
市川 なので、あまり覚えてないんですけど……。でも、ケンドリック・ラマーは観ました。
櫻木 ケンドリック・ラマーは演出も超よかったよね。
川上 すごくよかった。あとは、ペギー・グーも観ましたよ。
市川 そうそう。レッド・マーキーの深夜に出たアーティストは結構観ていました。
櫻木 ダーティー・プロジェクターズもよかったです。ステージの装飾も綺麗で、どこかひねくれていて……。あれはいいライブでした。
市川 僕はフィーバー333のライブも印象に残っていますね。彼らは中継車のトレーラーに乗って、パンツ一枚でライブしていて。<フジロック>で演者があそこまでヒートアップしているのは、自分はあまり観たことがなかったかもしれないな、と思うので。
――ちなみに、みなさんが会場内で好きなエリアというと?
櫻木 出ているアーティストも音も含めて、レッドマーキーが一番好きですね。
川上 苗プリ、レッド・マーキー、グリーンかなぁ(笑)。
――川上さんは苗プリが一番ですか(笑)。
川上 (笑)。ホテルからグリーン・ステージぐらいまでのエリアが好きなんですよ。
市川 でも、一昨年は奥まで行ったよね? ライを観に行ったんですよ。
櫻木 そうそう、奥までカマシ・ワシントンも観に行きました。フィールド・オブ・ヘヴンの方まで行くと、会場の雰囲気がガラッと変わりますよね。あのエリアにいる人たちは、特定の誰かを観に来ているというよりも、色んな音楽を聴いて飲んで踊りたい、という雰囲気が感じられるというか。今年は、ヘヴンにクルアンビン(KHUANGBIN)を観に行きたいと思っています。
市川 でも、クルアンビンとジェイムス・ブレイクの時間がかぶっているんだよなぁ……。
櫻木&川上 ああ、そうだ!!
市川 しかも、ジェイムス・ブレイクはヴィンス・ステイプルズとの並びで……。
――この2組は音源を共作していたりもするので、どちらかのステージに飛び入りする可能性がありますよね。
櫻木 そうなんですよ。クルアンビンとの時間が完全にかぶっていたら、諦めてジェイムス・ブレイクを観に行くかもしれないです。あとは……トム・ヨーク(THOM YORKE TOMORROW’S MODERN BOXES)もダニエル・シーザー(DANIEL CAESAR)も楽しみだし、グリーン・ステージに出るnever young beachも頑張ってほしいです。
川上 ケイトラナダ(KAYTRANADA)のような夜のレッド・マーキーに出る人たちも楽しみですよね。ASIAN KUNG-FU GENERATIONも観たい。
櫻木 サブリナ・クラウディオ(SABRINA CLAUDIO)も楽しみです。僕はニコラ・クルーズ(NICOLA CRUZ)も絶対に観たいし、うてなも出ますよね(Black Boboiで出演)。今年は観たいアーティストが多いので、ずっと外にいて、どのステージにも行くんじゃないかな、と思っています。
――会場ではどんな過ごし方をすることが多いんですか?
櫻木 僕はビールを飲みながらまったりしていることが多いかもしれないですね。それこそ、ハイネケンも買って飲んでいますよ。
――おお! みなさんはハイネケンにどんなイメージを持っていますか?
川上 まずは、チャンピオンズリーグ(笑)。それくらい世界的なお酒ですよね。味も好きです。
市川 ライブハウスにも置いていることが多いですしね。
櫻木 そうそう。飲みやすいから、ぐいぐいいけてしまう(笑)。音楽とお酒って、すごく相性がいいものですしね。
――はい。人と人との距離を縮めてくれるものでもあると言いますか。
川上 そもそも、ライブを観に来ているということは、みんな「体験」をしに来ているということですよね。それをより楽しいものにするために、うってつけのものなのかと。音楽とライブをサポートしてくれるような存在ですね。
――今年はみなさんは、ハイネケンがサポートしている「GAN-BAN SQUARE」の最終日にDJセットで出演します。今年はどんなセットにしたいと思っていますか?
川上 テクニックというよりも気持ちを見せたいですね。ハートでやりたい。最終日の夜なので、とにかく僕ら自身も楽しみつつ、会場を盛り上げていきたいと思っています。
市川 今年の<フジロック>の最後の雰囲気づくりができたら嬉しいですね。
櫻木 色んな音楽をかけて、盛り上げていきたいです。そのうえで、今年も「自分たちが今どこにいるのか」ということを、確認する場所にもなるんだろうな、と思っています。
text&interview by Jin Sugiyama
photo by 横山マサト
取材協力:COMMUNE 2nd