【こどもフジロック】〜フジロック本番。3歳児との過ごし方〜

台風12号の影響による悪天候にもかかわらず、7月26日(木)前夜祭1万7千人、7月27日(金)3万人、7月28日(土)4万人、7月29日(日)3万8千人、延べ12万5千人が来場した<フジロック・フェスティバル’18>。ヘッドライナーにはボブ・ディラン、ケンドリック・ラマー、N.E.R.Dを迎えた総勢251組のアーティストが出演し、通算開催22回、新潟県湯沢町苗場スキー場に会場を移してからは開催20回目となったフジロックは大盛況で終演しました。

あれから一ヶ月、度重なる台風の発生や雷雨、また、“猛暑が戻る”といった不安定な天候が続く日本列島の空の下で、今、改めてフジロックで過ごした時間を思い返してみると今年も実に様々な出来事がありました。子どものこと、自分のこと、音楽を含めたすべてのことについてその時々の情景や感情を思い出しながら息子・ドラゴン(3歳8ヶ月)を連れてフジロックに参加した母ライターの子連れフジロック体験レポートを綴ります。

【こどもフジロック】3年目! 
今年も3世代で苗場に乗り込みました。家族構成は次の通り。

①長男・ドラゴン(3歳8ヶ月/フジロック歴:3回目(2016〜))
②母・ドラミ(兼ライター/フジロック歴:1回目から17回参加(1997〜))
③祖母・ファルコン(68歳/フジロック歴:3回目(2016〜))

本番中のレポートを始める前に。過去2回のフジロック参加体験を経た我が家では、事前にこんな変化がありました。

■自分(母)の変化

子連れフジ3年目を迎えるにあたり、母(筆者)には思うところがありました。それは「ちょっとリラックスしたい」という細やかな気持ちの芽生えでした。

過去2年、1歳8ヶ月、2歳8ヶ月という月齢の息子を連れてのフジロックを振り返ると、全身全力で活動していた息子に対して自分は終始肩に力が入っていたように思います。未経験分野に幼子を抱えて飛び込むのはそれなりの勇気と覚悟が要りましたし、余裕がなかったのは仕方がないにせよ、そこまで必死に緊張している必要はなかったのではないだろうかと。なんだか自分らしくなかったかもなあと思えてしまったのでした。これは性格に寄るところでありますが、母性本能が過剰に働いていた時期だったからなのかもしれません。

また、ライターとして子連れでのフェス参加に関する取材を数多く担当させていただいたことで様々な異なる意見や思考、新たな知識に触れたことにも強く影響されていると思いますし、過去2回の参加経験に基づく自信によって生まれた変化ならば喜ばしいことです。

いずれにせよ、今年は必死さから脱却し、母でありながらも素の自分に戻れるようもう少しリラックスして臨みたいとぼんやり考えていました。そこへ、今年はなんと、実母・ファルコン自らフジロックについての話をし始めてくれるというミラクルが起きたのです!

■祖母・ファルコンの変化

01-1 【こどもフジロック】〜フジロック本番。3歳児との過ごし方〜

過去の記事(*1年目の体験レポート *2年目の体験レポート参照)の通り、これまでのファルコンは娘である筆者の仕事への理解から、渋々参加を引き受けてくれていました。ところが今年は「今年はいつからいつまで? 靴はこれを買おうと思うんだけど、お揃いでどう?」と言ってフリーペーパー「フェスエコ」のコロムビア広告ページを広げて見せてきたのです。

その行動に驚きつつも「いいんじゃない? でも私はメレルの靴を買ったばっかりだからお母さんのだけでいいよ」と伝えると、次に会った時には買ったその靴を満足そうな笑みと共に見せてくれました。こうした還暦超えのファルコンの変化には心底驚きましたし、頼もしくもあり、大変嬉しくもあったのです!

(内心では、彼女の気持ちをグイッと引き上げてくれる八代亜紀さんや加山雄三さんのような昭和スターの出演がない今年は断られるんじゃないかと心配していました)

■息子・ドラゴンの変化

02-1 【こどもフジロック】〜フジロック本番。3歳児との過ごし方〜

我が家のヘッドライナー、やんちゃ街道をひた走る3歳8ヶ月のドラゴンは「常に走る/逃走する/よく転ぶ/言葉と態度で主張する/オムツがとれた!/トイレに行きたいと言える/疲れたと言える/お腹が空いたと言える/ほぼ大人と同じ食べ物を食べられる/水を見るとダイブ/昼寝が必要」と幼児コンディションになりました。乳児段階を卒業し、パンク度数が高めです。

昨年までとの大きな違いは、辿々しくも自分の意見を言葉にできるようになり、音楽の好みも一丁前にあるようで「コレはスキ、コレはキライ」と好みを述べることや、好奇心に任せて猛ダッシュができるようになったため、1秒で見失う危険有りということ。それに加え、オムツを卒業し、食べ物もほぼ食べられるようになったことで荷物も激減しました。この成長により、親業は随分と楽になりました。

成長した彼のお目当ては昨年と変わらず、ケロポンズ。ライブ観覧は6回目となり、「ケロポンズは(いつ見られるの)?」と聞かれること数百万回、母も同じだけ、根気強く回答しました。昨年までは会話もままならなかったのに…。

そして、密やかながら初めて目標も3つほど設定していました。

・子連れでは未開の「奥(=カフェ・ド・パリ)」まで行くこと!
・全員でドラゴンドラに乗ること!
・ボブ・ディランの音に家族全員で触れたい!

フジロックでは、準備が何よりの要。実際にできた/できないという結果はどうでもよいのですが、上記のように、成長や体験による家族の変化に合わせた事前シミュレーションや家族とのコミュニケーションといった心の準備がフジロック本番中の行動に大きく影響してくることを今年初めて体感したので敢えて記しました。これまでの2年は母の独断で進行してきた我が家において、これは大きな変化でした。

それでは3世代での3回目となった子連れフジロック参加体験レポート、ようやく始まります!

■7月25日(水)前夜祭前日

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○夕方
三国峠の気温は25度。天候もまずまずと思われた苗場到着後、数日前から本調子ではない様子だったドラゴンがとうとう発熱。持参した冷えピタ、風邪シロップなどで対応。肝心の体温計のスイッチが入らず、当時都内にいた後発隊のTちゃんにお願いして体温計と買い忘れた土埃対策の小児用マスクを買ってきてもらった。困った時に助けてくれる友達がいると本当に助かる。しかし翌日には一気に回復するという“こども・あるある”となり、ほっと一安心。

■7月26日(木)前夜祭

○夜
一気に回復したものの、人の多い中に繰り出すのもなぁ…と悩む母。ドラゴンに「花火見に行く?」と尋ねると「いく! はなび、みたい!」と元気よく応えたため、祖母・ファルコンと相談した結果、花火前にご飯を食べて花火を観たら即帰ることにして前夜祭会場のオアシスへ。

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夜のピカピカ・アイテムを身につけて到着した19時頃には人で溢れていてバギーでは進めないくらいにギュウギュウ状態になっていた。昨年も多かったけれど今年も満杯。無料で参加できる前夜祭、参加する人数が年々増えている印象あり。

ファルコンに「何食べたい?」と聞くと「もち豚! 私は1年それを楽しみにしていたのよ!」と迷いなく返答されたので気合いを入れて店のあるレッド・マーキーのサイド出入口近くまで突進。

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しかしながら、人気店が故に長蛇の列が…。ファルコンはもち豚に、母は隣りのピットーレのピザ列に並んだ。【こどもフジロック】コラムの「こどもフジごはん」で紹介したピットーレのフジロックスペシャル・ピッツアを食べたかったのに、ドラゴンが「アレ!」と写真を指さし、頑として譲らなかったソーセージのピッツアをオーダー。花火が鳴ったところでようやく入手し、お腹の空いたドラゴンは片手にピザを、片手にはファルコンから奪ったもち豚を持って花火を鑑賞。

07-08 【こどもフジロック】〜フジロック本番。3歳児との過ごし方〜

昨年までは「これは食べさせられないわっ」なんて細かいことをいちいち気にしていたのが嘘のように許容できる自分、そしてバクバク食べるドラゴン。

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雨が降られないうちに宿に戻ると、何かを思い出したかのような顔でドラゴンがいつもの台詞を言った。

「ケロポンズは?」

「今日は前夜祭だから、あと3回寝たらケロポンズに会えるよ」
ドラゴン「あと3回ねるの? ここで?」
「そうだよ。ここであと3回もイエイイエイ(=ライブ)があるんだよ。楽しいね!」
ドラゴン「ヒヤァ〜! でも〜、葉っぱの花火がおわっちゃったんだー」

前日に見た木のイルミネーションが消えてしまっていたようで、そのことを残念がっての発言だった。周りをとてもよく見ている上に、なんて素敵な表現をするのだろうと深く感心。そういえば、昨年の朝霧ジャムで夜空に浮かぶ満点の星を見上げて「花火がはじまったよー!」と叫んでいたっけ。

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