■7月28日(土)

60 【こどもフジロック】FUJI ROCK FESTIVAL’18子連れフェス体験記〜3歳児との過ごし方〜

○朝

朝から小雨がしとしとと降り、どんより雲が広がっていた2日目。ドラゴンは開口一番、「はやくお山にいきたい!」と大騒ぎだった。

朝から母の言うことに一切耳を貸さず、「ママがいなくなったの、ダメ!」と昨日の母の行動を断罪するのに懸命だった。さらに昨夜、孫と祖母の二人によるナイトウォーク中に“ナイトゴンドラ”乗り場を発見するも、ドラゴンは「ママとのるの!」と言って我慢をしたとファルコンから聞かされたため、朝食中、目の前で白米にワッフルをのせた新種の丼を頬張っているドラゴンに対し、母は何も言えなかった。

食後には雨も止み、晴れ間も見えた。汗ばむ蒸し暑さも感じ取れ、雨なの? 晴れなの? と、自分もドラゴンの服装にも迷ってしまった。
3歳連れで大変なのは、こうした出がけの準備中に邪魔したり、じっとしていないので準備が進められないことだ。そんなとき、ファルコンは「嬉しくって、そばで観ていたいんだよね」と孫を擁護するのだが、ドラゴンは「ソウジャナイ!」と全否定。失笑しながらなんとか準備をして出発。

朝の早い時間だったからか、ドラゴンドラの待ち時間は0分。しかし、一度乗ってしまえばドラゴンのお目当てのケロポンズの森の音楽会にはきっと間に合わない。KIDS DJ体験もして欲しかったけれど、今年はドラゴンドラではなくナイトゴンドラに乗ることにして通り過ぎた。

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○昼

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グリーン・ステージでは、eastern youthが大音量で演奏していた。母には心地いい爆音だが、ドラゴンには「イヤーマフしてないと耳が壊れちゃうよ」と伝えた。しかし、確かめたいのか真逆のことをする。これも3歳児だからなのだろうか。

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とはいえ、これまで抱えていた子どもの耳への音の影響や保護に関する不安は、耳鼻咽喉科医師の西嶋隆先生のインタビュー内容によって払拭されたので、以前ほど神経質にはならずに、母が大きいと感じた場合と本人が希望したときだけ装着させていた。今年はイヤーマフ姿の子どもが多くみられたように思う。

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この日、目の前を歩いていた男性が落ちていたゴミをスッと拾ってゴミ箱へ運ぶ場面に遭遇した。そのあまりに自然な動きをドラゴンはまじまじと観ていたし、ファルコンは「素敵ねえ」と声を漏らした。フジロックの良さはこうした一瞬にある。

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辿り着いたKIDS LANDではゴンちゃん岩でママたちが撮影会をしていた。

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この日の森の音楽会はふーちんからスタート。

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“すし桶ドラムふーちん”として、チャラン・ポ・ランタン、FU-CHING-GIDOなどのバンド活動では観られない演奏を昨年から披露している。ドラゴンは一人でいくつもの音を奏でるふーちんに魅了され、かぶりつき状態で観ていた。

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ライブ後もドラゴンはKIDSの森に残り、音を鳴らしたり、ティピで出逢った子どもたちと落ち葉や枯れ木でご飯を作ったり、石巻の海からやってきたブランコに乗って遊んでいた。母は今年もまたこの森で平和な時間を過ごせることに感謝した。

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昼食をKIDSの森で食べていたら、The Birthdayの音が聴こえてきた。歌詞がはっきりと聴き取れるほどクリアに聴こえたのは風向きのせいだろうか。Thee michelle gun elephant世代の母にとってはそうしたことでさえ喜びを感じてしまうのである。同じ気持ちを抱いていたママ・パパも多かったかもしれない。

そうこうしているうちに、ケロポンズのステージが始まった! 
KIDSの森は人で埋め尽くされ、カニツメと園のお友達のママお手製のカニ・ハットをかぶったドラゴンは、ファルコンと木に腰掛けて準備万端に待ち構えて盛り上がっていた。

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ケロポンズが終わると子どもたちが一気に遊び始めたKIDS LAND。続く、鈴木翼くんの登場まで、遊具エリアと森を行き来しているドラゴンを遠目で見守りながら母は写真を撮っていた。

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森のステージに触発されてのことだろうか、昨年以上に楽器を抱えて遊んでいたように思う。

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ウクレレも逆だったけれど、楽しそうなので何も言わずに見守っていた。ドラゴンが入手した楽器を木に並べていたら、他の子がそれに手を伸ばすと威嚇して防御。一度に全部は弾けないんだからと言ったら母も威嚇されたので放っておいた。

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○夕方

16時に翼くんが森のステージに登場し、ドラゴンの意識はまたステージへ。最初は躊躇していたものの場慣れしてきたのか他の子どもたちと一緒にステージにも上がって積極的に参加していた。

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その直後、なにぬの屋の渋沢やこさんがKIDS LANDに突如出現! やこさんはフジロックにKIDS LANDが生まれた当初から布で作った紙芝居「なにぬの屋」として子どもたちにパフォーマンスを見せてきた人だ。彼女の一挙一動に子どもたちの真剣な眼差しが注がれていた。

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この日は終始KIDS LANDで過ごしたが、まだまだ足りないと遊び続けるドラゴンに疲れが見えたところで回収。そして「母はお仕事をしてから宿に戻るので、先にバアバと帰っていてください」としっかり説明もした。納得はしていないものの、この日は前日のように泣き叫ぶことはしなかったらしい。

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○夜

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母は仕事をした後、SKRILLEXとYOSHIKIの「Endless Rain」を観た。その頃から降り出した雨が刻一刻と強まり、ケンドリック・ラマーが始まる頃には本降りになり、風も強くなっていた。

そうして待ちに待ったケンドリックのステージは圧巻だった。現代の音楽シーンを牽引する王者の風格と斬新なステージングにこのタイミングで触れられたことに意味があったと言える。

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ただ、気になったこともあった。この日の夜には台風の影響が出るという予報は大きく報道されていたし、実際に会場内でも雨風が強まっていたのは容易に感じられた。それでも幼い子どもを抱えて観ている人もいたし、1歳に満たない赤ちゃんを抱えた女性にも遭遇した。彼女はその状況に動じることなく笑顔で赤ちゃんをあやしていたのだが、どうしても心配で声をかけたものの、「温かくしてください」としか言えなかった。考え方は人それぞれとは分かっているが、ケンドリックの余韻も吹き飛んで子連れの参加スタイルについて考え込んでしまった。