2004年にロンドンで創業し、それから世界各国で愛されるプレミアムミキサー(割り材)となったフィーバーツリーFever-Tree)。ここ日本では10年ほど発売されており、さまざまなシーンで親しまれている。 

そんなフィーバーツリーが<FUJI ROCK FESTIVAL ‘24(以下、フジロック)>に初参戦。様々なカクテルを一段上の味わいに引き上げてきたフィーバーツリーは<フジロック>での体験も引き上げてくれることでしょう。

今回はそんなプレミアムミキサー「フィーバーツリー」の日本国内における販売を担うアサヒビール株式会社の担当者にインタビュー。<フジロック>初参戦への想いを語っていただきました。

INTERVIEW:Fever-Tree

──まずフィーバーツリーはどのような経緯で誕生したのでしょうか?

フィーバーツリーには創業者が2人いて、片方が元々プレミアムスピリッツ(※“スピリッツ”はジン、ウオッカ、ラムなどの蒸溜酒全般を指します)の会社に勤めていたとき、取り扱っているプレミアムスピリッツに合わせるクオリティの高いミキサー(割り材)がないことに気づいたんです。

一般的にカクテルを作るとき、30ml~40mlほどがジンなどのスピリッツで、120mlほどがトニックウォーターなどのミキサー(割り材)。4分の3がミキサー(割り材)に当たります。だからミキサー(割り材)の品質が良くなければ、スピリッツがどれだけ高品質で美味しくてもクオリティの高いカクテルにならないんですよね。ところが当時の市場にそういったものは出回っていない。それで「ないのならば自分で本当に良いと思えるものを作ろう。4分の3の方にこだわるべきだ」という発案者の想いを発端に、一念発起して2004年にフィーバーツリー社は創業しました。

実は17世紀頃にはすでにトニックウォーターは誕生しており、当時はキナ由来の優しい苦味が使われていました。そこでフィーバーツリーは原点に立ち戻って、天然の苦味を使っている本物のトニックウォーターとして誕生して広まってきました。そこから様々な種類のトニックウォーターが出来ているのですが、「4分の3を占めるミキサー(割り材)にこだわるべき」という考え方は一切変えず、ミキサー(割り材)の品質にこだわり続けています。

──“こだわり”についてもう少し詳しく教えていただけますか?

フィーバーツリーは近場で原料を調達するわけではなく、世界中の様々な国や地域に創業者が自ら足を運んで見つけてきた原料しか使っていません。それは創業時からどれほど需要が拡大しても変えずに続けています。

はじめはカクテルのミキサー(割り材)としてずっと広まってきた商品ですし、フィーバーツリー側としてはミキサー(割り材)として販売しているんですが、「フィーバーツリーはそれだけで完成した商品だから単体で飲んでも美味しい」というお客様側からの声も大きく、ソフトドリンクとしての飲用が現在すごく伸びてきています。ソフトドリンクとしての販売がミキサー(割り材)としての販売を超えている国もあるくらいです。いわゆるスマドリ(スマートドリンキング)ですね。

──楽しみ方も幅広いんですね。

なので、コロナ期を除けばずっと右肩上がりに販売が伸びていっているような状況です。

──ちなみに様々な国や地域に創業者の方が自ら足を運んで見つけてき原料を使っているとのことですが、具体的にどのような国や地域から原料を見つけてきたのでしょうか?

日本で今取り扱っている商品をご紹介させてください。

まず、トニックウォーターが3種類あります。代表的な商品である「プレミアムトニックウォーター」はコンゴ民主共和国のキナ由来の優しい苦味に加え、メキシコのビターオレンジも使っています。プレミアムトニックウォーターにハーブを加えた「メディタレーニアントニックウォーター」という水色のパッケージの商品は、メディタレーニアンという言葉に地中海という意味がある通り、地中海沿岸、スペインとフランスで採れるローズマリーとレモンタイムを使用しています。薄い緑色のパッケージの「エルダーフラワートニックウォーター」に使われているエルダーフラワーはイギリスの方で採ったものです。

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左から:
プレミアムトニックウォーター/メディタレーニアントニックウォーター/エルダーフラワートニックウォーター

また、ジンジャーにも「プレミアムジンジャービア」(ビールではありません)と「プレミアムジンジャーエール」の2種類がラインナップしており、どちらもインドとアフリカの生姜を計3種ブレンドしています。それ以外にもまだ日本で販売されていない商品ではマダガスカルの原料を使っていたりと本当に様々な地域に及んでいます。

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左から:
プレミアムジンジャービア/プレミアムジンジャーエール

──創業から約20年、フィーバーツリーはどのようなシーンで愛され広まっていきましたか?

やはりカクテルを飲む場からです。オーソドックスな在り方かもしれませんが、イギリスでいうとパブやレストランで、特にヨーロッパから広まっていき、アメリカなどにも進出していきました。飲食店を起点に、現場で愛されるようになり徐々に家庭にも浸透していっています。

普及にあたってはテニスやゴルフなどのいわゆる紳士のスポーツの現場に出店していたり、キッチンカーなどでたくさんの場所を巡ったりとお客様に体験の機会をご提供できるよう、地道な活動も続けています。

あと、フィーバーツリーはそもそもミキサー(割り材)ですので、積極的にジンやテキーラなどのいろんなスピリッツのメーカーさんとコラボしていて。このトニックウォーターにはこのスピリッツが合うというペアリング・ホイール(図)を作り、お客様にもできるだけわかりやすく伝えるようにしています。

──ミキサー(割り材)には想像以上に可能性があるんですね。そんなフィーバーツリーが今回の<フジロック>に初参戦ということで、<フジロック>はどのような印象のあるフェスだったのか教えてください。

自然の中で自由に楽しむフェス、というイメージが強いです。フィーバーツリーに関しても植物由来の原材料というところにこだわってきたブランドなので、イメージが重なるのではないかと感じていました。

東京に住んでいる人間の目線だと、開催場所の苗場は少し遠い場所にあると思うんです。それなのに毎回のように10万人以上の人がわざわざ苗場に足を運んで参加している。それって、やはりそこにしかない魅力がある証拠だと思います。

だからこそ来場者の方も交通費や宿泊代含め、決して安くない金額を払って参加していると思いますので、そういった感度が高く、熱量のある方々にぜひこの機会にフィーバーツリーを知っていただけたらと思い参戦を決めました。

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──特にこういったフェスの場で飲むものの美味しさは格別なので、きっとすごく記憶に残るのではないかと思います。

ミキサー(割り材)にこだわるという意識が現状ではほとんどないのではないかと感じています。だからまず実際に飲んでいただいて、「美味しい」を体感していただきたいというのが今回の一つの目的なんです。フィーバーツリーを知っていただきたいという想いももちろんありますが、まずはミキサー(割り材)にこだわることの意味を感じていただければと思っています。

──たしかに日本でミキサー(割り材)にこだわる感覚は薄いように感じます。

薄いというか、もはやないと思っています(笑)。すごくジンやウィスキーにこだわっていても、ミキサー(割り材)は近くで買えるものでいいよねという感覚というか。4分の3を占めている意味はやはり大きいのでそこが伝わって欲しいという想いです。

実際に飲食店の店長さんたちに「トニックウォーターってなんですか?」と訊くと誰も答えられないということが往々にしてあるんです。やっぱり現状ではトニックウォーターって何かあまり知られていないんですよね。「炭酸?」とか「ジントニックに使うもの?」くらいの認知で。だからトニックウォーターというものが飲んでいただいた方の印象に少しでも残ればいいなと思っていますね。

今回は昼はウオッカベースのレモンサワー、夜はジントニックを提供しようと考えています。

──時間帯で提供する商品を分けるんですね。

夜の8時までウオッカベースのレモンサワーを、それ以降はジントニックで、それぞれミキサー(割り材)を3種類ずつご用意する予定です。トニックウォーターで作るウオッカベースのレモンサワーは、ぜひ食事に合わせて体験してみてください。夜単体で飲むときはより味のしっかりしたジントニックで楽しんでいただきます。

ソフトドリンクもご用意する予定で、6つの商品のうち5つ、トニックウォーター3種類とジンジャービア2種類を出そうと思っています。なので、お酒好きの方はもちろん、お酒を飲めない方も、お酒を飲みすぎた方の小休止としても楽しんでいただけるはずです。まずはトニックウォーターの味わいを知っていただければ嬉しいです。

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──<フジロック>はフェス飯も魅力的なので、食事と合わせるのも楽しみです。おすすめの合わせ方はありますか?

もちろんです! 辛味の強い中華やサムギョプサルなどの韓国料理にはエルダーフラワートニックウォーターを使ったウオッカベースのレモンサワーがすごく合うと思います。タコスなどのエスニック系やピザなど洋食にはハーブの香るメディタレーニアントニックウォーターとの相性がすごくいいです。定番の一つのカレーやもつ煮込みなどの和食にはプレミアムトニックウォーターの甘みと苦味がバッチリです。ウオッカベースのレモンサワーでもジントニックでもソフトドリンクでもかなり相性が良いと思います。

──どんなタイプの食事にも合わせられそうです! 楽しみが増えました。

もちろん食事中以外でも、例えばテキーラのショットのような形で激しく飲むというよりはゆっくりと嗜んでいただく、自然の中でのゆったりした時間の流れと共に楽しんでいただくのも良いと思います。ステージの最前で聴きながらではなく、少し遠目でステージを眺めながら音楽を楽しんでいるときに合うんじゃないかと思います。あと「あのアーティストが良かったよね」なんて友人たちと語り合いながら飲むような時間にもフィットするはずです。

今回の<フジロック>に出るアクトはもちろん全部魅力的なのですが、特に3日目のGREEN STAGEのトリを務めるノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS)や(「オアシスエリア」での出店の予定なので)一番近いRED MARQUEEで言うとキング・クルール(King Krule)など、フィーバーツリーの始まった国、イギリスのアーティストを観ながら楽しんでいただくのも最高かもしれません。

──では最後に今年<フジロック>に来場される方に向けてメッセージをお願いします。

素晴らしい音楽と心地良い自然をおつまみにしながら、ミキサー(割り材)にこだわったジントニック、ウオッカベースのレモンサワーをぜひお楽しみいただければと思います! 少し優雅な時間をお楽しみください。個人的にはどんなシーンで皆様に楽しんでもらえるのか気になるので、まずは全力で楽しみつつ、今後の参考にもさせていただければと思います。

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Text&Interview by 高久大輝

INFORMATION

GAN-BAN/岩盤 × Fever-Tree
コラボドリンクの提供が決定!

<フジロック>オフィシャルショップのGAN-BAN/岩盤とFever-Treeのコラボドリンクが<フジロック ’24>の会場にて提供決定。場内のGAN-BAN BARにて「GAN-BAN フィーバーツリー地中海サワー」が販売される。またオアシスエリアではFever-Treeがドリンクを提供。昼はウオッカベースのレモンサワー、夜はジントニックをメインに販売する。

Fever-Tree

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