家族の数だけそれぞれのスタイルがあるように、子連れフジロック・スタイルも様々でしょう。

この「子連れフジロッカーズ・インタビュー」では、子どもを連れてフェスに参加する人がその時の自分には何が必要かを最終確認していただけるような参考例を集め、フェス参加ファミリーのケース・スタディとしてアーカイブしていきたいと考えています。

第2回は、昨年初めて子連れフジロックを経験した5歳と2歳の兄妹のいる伊藤家と、どちらも父はフジロック経験者で母は未経験という、今年の子連れ初参加を検討中のママ友繋がりの齋藤家と長谷川家、合計3つのファミリーに取材協力をしていただきました。

今回のインタビューは、これからフジロックを初めて経験しようとするファミリーが抱く疑問や解決策が満載です。お子さんの月齢を参考に、どうぞご覧ください。

■伊藤家プロフィール(神奈川県在住・移動手段/車)
父・ヒロユキ(1回(2016)/35歳/会社員)
母・ユウコ(1回(2016)35歳/主婦)
長男・ツバサ(1回(2016)/5歳8ヶ月)
長女・ナオ(1回(2016)/2歳9ヶ月)

ito_1 【こどもフジロック】子連れフジロッカーズ・インタビューVol.2 〜伊藤家、齋藤家、長谷川家〜

■齋藤家プロフィール(東京都在住・移動手段/車)
父・ケンジ(フジロック参加歴:仕事で有/53歳/カメラマン)
母・ユミコ(今年初/46歳/フリーアナウンサー)
長女・ハヅキ(今年初/5歳1ヶ月)

saito_1 【こどもフジロック】子連れフジロッカーズ・インタビューVol.2 〜伊藤家、齋藤家、長谷川家〜

■長谷川家プロフィール(神奈川県在住・移動手段/車)
父・テツヤ(フジロック参加歴:5,6回/38歳/会社員)
母・マユコ(今年初/主婦)
長男・ソウ(今年初/5歳2ヶ月)
次男・リョウ(今年初/2歳4ヶ月)

hasegawa_1-1140x1710 【こどもフジロック】子連れフジロッカーズ・インタビューVol.2 〜伊藤家、齋藤家、長谷川家〜

伊藤家、齋藤家、長谷川家の場合

■フジロックの噂

フジロックのイメージは?

長谷川母さん:「昔は行ってたけど子ども生まれるとちょっと行けないよねえ」という友達が多くて。

初年度が富士天神山スキー場、2回目が東京・豊洲、3回目から苗場へ移って18年です。

長谷川母さん:旦那さんは富士山の時に行ったって話してたから初回だったのね。あと苗場も行っているはず。

齋藤家はどちらも初参加ですか?

齋藤父さん:僕は仕事で参加したことがあります。フジは豪雨だと大変ですよね。

昨年、一昨年は2年連続で天気に恵まれたんです。

伊藤母さん:うちは去年初やったからあの天気がちょうど良くて。

他のフェス参加は?

長谷川母さん:アコースティックキャンプとか、結構連れていってもらってます。

今年フジロックに行こうと思ったきっかけは?

齋藤母さん:知り合いが「フジロックいいよー」と言ってるのと、子どもが楽しめそうなエリアがあるなら遊び感覚で行けるかなと。子どもがいたら行けないと思い込んでいたから。

長谷川母さん:子どもと行くなんて考えてもいなかったんだけど、子連れで行けるらしいよって齋藤さんから聞いて。旦那さんは「フジ行きたい、フジ行きたい」といつも言ってるし、子連れでもいけるなら行っちゃおっかっていう軽い気持ち。でもそれじゃダメか(笑)。

hasegawa_3-1140x760 【こどもフジロック】子連れフジロッカーズ・インタビューVol.2 〜伊藤家、齋藤家、長谷川家〜

(長谷川さんの息子さんが登場)キッズランドにいそうな元気ボーイですね。

齋藤母さん:そう、それ! キッズランド! 子どもが行ける場所がフジロックにあるってことを知らなかったけど、そこからケロポンズのライブまで行進して歩いていったって聞いて楽しそうだなって。駄菓子屋さんをみんなでやったりワークショップもあったりプレーパークも動画で見せてもらって。

フジロックにはキッズランドをはじめとした子どもも楽しめるステージ以外の面白さもたくさんありますから。

伊藤母さん:川辺でみんなが気持ちよさそうにしていたり、チラっと観たアーティストがすっごく格好良かったり。そういう臨場感みたいなものは行かないと味わえないですよね。

■伊藤家の初参加は2016年

先輩の伊藤母さんに質問は?

伊藤母さん:そんな! 雨にも降られてへん、一番楽な時に、私も旦那も初めての参加やったし、ホワイトステージしか行けなかった。

長谷川母さん:行きたいなって思ってたの?

伊藤母さん:私はずっと思ってたけど、旦那は無関心無趣味の人。でも昨年はすごく好きなEGO-WRAPPIN’が出るし、フジロックへの憧れもあるし、転勤族でいつ横浜から離れるかもわからへんから今のうちに行っとくべきやと旦那にすごくプレゼンして。

もともと関西にお住まいだったのが転勤で横浜に?

伊藤母さん:そうなんです。関西から苗場は遠いし、横浜に来て、ここ(まんまるプレーパークにて取材)の世話人がキッズランドにも携わっていることや子連れ参加していると聞いてフジロックがすごく近い存在に思えて行けるんちゃうかと。

ito_2 【こどもフジロック】子連れフジロッカーズ・インタビューVol.2 〜伊藤家、齋藤家、長谷川家〜

実際行ってみてどうでした?

伊藤母さん:楽しんだのは私だけ(笑)。

一同:(爆笑)

お子さんは?

伊藤母さん:地元のプレーパークからキッズランドに出張してたプレーリーダーのカイ君に会えることが上の子の一番のモチベーションやったから、会場までの長い道のりで歩くのが嫌になった時には「カイ君に会いに行こう!」と励まして。

長谷川母さん:赤ちゃんはおんぶ?

伊藤母さん:抱っこひも。下の子はすごく楽しんでたように見えたし、上の子はキッズランドの滑り台やメリーゴーランドに食いついて一通り遊んだらカイくんと焚火の前にずっといて。川でお昼を食べてのびのび遊んだりケロポンズのライブも観て子ども中心に動いてから、最後の最後にEGO-WRAPPIN’を観た。ライブ中、ママの異様なテンションの高ぶりを面白がって観てたけど、知らん曲やしうるさいしって途中でダレてしまって。それで帰り道にすっごい人混みにもまれて「疲れた。もうフジロックいやや」って。

旦那さんは?

伊藤母さん:最初は「フジロック子連れで行くなんて、お前常識あんのか?」とか「考えられへん。何で今なの?」と言われ、「もうちょっと大きくなってからならいつでも行けるやん」とも言われたけどいつ行けるかわからへん。「私はEGO-WRAPPIN’さえ観れれば子ども中心で動きます」と伝えたら「ほんまにやな?」と何度も念押しされ、「まずは子ども優先やぞ」と約束してギリギリ行ってくれた。

長谷川母さん:よく行ってくれたねえ!

伊藤母さん:ほんとに! 行ったら行ったでフジロックのゲート前で写真を撮ったり、「トイレ行ってくるわ〜」と言って戻ってきた時にはビールを片手に持ってたりして結構楽しんでたから、そういう雰囲気は好きなんちゃうかな。お昼も自分の好きなものばっかり買ってきて、子どものとりわけ考えてへんし。私には散々エゴを出したらあかんって言ってた割には、自分中心やん!

一同:(爆笑)

長谷川母さん:今年も行くの?

伊藤母さん:行く! Cocco聴きたいから絶対行く。旦那からは去年「こんな目に遭って…来年は絶対行かんぞ!」と言われて「はい、来年は行きません」って言いながら、内心は「来年も行くぞ」と思ってた(笑)。機嫌のいいときに「フジロック行きたいなあ〜。去年のあの時はああすれば良かったんだよね」と言ってみたら「行くなら5時までやで」と返ってきた! それと大喧嘩した時、「今年は一人でフジロック行ってくる!」って言ったら「フジロックは家族で行くもんやろ!」って言われた(笑)。

面白すぎる!

長谷川母さん:漫才なの?

伊藤母さん:上の子も去年は「もうフジロックいや〜」と言ってたのに、最近は「フジロック行きたーい、カイくんに会いたーい」って。フジロックには後々響いてくる何かがあるのかな?