<フジロック>常連バンドのひとつであるクラムボン。そのバンドマスターとしてのみならず、楽曲提供や客演などを含むソロ活動や、プロデューサー、ミックスエンジニアとして映画やアニメなどの幅広い分野で活動している【ミト】。

クラムボンの結成は1995年、その2年後に開催された第1回目の<フジロック>にはオーディエンスとして参加し、その後、フジロック初出演を果たした2003年以降、ほぼ2年に一度のペースで<フジロック>に出演してきたミトは三児の父でもある。そこで今回は、<フジロック>を熟知するミトに子どもが<フジロック>というカルチャーに触れることについて話を訊いた。

Interview:ミト(clammbon)

——お子さんは何人?

一番上が高校1年の女の子で、小6の男子と小4の女子がいて。女男女の3人です。

——<フジロック>にお子さんを連れて行ったことは?

初出演の2003年は連れて行かなかったですけど、歩く前くらいの時には普通に子どもを担いで家族でウロウロしたりしてましたね。子どもを担ぐのはお父さんの仕事なんで。

——今、お子さんは何を聴いている?

長女の影響でめっちゃK-POPですよ(笑)。ただ、<フジロック>は「今年は行く」って言ってますね。だから珍しく家族で行きます。不思議ですよね、そこらへんて。若い子だから、自分の友だちでもロックが好きだったりとかか、いらっしゃるでしょうし。彼女は今、K-POPですけど、なんか観たい理由あるのかなあ。

——ミトさんご自身の幼少期は?

かなり早くから音楽にかこまれてました。最初に楽器を弾いたのは、僕が小4の頃でベースを弾いていて。両親が演奏家だったんですよ。単純に。もはや自然と家にはピアノがあるし、親父が演奏する用にキーボードも持っていたり、当時にしては珍しく打ち込みの機械もあったし。何の違和感もなくて自然と音楽に入ってました。バンド組んだのも、「あと2年くらい楽しんで生活できたらなあ」って思って音楽の専門学校へ入って。そしたら原田さんと大助さんに会って。その3人で演奏やると面白いって言われてあちこちからイベントに誘われ、知らない間にデビューしてたみたいな。

kodomo_clammbon-mito_01 【こどもフジロック】子どもへのホスピタリティが整ったナンバーワンのフェスがフジロック ー mito(クラムボン)

kodomo_clammbon-mito_02 【こどもフジロック】子どもへのホスピタリティが整ったナンバーワンのフェスがフジロック ー mito(クラムボン)

■子どもが<フジロック>に触れること

――子どもと過ごした<フジロック>での忘れられないこと

マイブラをグリーン・ステージで見てたとき、子どもは楽しいともなんとも思わないだろうと思ってたんですけど“You Made Me Realise”の最後のノイズで、抱きついていた子どもがいきなりひっくり返ったんですよ。周りの人たちも「てんかんでも起きたのか?」って驚いてて。その後、子どもがウワーンて泣いて元に戻っていったんですけど、未だに覚えてますもん。よくあのとき子どもの手を離さなかったなって。自然界に存在しない轟音を聴いてしまった。何か覚醒してしまったんじゃないかっていうレベルでみんなびっくりしてましたもん。その一番上の子は今高校生ですけど、将来変な啓示を受けちゃったりしてないかって(笑)。

kodomo_clammbon-mito_03 【こどもフジロック】子どもへのホスピタリティが整ったナンバーワンのフェスがフジロック ー mito(クラムボン)

——子どもが<フジロック>のカルチャーに触れることについて、どう思う?

今年<フジロック>に遊びに来る人から「小っちゃい子連れて行くんだけど、フジロックって行ったことないからわかんないんだよね」っていう連絡があったんですけど、多分、<フジロック>は子どもを過ごさせるフェスの中では日本でナンバーワンのホスピタリティが整ってるフェスだと思います。子どもの遊び場周りも充実してるし、普通にベビーカー持って行ってもいいし。そういうフェス仕様の子どものアイテムがいっぱいあれば、来てるお客さんも子どもがいることに対してフレンドリーだったりもするし、今はみんな開けている気がしますね。子ども用のご飯周りもしっかりしてるじゃないですか。飲み物もそうだし。

——心配することはなさそう?

ほとんどないと思いますね。逆に大人がUpset(動揺)しちゃうことが結構あるんで、そこまで心配、緊張しなくてもいいかなと。トイレまわりとか着る物対策ぐらいを知っていれば、子どもはそこまで難しくないと思うんだよなあ。僕はもう1、2歳の頃から子ども連れて行っちゃっていたので。

要するに、普段生活しているときに持ち歩く抱っこひもだったりとか、外に出るとき用のオムツの替えだったり、それを捨てるビニール袋だったり。それぐらいのものが揃っていればそんなに。こどもフジロックで言えばね。

あとは大人の体力ぐらいじゃないですか(笑)。8時間くらい抱っこしながら歩くわけですから、その体力をつけるためにジムに行きなさいっていうくらいで。大体はそれで体が痛いだ、なんだって言ってる人たちばかりだから。子どもはむしろのびのびとして、何の問題もないと思います。

kodomo_clammbon-mito_04 【こどもフジロック】子どもへのホスピタリティが整ったナンバーワンのフェスがフジロック ー mito(クラムボン)

kodomo_clammbon-mito_05 【こどもフジロック】子どもへのホスピタリティが整ったナンバーワンのフェスがフジロック ー mito(クラムボン)

interview by菊地崇
photo by 横山マサト
text by早乙女‘dorami’ゆうこ

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