「当日はヘヴンを『PARAISO』に変えたい」
――途中でどこかに寄り道する楽しさもあるかもしれませんが、どうでしょうか?
角舘 僕は一時期サービスエリアのガチャガチャを集めるのにハマって、道中でそのシリーズを集めたりしてましたね。最近は見かけなくなったんですけど、この間沖縄に行ったときにもたまたま見つけました(笑)。『心霊ライト』っていうシリーズなんですけど、暗闇でボタンを押すと、のっぺらぼうとか、色んな妖怪のライトが出るんですよ。あれが好きだったんだよなぁ……! 2014年のときは、色んなところにちょこちょこ寄りながら帰ったりもしたよね。帰り道も、途中粕ちゃんの実家に寄ったりとか。あれは最高でした。
粕谷 そうそう(笑)。うちの実家はさいたまの八百屋なんで、帰りに高速を降りてもらって、スイカをもらったりしてね。
竹村 <フジロック>の近くは温泉もあるし、寄って帰るのもいいよね。
上野 あと、行き道なら、会場の一番手前のコンビニで「あと何が要るかなぁ」って考えながら選ぶのも楽しい。会場までのラストのコンビニこと、ラスコンですね(笑)。
角舘 あと、僕はいつもスケボーを持っていくんだけど、結局やらないんだよなぁ(笑)。
上野 絶対やらないでしょ(笑)。「意外と(滑れる)いい道あるんじゃないか?」って思うの?
角舘 そう。ほんと学習しないんですよ、僕(笑)。
上野 BGMに話を戻すと、会場近辺ではファーザー・ジョン・ミスティはマストだし、サニーデイ・サービスも合いそう。昨日ちょうど、サニーデイ・サービスと一緒のイベントに出ていたんですよ。そのライブがすごくよくて、帰りにみんなで聴いてました。
角舘 そういえば、2014年にYogee New Wavesが<フジロック>に出たとき(17年1月に加わった上野さん/竹村さんは加入前)、当時は僕が免許を取ったばかりで、「運転したい」って言ってエンジニアさんに道を教えてもらいながら行ったのを覚えてます。あれは忘れられないなぁ。僕が初めてちゃんと運転をした日だったんですけど、夜に会場に着いたら、周りの匂いが変わって、会場からの光が見えて、「うおおお!!」ってテンションが上がって。
粕谷 あれは最高だったよなぁ。<フジロック>についたときに煙が見えて、そこに会場の光が反射していて。それで窓を開けたら、「音が聞こえてくるぞ!」ってね。
――では、みなさんの会場での忘れられない思い出というと?
上野 僕が本当に最高だと思ったのは、2008年に夜中のレッド・マーキーでリッチー・ホゥティンを観たときですね。
粕谷 いいなぁ!
竹村 レッド・マーキーは僕も一番好きですね。
角舘 僕もそうかも。
粕谷 僕は夜中のオレンジ・コート(=オールナイトフジ)。健悟とEYEを観たとき、すごい楽しかった。 2014年はオレンジ・コートがあった最後の年でしたけど、夜中にボードウォークを歩いて、山塚アイのセットを観たことはすごく覚えています。
――当時の<オールナイトフジ>は、夜中にボードウォークを歩いて、やっとたどり着く感じも含めて最高でしたよね。
角舘 それ、めっちゃ分かります。秘境みたいな感じですよね。あと、川沿いにお気に入りの場所があって、そこで去年も飲んだりしてました。でも、この場所はお気に入り過ぎるんで、みんなには教えたくないな(笑)。
――(笑)。他にライブで記憶に残っているものというと?
上野 去年のベックは最高でした。
角舘 ああ、あれは本当によかったよね。
上野 去年は2日目のグリーン・ステージがトラヴィス、ウィルコ、ベックという流れで、それを全部観たんですよ。僕はもともとウィルコを観るために行って、そのライブももちろんよかったんですけど、あの日はベックのステージが本当に圧倒的で。
角舘 僕もそのライブは観てたんですけど、音だけじゃなくて、気温や風も演奏の一つになっているような感覚で、あれはマジでやばかったです。『シー・チェンジ』の曲がはじまった瞬間に風が吹いて、本当に最高でした。これが<フジロック>のマジックなんだな、って。
――あの日は、プリンスやボウイのカヴァーを挟んだりしていたのも話題になっていました。
角舘 そうそう! “シュガーヒル・ギャング”とかを挟んだりしていて、超エンターテイメントなライブでした。
上野 サポート・ミュージシャンの演奏も素晴らしかったし、超完成されていたよね。
角舘 ベックが着替えて出てきて、アンプの上でくつろいでいるのも最高だった。「かっこよすぎだな……」って。そういえば、上野くんをYogee New Wavesに入らないかと口説いている最中にも、その話で盛り上がったんですよ。
上野 去年の10月ぐらいだよね。
角舘 音楽についてお互いの色んな考え方を話していく中で、<フジロック>に行った話になって、真っ先にベックの話になって。「そのライブ、俺もいたよ!」って。
――<フジロック>が距離を縮めるきっかけにもなっていたんですね。確かに、音楽の思い出を共有していると、相手の人柄が分かったり、距離が縮まったりする部分があります。
角舘 そうですね。それってすごく重要なことですよね。
粕谷 僕が<フジロック>のライブで覚えているのは、2014年のサブトラクト。あのときは会場に電球しか付いてなくて暗い中でのステージで。そこからサブトラクトをめちゃくちゃ聴くようになりました。
竹村 僕は一昨年にampel(並行して活動しているバンド)でルーキー・ア・ゴー・ゴーに出たんですけど、その年はフー・ファイターズのデイヴ・グロールが骨折を逆に活かしたステージをしていて(笑)。あと、深夜にクリスタル・パレスで演奏していたキティー・デイジー&ルイスもすごかったですね。この年は昼間にもフィールド・オブ・ヘヴンでやっていましたけど夜の時はクリスタル・パレスに行ったら「あれ、ここでやってるんだ!? 言ってよ!」って(笑)。
――そうやって思いがけず出くわすのも楽しいんですよね。
竹村 そうですね。しかも、メンバーみんな夜通しベロベロに酔っぱらっていて、観客も踊り狂っていて、まるで日本じゃないような、異様な雰囲気だったんですよ(笑)。
角舘 クリスタル・パレスでは、サルサのバンドで赤いドレスを着た人が踊りはじめて、酔っぱらった日本人が誘いのダンスをして、2人とも熱くなってキスをはじめたのを観たことがありますね(笑)。
全員 はははは!
角舘 これはヤバいな、と(笑)。ほんと、<フジロック>の開放感ならではの光景でしたよ。
――今年会場でライブを観てみたいアーティストはいますか?
上野 僕はファーザー・ジョン・ミスティですね。歌詞もすごいし、お洒落だし。ライブも絶対いいだろうなと思うんで。あとはLCDサウンドシステムも観たいなぁ。前に観たホワイト・ステージでのライブは解散前の最後の日本でのライブで、それもすごくよかったですしね。
粕谷 僕もファーザー・ジョン・ミスティが一番楽しみですね。
竹村 僕はファーザー・ジョン・ミスティか、ザ・レモン・ツイッグスかなぁ。
――バンド内のファーザー・ジョン・ミスティ人気がものすごいですね。
角舘 最近急上昇してきた感じですね(笑)。あとはゴリラズかなぁ。ゴリラズが観たい。いや、むしろ……入りたい。
――ゴリラズに入りたい(笑)。
角舘 僕、ビョークのバック・バンドにも入りたいんですよ(笑)。Yogeeと掛け持ちでやります。
――ははははは!
角舘 それぐらい好きだということで(笑)。ピラミッド・ガーデンのオザケンもめちゃくちゃ楽しみですね。既にセットリストも公開されてますけど、今回は“天使たちのシーン”をやるらしくて。僕、あの曲をずっと繰り返し聴いている時期があったんですよ。それで一度ライブを観に行ったんですけど、そのときはアドリブで演奏をはじめて、当時の僕は「ちゃんと聴かせてくれよ!」って怒ったりして(笑)。他にはコーネリアスも大好きだし、今年はサニーデイ・サービスもオウガ(オウガ・ユー・アスホール)も出るし……。
――never young beachも出ますしね。
角舘 そうですね。日本のバンドも、芯をしっかりと持って、地道にやってきたかっこいい人たちが多いような気がしていて、トクマルシューゴさんが出るのも「すごくいいことだな」と思うんですよ。そこに自分たちもいられるというのは、とても幸せなことだと思っていて。自分たち自身も前回に比べて「今年の方が絶対に合う」という、確信めいた気持ちを持って臨みたいです。
――しかも、今回は新メンバーで制作した新作『WAVES』を発表して、前回よりもキャパの大きなフィールド・オブ・ヘヴンに出演します。当日はどんなライブになりそうですか?
上野 今年は1月に僕と竹村が加入して、アルバムを出して、ツアーをして……。<フジロック>でのライブは、その集大成になるのかな、と思ってますね。
角舘 実は、Yogeeで初めてルーキー・ア・ゴー・ゴーに出た2014年のときに、メンバーの間で「次はどこに出たい?」という話をしたことがあったんですよ。そのときに真っ先に名前が出たのがフィールド・オブ・ヘヴンでした。当日はフィールド・オブ・ヘヴンの環境も味方してくれるんじゃないかと思ってます。アーティストと環境の相性ってあると思うので。
粕谷 そうだよね。今回フィールド・オブ・ヘヴンのように、野外の開放的なイメージがある場所に出られるのは、僕らとしては本当によかったと思っているんですよ。
角舘 たとえばライブハウスのような空間だと、僕らはお客さんとメンタルな部分で一対一に向き合うようなライブをするんですけど、フィールド・オブ・ヘヴンは僕らとお客さんとが作る空間の中で、(会場の中腹に向けて波を作りながら)森の向こうに向かって流線形を描いて音を飛ばしたいですね。そうしたら、そこにいる全員に届くんじゃないかと思っているんで。
――あの大会場を音で覆って、全体のムードを作っていくようなイメージですかね。
角舘 そうですね。「フィールド・オブ・ヘヴン(=天国のフィールド)」じゃないですけど、僕らも「PARAISO(=天国/楽園。ファースト・アルバムのタイトルにもなっている)」という哲学を持っているんで、当日はヘヴンを「PARAISO」に変えたいと思ってます。
text&interview by Jin Sugiyama
photo by Masato Yokoyama
取材協力:B.HLYWD
今年も参戦!<フジロック’17>にJeep®が登場
今年もJeep®がパトロールカーとして会場内を巡回、また来場者の車両トラブルがあった場合のサポートやレスキュー対応(※)を行う「Jeep® Parking Rescue」も実施予定。今回Yogee New Wavesのインタビューでも登場した『Jeep® Renegade』もレスキューカーとして活躍します!
※レスキューの対象エリアは会場指定の「駐車場」のみとなります。
また、メインステージ(GREEN STAGE)すぐ横には毎年恒例「Jeep® House」ブースを設置。アンケートに記入いただいた方や、各種SNSに投稿いただいた方に、毎年好評のJeep®フェイスタオルなどのオリジナルグッズがもらえるキャンペーンも実施予定!ぜひみなさんJeep®ブースに遊びに来てくださいね。
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