毎回様々なゲストに登場してもらい、<フジロック・フェスティバル(以下、フジロック)>の魅力/思い出/体験談について語ってもらう「TALKING ABOUT FUJI ROCK」。今回は2019年以来3年ぶりの出演となるNight Tempoが登場。韓国出身、海外でも大きな盛り上がりを見せるジャパニーズ・シティポップ・ブームの火付け役の一人としても知られる彼に、フジロックについて、「ネオ昭和エネルギーを全解放します」とツイッターでも告げたライブへの意気込みについて、語ってもらいました。

Interview:Night Tempo

0510_taf_NightTempo_001 Night Tempoがフジロックでの再演で目指す「ネオ昭和」な一体感 #fujirock

Night Tempoが導くネオ昭和×フジロックとの出会い

──<フジロック>を知ったきっかけは?

もともと韓国でも<フジロック>と同じ時期にラインナップの共通するロックフェスをやっていたので、そこから情報を見て自然に知っていました。僕はロックにそこまで詳しいわけではないんですけれど、ジャスティス(JUSTICE)とか自分が好きなエレクトロ系の人たちもロックフェスに出ていたので。

──2019年のレッドマーキーでの初出演はかなり盛り上がりましたね。振り返ってどんな記憶がありますか?

沢山の人たちの前でDJをするのが初めてだったので、どういう演出をしたらいいのかを考えていました。マニアックな選曲なので、それをカジュアルにするのが自分としての一番の課題でした。でも緊張はあまりなかったです。みなさんに楽しんでいただいて、今振り返ると、とてもいい思い出です。

──その日の深夜にはGAN-BAN SQUAREでのDJもありましたが、そちらはどんな感じでした?

GAN-BAN SQUAREのほうは肩の力を抜いて気楽に、アニメの主題歌とか、自分がかけたい曲をかけました。アニメの主題歌と言っても、今のものじゃなくて、昔のアニソンはシティポップのアーティストが作っていたので、自分の色からもそこまで離れていないんです。<フジロック>のお客さんも理解してくれるんじゃないかと思ってました。レッドマーキーのほうはステージも大きいから選曲もきっちりと決めていたんですけれど、GAN-BAN SQUAREのほうはセットも決めずに、気楽に楽しみました。

──見てよかったライブや印象的だった体験はありますか。

現地に着いてからあっという間に時間が経ってしまったので、他の人のライブは何も見れなかったです。でも、実は別のところに見たいものがあって。苗場プリンスホテルがすごく見たかったので、残りの時間はほぼホテルの中を見ていました。

──苗場プリンスホテルのどういうところが気になったんでしょう?建築やデザインの昭和っぽい感じが気にとまった?

そうですね。壁にラジエーターがついた形式のエアコンとか、ナショナル(National)製の家電とか、そういうところが好きになりました。

「フジロックをきっかけに、大きい場所で自分が好きな音を聴くのが楽しくなった」

──その後はコロナもあって来日は長く途絶えていますが、2019年からの3年間はどんな期間でしたか?

自分のプロデューサーとしての能力を高められたと思っています。もちろん昭和グルーヴやエディットも続けてきたんですけれど、自分のオリジナル作品を作ったり楽曲提供をしながら、作り手としての楽しさを知る期間になりました。

──昨年11月にはLAでのライブもありましたね。向こうでの反響はどんな感じでしたか?

日本以上の盛り上がりでした。僕と友達たちが集まってやったライブで、来てくれた人たちもみんな僕らの音楽を好きな人たちで。集客もすごく多かったし、すごく盛り上がりました。僕より全然背が高い人たちが頑張って日本語で歌ってるのも、かわいいなって思いました。

──その時にはオリジナル・アルバム『Ladies in the City』の収録曲もプレイしたんですよね。その反応は?

アルバムを出す前だったんで、みんな知らない曲だったんですけれど、一緒にジャンプしてくれたり叫んでくれたりして。自分が作ったものが間違ってないと思える、いいきっかけになりました。DJやプロデューサーとしての経験は短いんですけれど、ちゃんと充実してやってきているなとも感じましたね。自分の作っているものを尊重して、自分の意見を形にできた。それはよかったなと思うし、もっと頑張らないといけないなと思います。

──久々の<フジロック>の出演が決まっての第一印象は?

正直な話を言うと、最初はDJをすることにあまり興味がなかったんです。でも、<フジロック>をきっかけに、大きい場所で自分が好きな音を聴くのが楽しくなった。久しぶりに<フジロック>という大きな会場で自分が好きな音や作った曲を出せるというのが楽しいです。

──今回のライブはどんな感じにしようと思っていますか?

最初に出演したときはマニアックな曲も多かったんですけれど、今回はもう少しポップな感じでいきたいと思います。若い世代にはコアかもしれないけれど、自分の曲もあり、昭和グルーヴの曲もあり、それぞれ楽しめるポイントも沢山あると思います。

──映像などの演出は?

今回は映像をシンプルにしたいと思っています。前回はかなり派手で、それもよかったんですけれど、音楽だけで盛り上がれるようにしたい。ビジュアルも大事ですけれど、音楽の仕掛けにもパンチがあると思うので、音楽だけでも楽しめるようにしたいと思っています。

──ちなみに、ライブ以外で楽しみにしていることや、苗場でやりたいことは?

衣装を持っていって、苗場プリンスホテルで写真を撮りたいです。前はバタバタだったのでそこまでする時間はなかったんですけれど。最近は映像と写真を勉強して、自分でも撮影できるようになったので。ホテルのいろんな場所で撮影できたらと思っています。

”自己表現”への挑戦で目指すのは「みんなが一緒に楽しめる」コンテンツ制作

──最近はミュージックビデオの監督・撮影・編集も自ら手掛けたり、ビジュアル表現にも取り組むようになっていますね。

はい。以前は他の方にお願いして作っていただいていたんですけれど、自分が曲を作った時の感触をどう表現するかということに関しては、思っていたのとは少し違う感もあって。だったら自分で表現できたら一番いい。それでビデオを作ってみたり、トライしています。

──衣装はダブルのスーツがトレードマークですが、これはどうやって入手しているんですか?

日本の中古サイトで、古い洋服の売れ残りを探して買っています。使っていない新品のスーツを80年代末や90年代のまま保管していたものが掘り出し物として売っていて。値段もそこまで高くないので、好きな色のものを集めています。今は7、8着ありますね。

──8月には延期になっていた「Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ・ツアー 2022」も開催されます。どんな意気込みがありますか。

これはお客さんとの距離も近いので、さらに楽しい感じになると思います。僕は、一つの文化を、若者も、年上の方も一緒に楽しめるコンテンツを通して作り上げるということを目標にしているので。昭和歌謡やレトロポップを、お母さん、お父さんと一緒に楽しめるようになったらいいなと思います。

──日本に来るのも久しぶりになりますが、行ってみたい場所は?

今、50年前の資料をいろいろ見ながら、どんな建物が残っているのかを調べています。戦後の建物が残っているところを見に行きたいと思って、チェックしています。

──ツアーや楽曲制作以外にも、この先やってみたいことはありますか?

デジタル展示会をやりたいです。自分が作った音楽と、自分が撮影して編集した映像を一緒に見るイベントをやりたいですね。自分はアーティストというより、プロデューサーとしていろいろなものを組み合わせて何かを作るのが楽しい。だったら、展示が一番似合うんじゃないかと。興味のある映像と音楽をあわせてパッケージにして見せたいと思っています。あとはアイドルプロデュースもやりたいです。

──今回は<フジロック>公式グッズとして、Night Tempo x フジロック’22 x GAN-BANのコラボTシャツも発売されます。このデザインもご自身で?

そうですね。自分でデザインしました。絵とか日程とか、いろんな要素を入れてしまうと普段に使いづらいと思ったので、シンプルにしています。前に「夜韻」という漢字を入れて、後ろにフジロックのロゴとNight Tempoのロゴが入っています。普段に着れるようなものを作ろうと思いました。

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text&interview by 柴那典

INFORMATION

Night Tempo×フジロック’22×GAN-BAN Tシャツ 発売!

0510_taf_NightTempo_003 Night Tempoがフジロックでの再演で目指す「ネオ昭和」な一体感 #fujirock
Night Tempo x フジロック’22×GAN-BANTシャツ
カラー:BLACK サイズ: Lサイズのみ 価格:4,000円(税込) 発売日:2022年5月13日(金)eplusショップにて受注販売いたします。

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フジロックにおける新型コロナウイルス感染防止対策

covid19-taisaku-2022 Night Tempoがフジロックでの再演で目指す「ネオ昭和」な一体感 #fujirock
<FUJI ROCK FESTIVAL’22>を開催するにあたり、フジロックに携わる全ての方々の安全を確保するため以下のガイドラインを定め、徹底した対策を講じてまいります。チケットご購入前に、必ず以下に記載の内容をご確認いただき、ご理解の上、ご来場いただけますようお願い致します。FRF’22事務局より

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