<フジロック>を愛する芸人として昨年もこの富士祭電子瓦版にご登場いただいたハライチ・澤部佑さんとバイきんぐ・小峠英二さん。今回は念願かなっての「フジロック芸人」による<フジロック>対談が実現!
苗場での目撃談も多く、テレビでもそのことを公言しているほどの<フジロック>通の澤部さん、そしてお笑い界随一のロック好きで、<フジロック>がきっかけで多くのミュージシャンとも交流があるという小峠さん。そんなお二人は、毎年夏が近づいてくると、楽屋などでその年のラインナップについて語り合う仲だそうですが、どうやらおふたり、これまでの会場内ではすれ違いが続いているようで…?!
というわけで今回は、そんな「フジロック芸人」の二人を招いて、20回目を迎える今年の<フジロック>参加への意気込み、苗場で二人がやってみたいことなどを語り合っていただきました。
Interview:澤部佑×小峠英二
嗚呼、芸人ふたり、すれ違いのフジロック
澤部 さっそくですが、僕はやっぱりこういう幸せな場であんまり言いたくないんですけどね…ずっと小峠さんに<フジロック>で連絡をしてるんですよ。でも、連絡が返ってこない!!
小峠 違う違う違う!!
澤部 僕はもう…それが寂しくて。
小峠 違う違う。それは違うよ、澤部!
澤部 その連絡が返ってこなかった年の<フジロック>は、中盤から記憶ないですもん。「小峠さんから連絡がまだ返ってこない……」
小峠 違う違う!<フジロック>って、たまに電波が混線しますよね?あれですって。
澤部 いや、さすがにそんな時代じゃないです(笑)
小峠 いや、俺は連絡しないとかそんな薄情なやつじゃないからさ。
澤部 でも、会場に来てるって情報は僕の耳に入ってましたよ?
小峠 でも、やりとりしなかったっけ?ビョークが来たときでしょ?2013年とかですよね。
澤部 そうですかね。
–ええと、どっちが悪いか今から検証しますか(笑)
澤部 それはもう、小峠さんです。連絡したんですよ……!僕、以前に『アメトーーク!』でも話したんですが、自分の<フジロック>での目撃談をエゴサーチするんですよ。で、小峠さんの目撃談もすごくあったから、間違いなく会場にいるって思って。だったら連絡して、やっぱり乾杯したいなと思って。
小峠 まあまあ、乾杯したいよね。テンション上がるよね。
澤部 連絡したのに…。
小峠 うそ、マジで?ええ、なんでだろう?本当に?
澤部 ははは(泣笑)
小峠 「ごめん」の3文字だわ。ごめんとしか言いようがない。舞い上がってたかもしれない。俺ね、2年前に行ったときは、結構遅めに行ったんだよ。確か、新潟で夕方に終わる仕事があったんだよ。で、その年は無理だと諦めてたんだけど、「あれ?」って。「明日、新潟で仕事。週末は<フジロック>開催中。これ行けるんじゃない?」って。それで、その仕事に着替えも持って行って。仕事が終わってすぐに新幹線に乗って行って。で、会場に着いたのが夜の7時ぐらいだったんだよ!
澤部 3日目の?
小峠 そう!
–なんと…!それは逆にものすごい本気度が伺えるエピソードですね。
小峠 それで、友達が行ってたから合流して、テンション上がるじゃない?
澤部 はい。
小峠 そのときに澤部が連絡くれたんだよな、きっと。まあでも正直、それどころじゃなくなるじゃない。もうね、そこで俺が気にかけられるのは澤部からの連絡じゃないんだよ!テンション上がってるときって、返信したくなくなるじゃない。
澤部 まあ……そうですね。
小峠 なんなら「澤部、空気読めよ」くらいに思ってたわ。「澤部、そういうことじゃないんだ」と。「俺は今やっと来たんだ」と。そんな状況じゃないと。
澤部 もうー、でも分かち合いましょうよ!
小峠 何を?
澤部 同じ空気を吸っていたという、ね……。
小峠 なんだそれは。まあでもね、澤部とは<フジロック>前後は毎年話をしているんですよ。誰を観たかとか。
澤部 今年は行くの?とか。
小峠 何食った?とか。
澤部 今年は行けないとか。開催が近づくと、仕事の現場で会うたびに<フジロック>の話はしますね。
-そこには、他に誰か入ったりするんですか?
澤部 いや、ふたりだけですね。
小峠 他の芸人さんも、気を遣って入ってこないですし。結構、真剣な顔でしゃべってる。
澤部 そうそう、「お、マジで?」みたいな。あのトーンの会話には誰も入ってこないですね…
–今年こそはそんなおふたりが苗場で会えるようにという想いも込めて、今回の対談をセッティングしました。
澤部 いやはや、僕は最初2005年くらいから<フジロック>に行きだして、それこそレッチリやアーケイドファイアを<フジロック>で観たいというような夢があったんですけど、徐々に叶ってきてですね。今は、小峠さんと一緒に観るのがフジロックの夢ですね!
小峠 じゃあ、やろうやろう。マジで。
澤部 僕もそうなんですけど、普段は小峠さんも暗いですもんね。でも、<フジロック>でならふたりとも明るくなれる。
小峠 たとえば澤部が苗場食堂でレーヴェンを観たとかって話を前に聞いてたから、俺、去年の渋谷クアトロでのワンマンライブ行ったんだよ。すごい良かった。
澤部 えー!そういうのも、声掛けてくださいよ!
-普段一緒にご飯を食べられたりとかするんですか?ライブ行ったりとか。
澤部 ないですね。小峠さんとは、まったくないんですよ。小峠さんそもそも人とご飯に行かないでしょ。
小峠 いや、俺、ご飯は結構行くよ。付き合いは良い方だよ。だって、澤部、あんまり酒飲まないでしょ?
澤部 めちゃくちゃ飲みますよ!!!
–澤部さん<フジロック>でもめちゃくちゃ飲んでましたよね(笑)
澤部 去年<フジロック>の現地で写真撮ってもらったうち1日目とか、とんでもない顔で写ってましたよ。ベロベロ状態で。
-当日、カードに一言書いてもらって、写真を撮らせてもらいましたね。昼も夜もお会いできて。
澤部 昼に書いた1枚目からもう全然覚えてないですもん。
2日目の朝に撮影した澤部さん
小峠 いや、いいんだ。酔っ払ったら。
澤部 そうですね。 一度、<フジロック>前にふたりで飲みに行かなきゃですね!
小峠 ああ、情報交換でね。
澤部 そもそも、<フジロック>の話する芸人さんがあまりいないんですよね。POISON GIRL BANDの吉田さん、マンボウやしろさんくらいでしょうか。あとは(栗原)類くんとか、ハリー杉山くんとか、別の職種の人になっちゃいますね。
–芸人さんは、誘っても来ないんですか?
澤部 誘ったら、全然来ると思いますよ。
小峠 でも、誘いもしないよね。休み合わせたりとかがややこしかったりで。
–とはいえ、芸人さんは一度は<フジロック>を体験したほうがいいと、ふたりとも去年のインタビューでおっしゃってたので。
小峠 行ったら多分、芸人さんに限らずほとんどの人がハマると思うんですよね。
澤部 まあ、絶対ハマるでしょうね。
小峠 行って否定的な人は、よっぽどひねくれてる感じがするよね。
澤部 フェスにあまり行ったことない人は、チャラチャラしたイメージがあるのかもしれないけど、<フジロック>はそういうことじゃない!僕はそのイメージをぶち壊していきたい!<フジロック>は人として、一回りも二回りも成長させてくれるぞ!という。
–ぜひバラエティ番組で“フジロック芸人”を観たいです。ガチの、もう視聴者置いてけぼりのをお願いします(笑)。
澤部 去年『アメトーーク!』で<フジロック>をプレゼンしたんですよね。で、<フジロック>直後に放送されて。フェス芸人とかで集まっても面白そうですけどね。
小峠 それ、やりたいなあ。